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俺の読書感想文 #9 粋な男たち 玉袋筋太郎

本屋さんをぶらぶら歩いてたら、見つけた本。
あらら、玉ちゃんの本じゃないの。読んでみっか。と手に取った。


カッコつけてポートレートモードで撮ったらブレちゃった。


玉袋筋太郎とは日本のお笑い芸人である。


玉袋 筋太郎(たまぶくろ すじたろう、1967年〈昭和42年〉6月22日 - )は、日本のお笑い芸人 。東京都新宿区西新宿出身。本名は赤江 祐一(あかえ ゆういち)。お笑いコンビ「浅草キッド」のボケ担当。現在は、フリーで活動している。一般社団法人全日本スナック連盟会長。
(Wikipedia)


元はビートたけし率いる『たけし軍団』の一員。
って若い人はたけし軍団って聞いてもなんだかわかんねーよな。
正直、俺もなんだかわかんないもん。
てなことで、またWikipediaで見てみましょ。


たけし軍団(たけしぐんだん)は、日本の芸人グループ。ビートたけしのもとに弟子入りした人物らにより構成されている。1983年に正式に結成。


俺はギリギリ昭和生まれなので、たけし軍団の全盛期は知らない。
週刊誌のフライデーに書かれた記事にムカついて軍団総出で編集部に殴り込みに行って、たけしが逮捕されたって話は有名だから知ってたけど、あとは所属してる芸人は変な名前ばっかで、平成のテレビの中ではあまり活躍してないヤバい連中。っていうイメージくらいしかなかった。つーか、時代だよなー、殴り込みに行って逮捕って!今じゃ大問題だよな(当時も大問題だったのか)

本の感想の話の前に、個人的にたけし軍団で大笑いした思い出を書いとこう! 
書いてたら思い出しちゃったのでね!

いつかの大晦日の特番でたけし軍団が土佐犬を背負って競争するみたいなコーナーで、井手らっきょの背中に来た土佐犬が盛っちゃって腰をガンガン振ってたのを見て、腹抱えて笑った。犬の本能って良いよね。相手が犬かどうか関係なく腰振るんだもん。

あと、オールスター感謝祭の競走馬と人間が競争するってゲームで井手らっきょが激走してギリギリで馬に勝つっていうレースを見て、腹抱えて笑った。感動したよ。YouTubeにないかなって定期的に探すんだけど、ないんだよな。
見つけたら教えて!マジで面白かったから。
……井手らっきょの印象ばっかだな。


で、その軍団の中に「浅草キッド」って漫才師がいて、その片割れが玉袋筋太郎なのだった。
顔と名前は一致してるけど、別に知ってるだけで面白いと思ったこともなかったわけだ。

さて、そんな玉袋筋太郎さんについて俺がちゃんと認識した経緯について、みなさん興味はないだろうが、一応、軽く触れる。

俺がよく聞いてたTBSラジオの『たまむすび』って番組があって、その金曜日のパーソナリティを玉袋筋太郎氏が担当してたのだ。
それでようやく名前と人間が一致して、人となりもなんとなく知った風な気になって好感を持ったって感じだ。
逆を言えばその程度だ!

軽妙な江戸弁のベシャリでくだらない冗談を飛ばす、堅気な感じのしない、昔ながらの大工の棟梁とか、肉体労働者みたいな、きちんと「地面の上に暮らしてる感覚の人」(俺的にここがアピールポイント!)で、昭和くさい生身の人間って感じの人生哲学を持ってて現代人の合理的な冷めた感覚とは少しズレてる部分もあるんだけど、そこが魅力的な人物だと俺は思っている。

酒好きで「肝臓は水で洗うんだよ」の迷言に代表される大酒飲みで、ウーバーイーツのカバンに酒やらおつまみやらを持って新幹線で呑んでるような面白面倒くさい系おじさんだ。
こういうおじさんは良いよね。令和っ子には煙たがられるかもしれないけど。

そんな面白おじさんが、「粋な男」について語ってるんだから、読むしかないっしょ。
今の世の中「男とか女とかそういう区分で物事を考えちゃいけないですよ」とか仰る方もいるでしょうが、まーそう言う人が好きな言葉「多様性」ってことで「男とは、女とは」って言う人もいて良いじゃん。許してやれよ。って感じですな。

と言うことで、じっくり読んだんだけど、やはり、いかにも玉ちゃんらしいなぁという内容で楽しく読ませていただいた。

師匠であるビートたけしとの思い出やら、父親が始めたホモスナックの話(本文中にホモスナックって書いてあるんだからそのままだぞ)
少年時代のホームレスとの友情。
略奪婚に、実姉との確執。
いろんなエピソードが出てくる。
飾らない文体(語りを書き起こしたのかな?)が心に響くのだ。いろんな経験があって玉ちゃんはこうなっている。人間誰しもが、過去の経験や奇跡的で偶発的な出会いや別れの結果、成長し人格が形成されていくわけで、その人格形成の一例として見るのも楽しいよ。

玉ちゃんは作中で何度も「俺は粋な男じゃない」と言ってるけど、『粋』って言葉や概念自体が面倒くさがられ、死語になりつつある冷めた現代社会で、『粋』について考えたり、どんな人や行いが『粋』なのか考えている時点で彼は『粋の枠』の範囲内にいる人なのだよなぁ。と感じた。
……って、粋という文字を打ちすぎてゲシュタルト崩壊しちゃったよ。「粋の枠」なんて崩壊しすぎて打っといて読めなくなっちゃったよ!

こういう昭和の人間臭いおじさんを好きな層って意外といると思うんだよな。

今の社会。変に優しすぎて、暖簾に腕押しな感じの、噛み応えのないシステム化された清潔すぎる世の中に辟易してる人とか多いと思うもの。

芯があって、その芯が時々ヘンテコなカーブを描いてて煙たがられるけど、カッコよく生きようと、悩みながらも、日々もがいてるおじさん。が、好きな人はぜひ、手に取って読んで、冷やかしたりウンウン頷いたりしたら良いと思うぞ!

以上!


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