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はじめてのコーチング体験

コミュニケーションの「癖」

最近新しい仕事を始めて、「人の話を聞く」ということの重要性がさらに増してきたように思う。
一方で、
「あれ、うまく話を引き出せていないのでは?」と感じたり、
自分自身の人と話すときの「癖」みたいなことが気になってきた。

  • 話の核心や結論を急ぎがち。

  • 「きっと、こうなんじゃない」か、と勝手に前提を置きがち。

  • 意味のある発言やアドバイスを言おうとしがち。

こうやって書き出してみると、「あー、こういう人いるよね(あまりいい意味ではなくて)」と自分で苦笑。

会話やコミュニケーションを「意味」あるものにするには、
「最後に有益なアウトプット(結論)を出さねば」みたいな感覚が自分の中にあるんだと思う。

でも、
結論ありきのコミュニケーションで「アドバイザー」になるよりも、
コミュニケーションを通じて、相手に気づきや刺激を与えられる「モチベーター」のように、人と接しられるようになれたらいいな。

と、漠然と感じていたなかで、「コーチング」と言うキーワードにたどり着いた。

言葉自体は知っていたが、実態はあまりわかっていなかったし、
コンサルティング、メンタリング、カウンセリング、ティーチング、
それぞれの違いも曖昧な感じ。
でもなんとなく、コーチングが自分の求めるものに近いような予感があった。


コーチングとは?


コーチング経験者から話を聞いたり、ネットや本でちょっと調べてみると、
やはりコーチングは私が実践したいコミュニケーションに近そうだ。

  • 「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポート

  • 相手の話に耳を傾け、観察や質問を投げかけながら、ときに提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法

  • 自身に焦点を当てて関わるコミュニケーションであり、その目的は自分の気づきから生まれる意識と行動の変化を促すこと

何か問題が起こった時や悩みを抱えた際、自分の周囲の人々(家族、友人、同僚、上司など)に話をしても、
皆どうしても自分の意見(感想)を言いたくなったり、経験にもどづくアドバイスをしたてみたり、いわゆるティーチンング(指導)に陥りがちだ。

コーチングは自然と身に付くというよりもの(そういう人も中にはいるかもしれないが、少なくとも私にはないと思う・・)、やはり「学び」と「訓練」を経て身につける「スキル」なのだ。


実際どんな感じなの?@体験会

コーチングなるものを、超ざっくり理解したところで、次に思った。
実際どんな感覚なのか?
どういう効果があるのか?
そもそも通常のコニュニケーションと何が違うのか?

これはやはり体験してみるのが、一番早い。

ということで、「コーチング体験会」なるものに参加してみた。

私が参加したのは、こちら。

こちらでは、『Co-Active コーチング』という手法で、
クライアント(コーチを受ける人)自らの力や可能性を信じ、
キャリアや特定のトピックに留まらず、「その人の全てに焦点を当てる」
ということを礎にコーチングの提供とコーチの育成を行なっている。

コーチングというと、
「キャリアコーチング」や「エグゼクティブコーチング」といったビジネス寄りなイメージが強い中で、それも含めて人生全般を取り扱う(ライフコーチング的な)というところに共感を持って、今回参加してみることに。

体験会プログラムの説明はWEBで確認できるのでここでは割愛。(上記URL参照)

実際に15分x2回のコーチングセッションを、それぞれ違ったプロコーチから受けることができた。

コーチングを体感してみた感想と気づき

「15分で何かわかるのかな?」
というのが受ける前の正直な印象だったが、それなりに収穫があった。
今回のセッションを通じての感想と気づきを3つほど。

1)目的の確認が大事:コーチングに何を求めるのか?

初対面の相手と限られた時間で、どうやってセッションを進めていくのか?
もちろんコーチングセッションでは、クライアント(受け手)は話をする姿勢で来ているという前提ではあるが、なんとなく話し始めても15分なんてすぐ終わっちゃうよねー、と思っていた。

だからこそ、一番セッションの最初に「目的」を確認することが重要。

「このセッションに何を求めているの?」
「このセッションが終わった時点で、どういう状態になっているといいと思うか?」
「このセッションをどういう風に使いたい?」
コーチからのこの問いかけによって、自分自身がこのコーチングセッションに期待することを明確にできた。
コーチ側も、それを意識した質問や対話の流れを作っているようだ。

コーチングでのテーマや問いに対する「答え」や「結論」を求めるのではなく(≠What I want)、
「どのように使いたいか」「どういう状況になりたいか?」を求めるのがポイントかもしれない。(=How I want)


2)コーチによって、カラーがある

Co-Active Coachingという手法を使ってセッションが行われるわけだが、
決まった進め方があるわけでもなく、雰囲気や対話の仕方はコーチによってかなりカラーがあるようだ。

