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小説

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自分で書いたオリジナル小説をまとめています。
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#日記

小説:心のおやすみ

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

「先に寝るね、おやすみ。早く寝ないと寝坊するよ。」「あぁ、おやすみ。」みんなが寝静まった後の数時間。ここは俺の居場所の一つ。パソコンの前に陣取って、文字だらけのファイルとにらめっこする。「うーん……。」書いてるのは新しい冒険録。想像の中でなら、何にでもなれる。英雄にだってなれるし、魔王にでも。悩んでいるのは『誰になりたいか』ってところ。……今回は、

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小説:楽器相談、ペット可。カミサマあり。

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

俺は今、家を探している。理由は簡単。家を追い出されるから。親にそろそろ一人暮らしをしてみたら?と言われ続けて十年。実家に住んでる方が気楽だからそのままにしていたら、とうとう親にも呆れられ、家を出されることになってしまった。仕方がないので、最近はずっとパソコンで賃貸物件の一覧とにらめっこ。ようやく見つけても先を越されてたり、高くなってたり。最近は段々

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小説:隣人からの卒業

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

今日はようやく来た、中学校の卒業式。卒業証書の授与も終わり、教室で教師を待っているところ。普段騒がしい教室も、雑談はするが比較的静かだ。仲のいい女子同士は黒板に絵を描いたり、涙を流したりしている。俺は、そういう思いは無いが、この先の生活への興味は強かった。ようやく親からも、コイツラからも、離れて暮らせるからだ。仕事は、まだ見つかってないから、問題は

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小説:竜活、はじめました。

ようやく、完結しました。楽しんでいただけたら幸いです。
この話は、一旦ここで終わりです。続きは、またいつか。

~0日目~ 竜活のススメ「それでは、あなたにはこれから1週間、 竜としての……ドラゴンとしての生活を学んでもらいます。」みるみる僕の身体が変わっていく。手の指が5本から4本へ、爪も鋭くなる。目線も変わっていき、背中から何かが飛び出て延びたような感じがする。「ちょっとまって、説明もまだ聞い

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小説:日常の再確認

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

朝起きたら、目の前で寝ている寝顔。いびきをかきながら無防備な姿を俺に見せてくれる。そんな姿を微笑ましく思って、優しく頭を撫でると、ちょっと邪険に払われた後、反対側へ寝返りを打つ。そんな姿を見納めて、ゆっくり起きる。朝食を済ませ、パソコンの電源とテレビを付ける。パソコンが起動するまでの間に、テレビのニュースを眺める。「今日は昨日より寒そうだなあ。最高

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小説:愛ってなんだろう

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。
今回はツイートくらいの短編です。

言葉にすると、シンプルになる。「愛しているよ」この言葉にどれほどの想いがこもるんだろうか。ゲームに夢中な横顔を見ながら、愛してるよと小さく呟く。軽く頭を撫でると、ちょっと嬉しそうに、おれもーという返事が帰ってくる。そういう毎日も悪くないと思う自分がいる。さて、今日は何をしようか。

小説:デジャヴと予知夢

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

デジャブ。既視感。見たことないものや出来事を見た気がする感覚。予知夢。正夢など。現実に起きる事を夢の中で体験する事。何か夢の中で見たような気がするなとか、前にも同じ話をしたことなかったっけ?とかは、誰にでもある話だと思う。でも、夢の中で見た光景を鮮明に覚えていて、数週間や数か月、はたまた1年とか経った後に、同じ状況、光景、会話内容になっているのに気

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小説:くだらない願い

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

今日は妹の誕生日。久々に家族で盛大にやろうって話をして、大きいホールのケーキも買ったし、チキンも買った。妹も、上機嫌で友達を誘ったらしい。だけど夕方、時間になっても誰も来ない。1時間、2時間と経ち、妹も悲しそうにしている。俺はこっそり2階の自分の部屋に行って、布団に戻る。流石にこのまま夜を迎えてしまうのはあまりにも不憫だ。居るのなら誰でもいい、神様

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小説:Pain of Elusion ~Where are you?~

新しい小説を書き始めました。完結したら、こちらにも載せる予定です。
途中経過が見たい方は、Pixivにあります。
どんな小説になる予定なのか、ちょっとだけ載せておきます。
短いですが、楽しんでいただけたら幸いです。

『翔太《しょうた》、おはよう。』『花楽《かぐら》、今日は何する?』スマホに表示されるメッセージを見ながら、ベッドに横になる。『今日はって、いつものスマホゲーするんじゃないの?』『いや

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小説:残り声

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

いつの間にやら朝日が僕を馬鹿にするかのように登っている。この臆病者。そういうように差し込んできた眩しい光に目を細めながら僕は昨夜のことを振り返っていた――『だから、この文はこういうの意味なんだって』目をぱちくりしながら、こいつはそう説明した僕を見つめる。『なーなー、そんなことよりゲームしよう?』テスト勉強をしようと家に誘い込んでおいてこのざまである

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小説:夕暮れの友達

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

『こちらは、防災○○です。16時になりました。 地域の方々。いつも私達を見守ってくださって、ありがとうございます。 外で遊んでいる子どもたちは、はやく、おうちへ帰りましょう。 今週の担当は……』夕方の放送が聞こえる。段々と陽の光も夕焼けになり始める頃。窓辺から、うちに来客が来る。にゃーん。鳴いた声の方を向くと、窓ガラスを引っ掻く黒猫。開けると待って

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小説:夏の思い出

物書きの自己紹介がてら、昔書いた小説の中でも、
出来が良いと思ったやつを載せときます。
他にも色々書いてますが、それはPixivにあります。
では、ほんのひとときでも、楽しめれば幸いです。

当時の俺はまだ学生だった。学校から出た夏休みの課題は、町役場の手伝いをしてくること。宿題や自由研究とかをしなくて済むというのもあって俺は喜んでいた。だが、いざ行ってみると力仕事ばかりで毎日が体力勝負みたいなも

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小説:今と昔の夏。

自作の短編小説。よければ楽しんでみてください。

子供の頃。駅も遠い、バスも来ない田舎に住んでた。夏はプールとゲームしか楽しみがなくて、暇だった。寝転がって空を見上げると、とても綺麗な青だったのを覚えている。大人になってから。駅も近い、どこにでも行ける場所に住んだ。夏はエアコンが効いた部屋に閉じこもり、暇がなくなった。寝転がって空を見上げる時間もない。たまに見える空の青さを、同じに見ることが出来な

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小説:竜活、はじめました。(序章)

新しい小説を書き始めました。完結したら、こちらにも載せる予定です。
途中経過が見たい方は、Pixivにあります。
どんな小説になる予定なのか、序章だけ載せておきます。
短いですが、楽しんでいただけたら幸いです。

「それでは、あなたにはこれから1週間、 竜としての……ドラゴンとしての生活を学んでもらいます。」みるみる僕の身体が変わっていく。手の指が5本から4本へ、爪も鋭くなる。目線も変わっていき、

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