仕事のストレスを減らす
知的労働の生産性を高める方法が紹介された有名な本ですが、今後のAI活用にも役立ちそうですね。
生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏によると、近年の知的労働の特徴は、
仕事の終わりがはっきりしない = やりかけの仕事が増える
という点にあり、多くの人のエネルギーを奪っているといいます。
「やりかけの仕事」による最も大きなリスクは、仕事に追われ、新しい顧客や機会を追いやってしまうことです。
私が以前に仕事を依頼した企業で、忙しい様子を隠そうともせず、やりとりがいい加減だった方がいました。
要件定義や意図が汲み取れてないことが後にわかり、成果物のクオリティは低く、その後依頼することはありませんでした。
この体験は「明日は我が身」と印象に残り、初めての方に雑な対応をしたら会社は終わり、と意識するようになりました。
仕事のストレスを減らすためには、
1)頭のなかの「やりかけの仕事」を書き出す
2)次の行動を決める
3)信頼できるシステムでやるべきことを管理する
という3ステップを取り入れ、「もっとがんばる」ではなく「規律あるアプローチ」が必要だと著者はいいます。
・システム = 何かを覚え、思い出してくれる
・人の頭脳 = 次々に出てくる情報をもとに、考えをまとめ、意思決定する
というそれぞれの強みと役割を認識がすることがまず大切となります。
よいシステムほどシステムの存在自体に気づかず自然に活用できる、という特徴があるそうで、この視点はAI活用にも活かせるのではと思います。
さらに、仕事のストレスを減らす3ステップの効果を最大化する「週次レビュー」について紹介されていました。
ピーター・ドラッカーによると、知的労働者の仕事とは、
・仕事を定義すること
・その仕事を片付けるためにどんな行動が必要か考えること
であるため、まず頭のなかのやりかけの仕事をすべて書き出し、下記のように分類します。
・やるつもりのこと
・やってもいいこと
・やった方がいいこと
・やるべきこと
・やらなければならないこと
・できるならやりたいこと
そして、「今はいいや」or「いま片付けよう」と処理していきます。
このリストを毎週ふり返り、翌週に自分が行動している姿を想像することで、やりかけの仕事に追われる心理的負荷を軽減できます。
著者によると、無意識に恐れていることは、知らないうちに心のエネルギーを浪費してしまうといいます。
そのため、どんな問題が起こり得るか、どう対応すればいいか、といったトラブルを予想しておき、思考の防災訓練を毎週しておくことは仕事に大きな影響を及ぼすそうです。
やりかけの仕事のリストで「週次レビュー」を行い、自分が望んでいる結果と次にとるべき行動を毎週確認することは、仕事のストレスを減らすことにつながるのですね。
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