好きな映画をもっと好きになるための映画レビュー No.2『ビッグ・フィッシュ』~大魚の行方~
「fish story」という言葉は釣り師が自分の手柄を大きくみせることから「ホラ話」という意味になった。日本でも「逃がした魚は大きい」というように、魚は実際よりも大きく表現されることが多いようだ。この映画はそんな嘘のように大きな魚の話だ。
まず初めに、この物語が二重の構造をしていることを踏まえておこう。これはホラ話そのものではなく、ホラ話をする父と、その父とうまく付き合うことができない息子の物語なのだ。もしここでホラ話が二重構造を抜きに表現されていれば、私たちはどこかで