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2022W杯サッカーの日本の決勝トーナメント進出について

今の日本中の話題は、W杯一色。
日本が、ドイツとスペインに勝って、まさかの予選リーグ1位通過。
この結果は、専門家やファンも含めて誰も予想できなかったと思う。
当然、自分も予測できなかった。

では、今回の結果は、長期的な視点も含めて見た場合、どういう意味をもつのだろうか?
自分の考えでは、日本サッカー界がこれからもっと進化していく上での必要な過程の一つだと思う。
もし、日本が今のハイプレス戦術で決勝トーナメントでベスト4とかベスト8とかに進んでも、それ即ち、日本とブラジル、スペイン、フランス等との強豪国との差が縮まったことにはならないだろう。
つまり、世界の強豪との差は縮まらないが、差を縮めていくために必要なプロセスを今踏んでいると思う。

今回の日本の特殊な戦術は、相手が強豪国であればあるほど有効であり、今回の大会のように5人も交代ができるルールに助けられている側面もある。
しかし、今回のこの戦術も同じ相手に2回は通用しない。
次、スペインやドイツと戦うときは、相手も研究してきて、今回のようには通用しない。
つまり、1回限り通用する戦術。
今のこのハイプレス戦術は、完全に日本のような格下のチームが、スペインやドイツのような格上のチームに勝つためにやる戦い方。
そして、このような自分たちのスタイルを完全に捨て、完全に守備に振振り切る戦術を取る限り、日本が世界の強豪国の仲間入りをすることはない。
日本が自分たちのスタイルで、ブラジルやフランスとかの強豪国と真っ向勝負で戦って勝つことで、初めて強豪国の一つとして認められるからだ。
例えば、日本がオマーンやUAEなどのアジアの格下の相手にブロックを完全に固められて負けたとしても、日本がオマーンやUAEの格下ということにはならないだろう。
それは、相手が自分たちのスタイルで真っ向勝負で戦えていないからだ。

そして、今回の結果は、逆にいずれ日本がしっぺ返しをくらうことになる。
つまり、今後、アジアの格下の相手が、日本と戦うときに、今回の日本と同じ戦術を使ってくれば、スペインやドイツが日本に苦戦し負けたように、日本もアジアの格下の相手に手こずり、負けることが増えるかもしれない。
加えて、ブラジルをはじめとする世界の強豪国は、日本のハイプレス戦術に対する対策を練ってきて通用しなくなる。

そうすれば、改めて、日本は自分たちの戦い方を見直さざるを得なくなる時が来るだろう。
つまり、再度、自分たちのスタイルのサッカーで世界の強豪国と勝負する時がくる。
2014年のザッケローニ監督時代のように。
2006年と2014年とやはり、自分たちのスタイルを重視した戦い方の時は、日本はワールドカップで結果を残せていない。
だから、今回のように結果を残すために、自分たちのスタイルを捨て、完全に守備に振り切る戦術を選ばざるを得ない。

結局は、この繰り返しで進化をしていくのかもしれない。
日本のサッカーが相対的に進化したと言えるのは、つまり、ブラジルとかの強豪国との差が縮まったと言えるのは、自分たちのサッカースタイルを貫いた上で、ベスト8以上にいけた時だと思う。
今回の戦い方を見る限り、それはまだ何十年も先のことだと思う。

今、もし、スペインやドイツと真っ向勝負で戦っていたら、3-0、4-0とかで負けていただろう。
それが今の日本の本当の実力。

一方、韓国は、2022年の6月のブラジルとの親善試合に自分たちのスタイルで真っ向勝負で戦い、1-5で負けた。
日本は、今のハイプレスに近い守備的な戦術で0-1でブラジルに負けた。
数字だけ見れば、日本の方がブラジルと互角に戦ったように見える。
でも、実際は違う。
ただ日本はブラジルとの真っ向勝負を逃げただけ。

韓国のように、真っ向勝負でチャレンジすることで、自分たちがブラジル相手に通用するところと通用しないところの現在位置や課題を肌で感じて知ることができて、次の成長に大きく繋げることができる。
一方、日本のように、まともにチャレンジせずに、相手を恐れて守備的に守るだけでは、自分たちの課題、世界との差をいつまでたってもリアルに感じ取ることはできない、つまり、次の大きな成長に繋げることができず世界の強豪との差を縮めることはできない。

だから、今回の決勝トーナメント進出は、日本の進化にはなっていない。
しかし、いずれ、この守備的戦術が通用しなくなって、自分たちのスタイルを見つめ直し、自分たちのスタイルを貫いた上で、決勝トーナメントに進めたとき、日本は進化したと言えると思う。

自分が生きている間に、日本がブラジルと自分たちのスタイルで真っ向勝負で戦って勝つことを願って、決勝トーナメントの試合を観戦したいと思う。

今日はここで終わり。












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