神々もなんだかんだで大変だ
キリストがこの現代世界に降臨してきて、まず始めに着手したいと思ったのは金儲けであった。彼は「庶民の敵」という菓子を作って道ばたで販売を始めた。それは何の変哲もないもので、小麦粉と砂糖とココアとバターを適当にこねくり回してロケットの形にして焼いただけの、なにやらクッキーらしき怪しき食べ物だったが、卓越したネーミングセンスが人々の心を打ち、彼の商品はまたたく間に大ヒットした。
ロン毛で、顔の彫りがやたら深くて、澄んだ目をした外国人が、道ばたの露店で「庶民の敵」という名の菓子を売