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根をはることの大切さ

以前、介護の基本と応用を、木に例えて整理しました。

太い幹(基本)をつくると、たくさんの枝(応用)ができる。今回は、『基本』と『応用』のまえに大切だとおもう『心』について整理しておきます。


太い幹(基本)、たくさんの枝(応用)をつくるためには、根っこ(心)を育てることがとても重要だとおもっています。大樹になればなるほど、どんな雨風にも耐えられる根をはっています。

介護も同じだとおもっています。基本(体力・知識・技術)を磨いていくと同時に、心を育てることも大切です。


具体的なケースで考えてみます。「服を着替える介助をしているとき、右手がなかなか袖を通らない、、」そんなことが数カ月つづきました。このことについて、介護士の捉え方は3パターンあります。(私が過去10年間で出会ってきた介護士をパターン化してみます)

①『そんなこと気にもしていなかった』と、気付かない人。

②『時間が限られているから、多少むりをして右手をひっぱらないと時間内に終わらない』と、時間のことだけを気にしている人。

③『着替えのストレスを失くすために、スムーズにできる方法はないかな』と、利用者の負担を気にする人。

このように捉え方の違いが出てくる原因は、その介護士の心の中にある『自分と利用者』の割合の差があるからだと思っています。


①と②の人の、心の中では、『自分>利用者』という比率になっていると思います。利用者の気持ちを全く考えていないわけではないですが、自分軸で物事を考えている傾向にあります。

③の人の、心の中では、『自分<利用者』という比率になっていると思います。100%利用者の立場になって考えることは難しいですが、できるだけ相手の立場になって考えようとする傾向にあります。


介護士の心の中に、どれだけ『利用者』がいてるのか?それによって、物事の捉え方が変わり、そのあとの介護技術、コミュニケーションなどすべてに影響が出てきます。心→捉え方→行動(介護技術)はつながっていると思っています。

木の根っこが土の中にあって普段は見えないのと同じで、心も目に見えないです。その介護士が、どんな根っこ(心)を持っているかの判断がむずかしいですが、すべてつながっていると考えると、その介護士の介護を見ていると、その人の心が見えてくるかもしれません。

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