ただ一人、生き残った男の日記
人間のいなくなった世界。夜は本当に真っ暗闇である。何一つ見えない。昨日は月も出ていなかった。雲もなかった。あの星空。前の世界ではあんなの一回も見たことない。いや、見れるはずもないか。新宿も渋谷も、夜はギラギラだったもんな。
それは宇宙だった。まんま宇宙。びっくりするだろ?だって空を見上げると、黒い部分の面積よりもむしろ輝いている星の部分の面積が多いんだぜ?光り輝く粒々の合間に、宇宙の本来の姿である真っ暗闇の黒色がちょろちょろと現れているのさ。まるでシャワー・ルームのカーテン