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【BONUS TRACKインタビューvol.8】 音楽のジャンルは、あえて分けない。どんな人でも楽しめるレコード屋をめざして pianola records 國友さん

2020年4月にオープンした『BONUS TRACK』は、“あたらしい商店街” をテーマに、飲食店や本屋さん、ヴィンテージショップにレコード屋さんなど、さまざまなお店がつらなる複合型施設です。

ここでは、そんなBONUS TRACKに出店しているそれぞれのお店をインタビュー形式でご紹介。個性あふれるお店がずらりと並ぶBONUS TRACKの魅力を、ぜひお楽しみください。

レコードの魅力と、それを仕事にするということ

ーーBONUS TRACKインタビュー、第八弾は、BONUS TRACK唯一のレコード屋さん「pianola records」の國友さんにお話を伺います。よろしくお願いします!

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國友さん:よろしくお願いします。

ーーBONUS TRACK唯一の “レコード屋さん” としてわたしたちと一緒にBONUS TRACKを盛り上げてくださっている「pianola records」ですが、もともとは他の場所にお店があったのでしょうか?

國友さん:いえ、こうして出店するのはBONUS TRACKが初めてですね。

ーーお店の名前である「pianola(ピアノラ)」とは、どういった意味なのでしょうか? ピアノに関係がある………?

國友さん:「pianola」は『自動演奏の楽器』という意味で、19世紀末頃から増え始めたものです。たとえば、オルゴールのような楽器がそうですね。からくり仕掛けになっているもの。僕はこれまで音楽活動もしてきたのですが、「pianola」というのはその際に使っていた名前で。せっかくならお店の名前もそれにしようと思い、決めました。

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ーー國友さんは、そもそもどういった経緯でレコード屋さんを始めようと思ったのでしょうか?

國友さん:もともと、音楽が好きだったことは大きいですね。僕は現在35歳なのですが、中高生の頃は “CD” で音楽を聴いていて。一般的な “レコード” が流行った時代(70年代頃)からは外れていたんです。
 ただ、両親がたくさんのレコードを持っていたので、それを勝手に聴いて楽しんでいました。初めてレコードを通じて音楽を聴いたのは、中学三年生ぐらいの頃でしたね。

ーー昔から、レコードを通じて音楽を聴くのは自然なことだったんですね。

國友さん:そうですね。大学に入ってからは自分でもレコードを集めるようになって。当時からそうですが、レコードとCDは「明らかに違うもの」だなぁと感じています。

ーー明らかに違うもの、ですか?

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國友さん:もちろん、「レコードの方が良い!」ということではなく。ひとつの「体験」として、レコードとCDはまったく違うものだなぁと。レコードをプレイヤーの上に置いて、スイッチを押し、針を落とす。レコードの溝に針が触れて「ジジジッ」と音が鳴り、曲が始まる。この体験は、CDにはないものだなぁ、と。それが好きで、大学の頃にドハマりしてしまって(笑)。

ーーお店を開く、ということにはどのように繋がっていくのでしょうか……?

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國友さん:大学を卒業して、とにかく「好きなことをしよう」と思ったんです。そのとき真っ先に思いついたのが、レコードでした。最初は、『ディスクユニオン』というレコードの小売販売店に就職。やっぱり、好きなことを仕事にしていたので、ずーっと楽しいんです。そこで、漠然ながらも「自分のお店を持てたらもっと楽しいだろうなぁ」と思っていて。

ーー最初の会社では、どれぐらいの期間働いたんですか?

國友さん:8年ほどですね。ただ、ディスクユニオンを離れた後も、またレコード屋さんに就職したんです。今度は中古レコードを扱う『HMV』というお店に。自分ひとりで担当する「売り場」を持たせてもらいました。そこで、自分のお店を持つことのイメージが色濃くなっていきましたね。

ーーそうしてご自分のお店を持つことになった、と。BONUS TRACKに出店することになったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?