「この質問は必ずする」とか、「このポイントではこれを確認する」とかそういう感じはなくて、とにかくクライアントが話したいことを話したいように、相槌や質問を使ってセッションの「流れ」が作られていく。

今回の実際に体験させていただいたコーチの進め方の印象をまとめてみた。

一人目のコーチ:発言をどんどん深掘りするタイプ

「今の言葉はどういう意味なの?」
「その時どういう感情だったの?」
「なんでそういう風に考えたの?」

私の発言を拾って、とことんそこに突っ込んで質問することで、
本当はどう思っているのか?何を抱えているのか?何を求めているのか?
という、「根本(コア)」に迫っていくようなコーチングスタイル

途中でうまく答えられなくなったり、ちょっとドキっとするような問いかけがあったりもする。きっとそこで出てくる回答が「キーワード」になるのかもしれない。

核心に迫るという意味でこのタイプは、ある程度コーチとの関係性が築かれている方が、安心してセッションを進めていけるかもしれない。
自己開示するのって勇気いるもんね。


二人目:同じことを違う視点で表現してみようとするタイプ

「その時の感情を一言で表現するとなんですか?」
「その考えが心に占めるのは、どれくらいの大きさか手で表現し
てみてください。」
「そのイメージを取り出してみた場合、どんな質感(手触り、見た目)か表現できますか?」

説明チックになったり、逆に言葉でうまく伝えられないような状況を、
ちょっと視点を変えて表現するように促される。

「この感情は、ツルッとして、綺麗にパッケージがされている」
「その時の私は、ゴツゴツしていて、ざらっとした質感」
「この状態は、見た目は悪いが、なんだか愛着を感じる」

感覚(ビジュアル、質感、印象、温度感など)を使って、あえて抽象的に表現をすることで、思ってもみないような単語が自分から出てきて、
それがなんとも言えず"しっくり"きたりもした。

普段と違う視点で状況を捉えたり、今の状況を自分なりに整理したい、でも急いで結論を出したいわけではない、と言うような場合に有効なスタイルかもしれない。
これは単発セッションでも、「気づき」を得られやすいかも。


3)質問されて、全力で関心を寄せられることで、自分の中の思いが引き出される感覚

コーチングセッションでは一貫して私(クライント)にフォーカスする。
とにかく私に関することばかりを話す。

コーチの考えとか、視点とか、ましてはコーチに関する出来事なんて話題にしない。
たまに私(クライント)の発言から受ける印象が伝えられることもあるが、
その時も
「今の発言で私はこういう印象を受けましたが、あってますか?」みたいに確認をされる。
私の発言を他の言葉で言い換えられたり、まとめられたりはしない。
←これ、自分すごくやりがちw

「わたしごと」を、とめどなくコーチによって紡いでいかれる感じ。

友達や家族とのコミュニケーションでは基本は双方向性が意識されるから、
このような「一方的」とも言える状態に置かれることに始めは若干の居心地の悪さも覚える。

でも、とにかくコーチが全力で私に集中しているので、こちらもきちんと向き合って話をする心持ちになる。

そんな状況でコーチから質問されたり、問いかけられたり、考えさせられたりすると、
自分でも今まで思いつかなかった表現や、気づかなかった感情がなんとなく見えてくる。

正直15分では「なんとなく見えてきたかも」の段階までしか行かない。
でも、セッションの中で今まで使ってこなかった「単語」が自分の発言に混じっていることに何度か気づいた。
「そうか〜、実はそんな思いもがもあったんだな。」っていう驚きもある。


コーチングを受けるとは、自分に全力で意識を向ける時間を作ること

コーチングを受ける前に、注意事項がいくつか説明された。

「コーチングを受ける際には、コーチの(あなたへの)関わり方を意識せず、あなた自身のことに意識を向けてくださいね」

正直これが一番難しかった。

コーチはあなたに全力でフォーカスしてるんだから、あなたも全力で自分にフォーカスしてないとしっかり効果を感じられない、ってことだと思うんだけど、
やっぱりセッションを受けながら、コーチの挙動とか、質問の意図とか、回答への反応とか気になっちゃうんだよね。

クライアントとしてもコーチングを受けるにもコツがあるようだ。

コーチング自体は即効性のある治療でもないし、答えを与えてくれるサービスでもない。
でも、コーチングを受けることは、「自分に全力で意識を向ける時間」を作ることである。

コーチがいなくても、
瞑想とか自己分析とかジャーナリングとかさまざまなツールを活用して
自力で自分と向き合うことができるだろう。
でも、実際にそれで「何処か(目的)」に辿り着くことができる人が多くはないという現実。

だからコーチという「サポート」が求められるのかな。

「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)

アフリカの諺。

コーチングは「少しでも遠くに行く」ためのツールになる。

身につけたら、自分にとっても、自分に関わる人にとっても有益なスキルになりそうだ。

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