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【BONUS TRACKインタビューvol.1】すこしの遊び心で、お客さんに “よろこび” を。「胃袋にズキュン はなれ」福家さん

2020年4月にオープンした『BONUS TRACK』は、“あたらしい商店街” をテーマに、飲食店や本屋さん、ヴィンテージショップにレコード屋さんなど、さまざまなお店がつらなる複合型施設です。

ここでは、そんなBONUS TRACKに出店しているそれぞれのお店をインタビュー形式でご紹介。個性あふれるお店がずらりと並ぶBONUS TRACKの魅力を、ぜひお楽しみください。


“びっくりしたあと、喜んでほしいです”

ーーインタビュー第一弾、よろしくお願いします!

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福家さん:よろしくお願いします!

ーーまず初めに、お店について聞かせてください。

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福家さん:僕らがBONUS TRACKにオープンしたお店は、「胃袋にズキュン はなれ」といいます。もともと下北沢に「胃袋にズキュン」の本店がありまして、その姉妹店としてはじまりました。本店はビストロでイートインのお店なのですが、BONUS TRACKでは、味噌や醤油といったような和の食材を使った焼き菓子をテイクアウトの形で提供しています。

ーーお菓子、本当におもしろいですよね。

福家さん:ありがとうございます。なかでも「サバ味噌のケークサレ」なんかは、お客さんがみんな揃って驚いてくれますね。「肉じゃがのケークサレ」も同じく、みなさん驚かれながらも楽しんでくださっています。すごく嬉しいですね。

ーーわたしもそのうちの一人です(笑)。焼き菓子ではあるけれど、具材はお惣菜。しょっぱいお菓子。

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福家さん:イメージとしては、「惣菜パン」に近いかもしれませんね。「サバ味噌のケークサレ」を例にあげれば、あの焼き菓子の生地には「米粉」を使っているんです。お米からできた生地に、具材として「サバ味噌」を練り込む。つまりこれって、炊きたてのご飯の上にサバの味噌煮を乗せたようなイメージなんですね。

ーーなるほど! 変わったメニューなのに、なぜか “ほっこり感” があると思っていました。

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福家さん:まさにですね。最初はびっくりするけれど、食べ終わった後には、なんだかほっこりしてしまう。「お母さんが作ったご飯」のようなイメージで。そもそもケークサレというのは、もともとヨーロッパの焼き菓子なんです。ハムやチーズが入っているような、甘くないケーキですね。そこに、僕らのテーマである「和」の遊び心を加える。そうしてできたのが、「サバ味噌のケークサレ」なんです。

ーー他にはどんなメニューがあるんですか?

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福家さん:国産の酒粕とクリームチーズを練り込んだベイクドチーズケーキや、白ワインやカルダモン焼酎を混ぜた羊羹、イワシの醤油煮・鶏レバーを使った「和のバインミー」など、本当にさまざまなメニューをご用意しています。どれも自慢の一品ですよ。


土台をくずさず、楽しくまじめに “アレンジ” する

ーーそもそも、胃袋にズキュン はなれさんのメニューはどのようにして決まるんでしょうか?

福家さん:メニュー開発は、僕やスタッフのみんなでそれぞれ行いつつ、試食をしながら進めます。その際は、みんなそれぞれワクワクしていますね。「こんなのどうかな?」「こうしたら良いんじゃないかな?」と、楽しみながらメニュー開発をしています。チーズケーキに酒粕を練り込んでみたり、羊羹に白ワインを混ぜてみたり、さまざまなことを行ってはいますが、「土台をくずさず、楽しくまじめに “アレンジ” する」という考えはあります。

ーー楽しく、まじめに。

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福家さん:土台をすべてくずしてしまっては、元の形とまったく違うものになってしまう。自分たちが楽しくなければ、お客さんも楽しくない。あくまでまじめに、ちょっとだけふざける。そういったバランス感覚が、メニューを支えていますね。

ーーちょっと聞きづらいですが、「失敗」なんかもあるんですか?

福家さん:失敗はいくつもありますね。これって何がしたいの?と思ってしまうようなものもたくさんあります(笑)。ただ、そこから学ぶことも多いですし、実は、「失敗が生んだメニュー」というのもあるんですよ。

ーーえ、そんなのあるんですか!?

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福家さん:この「サバ味噌ラスク」がそうですね。先ほども話した「サバ味噌のケークサレ」に使われている、米粉を変えたことがあったんです。オープン1ヶ月ぐらいのタイミングで。そしたら、味がまったく変わってしまって。

ーー定番商品が……!

福家さん:そうなんです。「このまま出すのは難しいね」なんて話しているうちに、「じゃあ、ちょっと薄く切ってオーブンで焼いてみよっか」という意見が出て。実際に試してみたら、美味しかったんです。すごく。そのメニューが、「サバ味噌ラスク」です。

ーーおもしろいですね。失敗からひとつのメニューが生まれた、と。

福家さん:このお店がオープンした時なんかもそうでした。壁に貼るタイルが一向に届かなかったんです。そうした時にも、「じゃあここ、ステンレスにしてみよっか」と。予定通りに行かないことは正直多いです。でも、その都度、手づくりでなんとか工夫しながら進んできました。

商店街のなかにある、ひとつの “駄菓子やさん”

ーー最後に、これから「胃袋にズキュン はなれ」さんが目指していきたい姿を教えてもらえますか?

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福家さん:BONUS TRACKでやっていきたいこととして、地域の方のためになるような「夏祭り」のような催しや、「夕方からのワインバー」なんかもありますね。新型コロナウイルスの感染拡大によって、今はあまり大きな動きを広げることはできませんが、希望はたくさんあります。

ーー「夕方からのワインバー」というと?

福家さん:現在も少しずつ動いてはいるのですが、たとえば、テーブルを外に出し、そこにワインクーラーを置いてみたり。BONUS TRACKにはテラスがあるので、そこでクラフトビールを楽しんでいただいたり。

ーーお菓子と一緒にお酒を楽しむ、というのも面白そうですね! しかも、外で!

福家さん:そうですよね! 本店の「胃袋にズキュン」はビストロとしてオープンしましたが、BONUS TRACKの「胃袋にズキュン はなれ」は、商店街のなかにある、ひとつの “駄菓子やさん” のようなイメージで楽しんでいただけたらと思っています。ちょっと個性は強めですけどね(笑)。大変な時期ではありますが、手の届く範囲であたらしいことをどんどんやっていけたら良いですね。



今回のインタビューはyoutubeで公開配信をしたものの一部を抜粋しています。全体のお話については下記のyoutubeよりご覧いただけます。
https://youtu.be/EjCVY_51BUw
※初回より配信設定のラグがあり、10:00ごろから本編が始まります。
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取材・撮影/平井 萌 文/三浦 希

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