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起立性調節障害の専門医さん①2019年10月

ついに
起立性調節障害専門のクリニックに…

これまでに6回通院しているので、
記憶があやふやなところがあります。
すみません💦

クリニックの入口は施錠されていました。
インターホンを鳴らし名前を伝えると、鍵を開けてくれました。
中に入ると項垂れた男の子が座っていました。
(そらみたいな子がいる!!)
(仲間が…いる!!)
と不謹慎にも少し嬉しくなってしまったのです。
そらのまわりには起立性調節障害の子がいなかったので、「そらだけ」だと思っていました。
でも違う。
そらだけじゃない。
ああ…この子もしんどそう…。
そらも同じように項垂れて座りました。
足を乗せるオットマンのような椅子がありました。
足を上げるとしんどさが軽減されるのかなぁ…と思って、そらに
「足あげる?」
と聞きましたが、首を振るだけでした。

診察は本人だけでも、本人と保護者でも受付てくれます。
私たちは迷わず本人と保護者で受付しました。
そらと私の保険証を使いました。

しばらくすると、先に私と主人が呼ばれました。
心理士さんから、そらのことを細かく聞かれました。
いつからどんな症状が出たのか。
どんなことがあったのか。
関係あるのかどうか分からない話もいっぱいしました。
心理士さんは静かに聞いてくれて最後に
「お父さんとお母さんの事を教えてください。」
と言い、
*イライラするか
*よく眠れるか
*頭痛が起こる頻度
*元気度
など聞かれました。

心理士さんとの話の合間にDr.に呼ばれ
「こういう検査をします」
と説明がありましたが、実際の検査は
「お子さんが中3になったらしてるところを見てもらいます。」
と言われたと思います。
ここではヘッドアップティルト試験という検査が受けられます。
この検査を受けるために来ました。
そらは私たち親とは全く別で、Dr.と話をしたりヘッドアップティルト試験を受けました。

検査結果

しばらくして、私と主人の所にDr.が来て検査結果について説明してくださいました。

2019年10月そらが中1の時の検査結果です。
上は心拍数。
下は血圧。
1秒ごとに測定されて出てきます。
そらは起き上がると横になった状態で110ある血圧が60まで落ちていました。
この落ちた血圧を上げるために、心臓が必死に動いて、
65だった心拍数が115に跳ね上がっていました。
そらは幼い頃から水泳をやっていて、今は選手コースで泳いでいます。
そのためにスポーツ心臓で普段の心拍数は55くらいです。
115というと普段の倍以上…!!
起き上がるだけで全力疾走したのと同じくらい!?

上の血圧が60というのは、かなりかなりしんどいです。
私は大学病院で親知らずを抜いたんですが、その時に緊張からか上の血圧が60まで下がって
昇圧剤を打たれたことがあります。

そんなことが毎日…というか起き上がる度にそらの身体に起こっているのかと思ったら…

学校なんてどうでもいい。
こんな身体で普通の生活ができるわけがない。

とストンと胸に落ちたのでした。
ずっと寝転んでいたのも、寝転んでいると血圧も心拍数も正常だから…。
起立性調節障害という病気は誤解されやすく、怠けていると思われがちだと言われますが、
この結果を知ると、
決して、決して、決して、
怠けているのではない
ということが分かると思います。

これは脳血流(脳酸素Hb)がどう変化しているか…です。
赤い線が脳血流量を表しています。
そらは起き上がると左脳で脳貧血状態になることがわかりました。
左脳と右脳でこんなに差があるんだ…と驚きました。

起立性調節障害の発症機序についてはまた別にまとめます。

Dr.から「運動不足」だと言われたのですが、少し前までは1日に5キロくらい泳いでいる子だったので、正直意味がわかりませんでした。
私の方が運動不足だけどなぁと思ったくらいでした。

Dr.からそらに
*水分をしっかりとること。
*寝そべりスマホはしないこと。
*夜11時にはお布団に入ること。
*散歩すること。ライオンのように歩くこと。
など伝えたことや、
生活チェックシートを渡したこと
なども聞きました。

「でもみんなやらんのです。
やらなくていいんです。
お父さんとお母さんも「書いたんか?Dr.に言われたことやってるか?」とか
お子さんにうるさいこと言うたらダメですよ。」

「そういううるさいことは私らが言います。
お父さんとお母さんは普通の良識ある保護者ではなく、
ベテランのODっ子の親になっていってください。」

「見守るんです。
ストレスを与えないようにして。
ニコニコと見守るんですよ。」

起立性調節障害にはストレスと体質が大きく関係してくるということでした。
私はこの段階では十分に理解出来ていなくて、2年経とうとしている今やっと理解し、
受け入れらるようになってきた気がします。

ストレスに関しては家庭で(私たちが)対応する。
これから先、これ以上のストレスを本人に掛けないようにする。

体質に関しては、医療機関が対応する。
と同時に、本人も体質改善を目指して、主体的に取り組めるよう(水分摂取や散歩など)にする。

「息子さんの場合、治るまで1~2年はかかるでしょう。」
この時の起立性調節障害の状態は「重症」でした。
後でそらに聞くと、Dr.はそらには
「治るのに1年くらいかかるよ」
と短い目に伝えていたようです。

「学校はマイペースを許さないからね。
ストレスたまるよね。」
とも仰っていて、
その通りだな…と思いました。

Dr.との話が終わって待合室に戻ると…
また別の子がソファに横たわっていました。
(そらだけじゃない…
たくさんの子がしんどい思いをしてるんだな…)
クリニックを出て行く子たちはみんな
頭と心臓の位置を同じくらいの高さになるように前かがみになって出ていきました。
脳血流の検査で、足をクロスさせたり、
腹圧をかけるように前かがみになると
脳血流量が増えていました。
何とか工夫して動ける身体にしてるんだなぁ…。
きっとこのクリニックに来るのもしんどかったんだろうな…。
多くの健康な子たちはこんなことで努力する必要もないのに。

そらは
「なんでしんどいんか、めっちゃわかった!
ここの先生…、
俺の事、全部わかってくれた…!!」
と、とても嬉しそうでした。

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