俺の読書感想文 #6 【球体の蛇 道尾秀介】
考察とか解説とか、そういう偉そうなんじゃなくて、ただ読んだ本の感想を書く俺の読書感想文。
見切り発車で始めてるんで、ノートの便利な機能なんかも存じ上げねーままでやってますぞ!!
さぁ第6回はこちら!
道尾 秀介(みちお しゅうすけ、1975年5月19日[1][2] -)は、日本の小説家・推理作家・歌手。兵庫県芦屋市出身[2]。血液型はO型。
主な受賞歴
ホラーサスペンス大賞特別賞(2004年)
本格ミステリ大賞(2007年)
日本推理作家協会賞(2009年)
大藪春彦賞(2010年)
山本周五郎賞(2010年)
直木三十五賞(2011年)
Wikipediaより
すごーい!
いっぱい賞もらってんな!
最近は音楽活動も始めてるらしいぞ。
あと、局地的な情報を一つ!
道尾さんはラジオ爆笑問題カーボーイのリスナーで、ネタも投稿しているらしいぞ。けど、コーナーに採用されたことはないという面白エピソードもあるぞ!
……と思ってたんだけど、
というわけで採用されていたんですな!おめでとうございます!(2年前のツイートにイイネ!しちゃう)
本屋で背表紙をサラーっと見ていて、ピンとくるタイトルがあると買ったりするんだけど、そんな感じで過去に道尾さんの『向日葵の咲かない夏』という作品は読んでいた。
細かい内容は忘れちゃったんだけど(おいっ)暗くてジメジメしている雰囲気が俺の精神構造と合ってるなーって感想を持った。
物語やキャラがどーのこーのっていうより、文章や描き出す人間の生臭さが俺の生きてきた世界(ウジウジしたニキビだらけのツラをぶら下げてた世界)と少し似てるような気になるんだな。
『球体の蛇』を読んでも、その印象はそのまま残った。
幼なじみ・サヨの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった。白い服に身を包み自転車に乗った彼女は、どこかサヨに似ていた。想いを抑えきれなくなった私は、彼女が過ごす家の床下に夜な夜な潜り込むという悪癖を繰り返すようになったが、ある夜、運命を決定的に変える事件が起こってしまうーー。
幼いと過ちの連鎖が、それぞれの人生を思いもよらない方向へ駆り立ててゆく。最後の一行が深い余韻を残す、傑作長編。
(背表紙のあらすじより)
とまあ、そんな感じなんだけど、
事実とか真実とか嘘とか思いやりとかってモノに対する人間の認識や納得や疑いなんかが渦巻いていく物語ですな。
『俺の感想文』ではネタバレとか気にせず書くノリなんだけど、まあネタバレで萎えるとかって感じのストーリーでもなければ、 あらすじで書かれた最後の一行も、特にそんな俺には余韻は残さなかったんだけど、良い含みのあるラストだったな。
毎回言ってるけど、「最後の一行で……」とか「衝撃のラスト」とか言わない方がいいよな。ハードル上がっちまうじゃん。
全体のイメージとしては三島由紀夫の金閣寺ノリというか、鬱屈した少年のネバネバした青春小説って言えばわかりやすいかな。
人間椅子的、「陰鬱な性欲の発散と終わらない賢者タイム」みたいな話。
まあ17歳くらいの少年って自意識過剰だし、性欲に脳髄から足の先まで支配されてる奴も多い時期だし、そういう意味でもどこか懐かしいような思い出したくないような、そんな妙な親近感(決して嬉しいモンではない)を味わいながら読んだ。
俺も完全にこういう側の若者だったからさ。
道尾秀介の文章には粘っこい蒸し暑さの中にスーッと冷たい風が吹く。みたいな印象を感じるんよな!
センチな気持ちになっちゃうよ。こういう雰囲気が醸し出されているのはとても好きな部分!
けど、綺麗な世界の清潔な物語とかに浸りたい女性なんかは生理的に受け付けない、とか言いそうな気もするな。
色々レビュー見たら「なんか微妙」とかって言ってる人はそんな感じの人が多い印象だったな。
ま、どんな物語でも万人ウケするものなんてないわけで、仕方ねーけどね。
逆に言えば、やっぱり若めの思春期の斜に構えニキビ男子とかに是非おすすめしたい小説だね。
女性経験に乏しい野郎なんかに、ぴったしだ!
そういう男子は読み終わって「つまんなかった」とか、そっぽを向いたとしても、読んでる最中は食い入るように文を追うことになると思うぞ。
ねっとりとしたエロス。
そういうシーンが官能的で生々しくて良いぞ!
夢中で文章を追って、頭にその光景を想像して興奮して……っていう良い経験に繋がると思いますですよ!
思春期の微妙な時期の息子さんをお持ちのお母さん。ぜひ、息子さんにこれを買ってあげましょ。
「感想聞かせてね」とか言って。
少年は罪と罰と少しの後悔と秘密を胸に、静かに大人になっていくのですよ。
そんな小説!
以上!!
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