國友さん:もともと、BONUS TRACKの本屋さん「B&B」に友人がいて。一緒に音楽イベントを開くぐらいの仲良しなのですが、その方がこの場所を紹介してくれたんです。コンセプトの「あたらしい商店街」にも共感し、すぐに決めました。

あえてジャンルを分けないことで、偶然の出会いを生み出すお店に

ーーpianola recordsをオープンする際、どんなお店にしたいと思っていたのでしょうか?

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國友さん:僕はとにかくさまざまな音楽を聴いてきたのですが、お客さまにも同じように、ジャンルにとらわれることなく、いろいろな種類の音楽に触れてもらえたらなぁと思っていました。なので、pianola recordsでは「ロック」や「ジャズ」といった、“ジャンル分け” をしないんです。

ーーロックはロックの棚、ジャズはジャズの棚に……というのが一般的だと思うのですが、それをしない……?

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國友さん:あえて、混ぜこぜに並べています。民族音楽のレコード盤をめくるとカントリー音楽の盤があり、その次にはジャズがあり……といった感じで、ランダムにしていて。ジャンルごとの “仕切り” を作ってしまうと、「それだけ」になってしまうんですよね。ロックなら、ロックだけ。ジャズならジャズだけ。

ーーでも、他のレコード屋さんはそうなっているんですよね……?

國友さん:イメージとしては、「外食」が近いのかなぁと感じています。生活している以上、きっといろいろな料理を食べる方が楽しいんじゃないか、と思っていて。中華にイタリアン、和食など、さまざまな選択肢があった方が楽しい。pianola recordsでは、そんな “選択肢” を用意したいと思っているんです。きっとそこには “偶然の出会い” もあるでしょうし、お客さまにはそういったところも楽しんでいただきたいですね。

「レコードはむずかしい」から「レコードはたのしい」へ

ーーわたし、実はこれまで「レコード」というものに触れたことがなくて。

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國友さん:pianola recordsには、そういったお客さまも結構いるんですよ。もちろん、昔からレコードが好きなお客さまも多いですが、「これからレコードで音楽を聴いてみたい!」と思っている方にも来ていただきたいですね。

たとえば、つい先日、おひとりで来てくださった女性のお客さまがいて。お話をしているうち、「どんな音楽がお好きなんですか?」と、カウンセリングのような形になっていて(笑)。一緒にレコードを試聴したり、Apple Musicのプレイリストからオススメの一枚を提案したり、すごく楽しかったのを覚えています。

ーーそれ、わたしもやってみたいです……(笑)!

國友さん:ぜひぜひ! レコードというと、どうしても少し「むずかしいもの」といったイメージがあるかもしれませんが、どんな方でもぜひ怖がらずに来てほしいです。一緒に楽しんでいけたら良いなぁと思いますね。

“人生を楽しくさせるスパイス” としての音楽、レコード

ーー最後に、BONUS TRACKでこれからやってみたいことについて聞かせてください。

國友さん:BONUS TRACKにお店を出してからこれまで、すごく心地良いなぁと感じています。人とのつながりや関わり合いが多く、自然も豊かで、やわらかい光が風がお店へ入ってきたり。他のレコード屋さんにはあまり見られない文化が、BONUS TRACKにはあるなぁ、と。

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國友さん:だからこそ、たとえば、晴れた日にお店の外で「レコードフェア」のようなイベントを行うのも楽しいだろうなぁと思っています。お店の商品だけではなく、お客さまにレコードを持ち寄っていただいたりして。また、お店にあるピアノを使って、コンサートを行うのも楽しそうですよね。

「音楽」や「レコード」は、「生活に必ず無くてはならないもの」ではないと思います。ただ、それらが人生を楽しくさせるスパイスになったら良いなとは感じていて。音楽に触れることでお客さまが豊かな時間を過ごせたら、それはすごく良いことだなぁと。pianola recordsとして、そのお手伝いをしていきたいなぁと思っています。




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取材・撮影/平井 萌 文/三浦 希 写真提供/pianola records

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下北沢駅と世田谷代田駅の間に2020年4月に誕生した新しいまち、ボーナストラックからのお知らせなどを更新していきます。https://bonus-track.net/

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