見出し画像

日本の『図鑑』文化

数年前、仕事上で海外からきた教育関係者の方にこんな話を聞きました。

「日本はなぜこんなに図鑑が多いんだろう?」

日本の保育園や本屋さんを巡って、そう感じたそうです。

私の大好きな、レイチェルカーソン『センスオブワンダー』にはこんな言葉があります。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。

もちろん図鑑が悪いわけではありません。図鑑はいろいろなことを教えてくれます。しかし、知識こそがすべてではないと私は思います。
図鑑は物の写真と名称・解説が載っていますが、それらをすべて覚え、知識を詰め込むことにはどんな価値があるでしょうか?それらは人生を豊かにしてくれるでしょうか?

子どもと一緒に道端を歩き、咲く花を見て「なんていう名前だろう?子どもの教えなきゃ!」と思いがちではありませんか?
けれど、花の名前を知識として持つことって、本当に人生において大事でしょうか?
(もちろん、植物学の研究者や専門家の方にとっては大切な知識でしょう)

「きれいだな」「すてきだな」と花の美しさに魅了され、うっとりと心を動かされる、そんな感受性を持つことのほうが素晴らしいと私は感じます。大人も子どもも、そんな心を大切に人生を生きていけたら。図鑑も勿論ですが、美しい物語・詩・歌、さまざまな表現を楽しんだり面白がったり、そんな日々を過ごしていけたら。そう思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?