見出し画像

【修行10年の本当の意味】

“飯炊き3年握り8年”

↑こんな言葉がある様に
寿司屋が一人前になるまでに10年以上修行を積まなければならないというのが一般的な考え方でした。
今となっては過去の様な話にも聞こえますが、当時はこれが当たり前。それだけ一人前になるには苦労が必要なんだという話です。
これは焼肉屋さんも例外ではありません。
ずっと雑用をこなしながら何年も下積みを経験してやっと肉を触らせて貰う。10年耐えてこそやっと一人前になれる。なんて言われていました。

しかし今となっては
学べる先はいくらでもあって、調べればすぐに分かる。動画を見ればやり方も学べる。レシピも公開されている。情報がオープンになったおかげで効率も格段と良くなっている為、1箇所に留まって下積みをコツコツと。。という道のりはかえって遠回りなんじゃないかと考える人達も増えてきました。

ですが。


修行10年には別の意味が含まれていると私は解釈します。

技術は3年で取得出来る

私は焼肉業界に入り、実際に独立するまで10年以上経過しました。だからこそ思うのは、
知識や技術で言うなら3年もあれば充分です。
最低ラインを求めるなら1年でも可能。
勿論楽勝という話ではありません。
ここで勘違いしないで頂きたいのは
取得するには【死に物狂いが条件】という事です。

今やニュースなどでも短期間で独立を果たす職人さん達が取り上げられる事が増えました。
あたかも簡単に。誰もが晴々しく独立を果たしている様に思われがちですが、その背景には文字通り血の滲むような尋常じゃない程の努力をされているんです。

寝る間も惜しむ

その人達はいかに夢を叶えるかに全神経を集中しています。効率的になった今の時代だからこそ、無駄を省き、より効率化を測り、さらに1番大切な量をこなす。
効率化を考えるなら寝る間を惜しんでは生産性が下がるだろう。なんて声も聞こえてきそうですが、先ほどもお話した通りこの修行期間は量をこなす事が何よりも大切です。
10年もの時間を費やさずに短期間で夢を叶えようとしているのだから尋常じゃない程の量をこなすのは必然と考えられます。
なので、一見近道のように見えても
夢を叶えている人に楽をしてる人はひとりもいないという事です。

しかし、
短期間でどんなに技術を磨いても
どんなに知識を蓄えても
なかなか手に入らないものがあります。
それはその業界の本質であり、信念です。

一生修行・一生勉強

どの業界も追求すればするほど奥が深く
終わりのない道のりが続いています。
今回のテーマの本質はここにあって、
修行10年は
技術習得のための期間ではなく
〈本質を見極め、自身の信念とするための期間〉

だという事です。

そう考えたら、
短期間で技術を習得して独立も結構。
習得したらまた違うお店で短期間修行も結構。
修行せずとも独学で腕を磨くのも結構。
なにも1箇所に留まっておく必要はありません。
選択肢は無数にあっても良い。
自由だと思います。

ただ。

一生修行、一生勉強ということは常に心掛けておきたいところです。

10年でも20年でも学びたいと思える人と出逢う

1箇所に留まる必要はないと言いましたが、
手本となる人。目標とする人。ずっと学びたいと思える人と出逢う事は自身にとって1番の強みになると思います。
どの業界にも
普遍であり、不屈な信念を持ち続ける先人達がいます。この人ならと思える人と出会い、その意思を受け継ぐ。1人とは限らない。例えそれが何人いようと、その人達の存在があなた自身の意識を普遍なものにしてくれるからです。

〜おわりに〜

昔は今ほどの選択肢はありませんでしたし
情報も公にはされていなかった分、知識や技術などの習得には時間が必要でした。
だからこそ遠回りをしなければならなかったし、1箇所に頼る必要があった。
例え時間が掛かってでも、自身の夢を叶えるには選択肢は1つのみ。
耐えて耐えて乗り越えて
やっと習得する頃には不屈な信念が芽生え、
見本とする人が目の前にいる。

こういった修行時代は決して間違ったものではなく、今も尚先頭を歩み続ける人達は
紛れもなくその時代を乗り越えた人達です。
だからこそ今我々の環境が整っていると言えるのではないでしょうか。
だからこそ先人達の発する言葉には重みがあるのではないでしょうか。

時代は違えど物事の本質はいつだって普遍なものです。
これから修行される方、独立を考えている方がいらっしゃれば
「修行10年なんて…」
と言わずに、10年経っても極みきれない可能性がそこにあると捉えて最初の一歩を踏み出してください。

一生修行・一生勉強です🙏

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?