見出し画像

食後横になるとき左右どっちが下?

 子供のときから、食後横になるなら右を下にしろと言われてきた。胃腸の構造上、そのほうが胃の負担が軽減されるからだ。
 ところが近年、ほんとは左を下にするほうがいいという話を聞くようになった。右と左では大違いだが、どっちが正しいのだ。

 右を下にする理由は、胃の出口は右側にあるから、右側を下にすれば食べたものを排出しやすく、胃の負担が軽減するからということだ。
 ほかに「胆汁が十二指腸に分泌されやすくなる」とか「心臓が圧迫されない」などがある。これらはなんとなく「ああ、そうか」と思う。
 「消化がスムーズになる」というのもあったが、胃の内容物を出しやすくなるということだろうか。

 右を下にするデメリットもあるという。
 「胃下垂の場合はいっそう下垂しやすくなる」というのがあったが、これはちょっと疑問だ。立っていれば下垂するのは当然だが、横になっているなら下垂はしないはずだ。
 「胃の内容物が逆流しやすくなり、逆流性食道炎によくない」は納得。ただし、これは右に限ったことではない。

 それでは、左側を下にしたほうがいいという理由はどうか。
 「胃の内容物は蠕動運動によって左から右に移動するため、左側を下にすれば流れを促進する」というのがあったが、これでは、(下になった)左から(上になった)右へ押し上げるかっこうになり、かえって胃の負担が増えるのではないか。
 「食道の位置が胃より高くなるため、逆流を防ぎやすくなる」って、これは右を下にする場合もたいして変わらないのでは?

 「脾臓は左側にあるので、左側を下にして寝ると、脾臓への負担を軽減することができる」というのがあったが、これではむしろ脾臓が圧迫されて逆効果ではないか。
 「リンパ液の流れが促進されて老廃物の排出がスムーズになり、結果的に胃や腸の負担が減少する」って、これもちょっと疑問だ。

 そこで解決策。「横にならない」「横になったら休まず頻繁に寝返りをうつ」「仰向けまたはうつ伏せ」。「いっそのこと休まずさっさと仕事にとりかかる」。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?