萩原聖人は何故負けるのか?
個人10戦が終わり未だノートップ
相変わらず不調が続く萩原だが、何がそこまでの差を生み出すのだろうか?
今季の萩原の打牌から見ていきたいと思う。
1.変な所で無理押ししてしまう
これなんか特に顕著でしたが。
いくら親番とは言え押しすぎでしたね。
仮に滝沢に上がられたらトップは絶望的ですが、まだ2着争いが残っているので、ここまで強烈な仕掛けを入れられたら素直に道を譲るべきでしょう。
このときはたまたま放銃しませんでしたね。
これなんかもそうかな。
最悪対面に満貫くらいツモられても、まだ上家との3着争いが残る。
しかも自身最後の親番が残っているので焦る局面でもない。
なんなら対面が満貫ツモれば上家が親被りするため、今度は上家をマンツモで交わせるようにもなる。
69sはかなり強そうだが、7pにはそこまで手応えを感じないし、無理する場面ではない。
一方放銃したら3着復帰すら怪しい。
先日の試合ではこれなんかも押しすぎの部類に入りますかね。
滝沢7s手出し直後の2pは許される、というか滝沢聴牌してなさそう(5s切ってる滝沢が發切りの後に7s手出しは7sか8sか9sを持ってそう)だからまだ良いんですが、8s切られた後、筒子2枚残りで筒子切るのはだめですね。
2.局消化のための鳴きが苦手
先日の対戦で顕著だったのがこのシーン。
下家の魚谷から中が出てきた瞬間ですね。
実戦ではこの中をスルーした萩原ですが、これはかなり鳴いた方が良いんじゃないでしょうか。
ポン材も25pも比較的優秀なこの局面、藤崎の親を流せば藤崎のあがりにはかなり制限がかけられるという、上がり素点の1000点以上にかなりの付加価値があります。
両脇との戦いはもちろん残るのですが、藤崎のトップ率をかなり抑えることはできるでしょう。
結果、自身のトップ率上昇にも繋がります。
3.押さえつけリーチが打てない
前回も取り上げたこのシーン。
リーチは役をつけたり打点を上げたりするだけでなく、相手の手を壊す効果もあります。
リーチを打っていれば打たれていなかった牌を通されてしまうのはかなりの損失なんですけど、どうもその価値観が萩原には無いように見えますね。
4.アベレージを取るべき局面でギャンブル選択をしてしまう
前々回の試合も、これがある意味決定打だったかもしれません。結果としては3900の出上がりでしたが、25pを残していれば満貫ツモれていましたね。
さて、34p切りにはもちろんMaxメンタンピン三色ドラドラの倍ツモ手順が残ります。
しかし、一方でmin3900手順も残ってしまうんですよね。
78s切りの場合は最低でもメンタンピンドラの満貫が確定し、ドラをツモれば跳ねツモまでは現実的に見えます。
一方点数状況を見れば、自身が一つ頭抜けている状況にあります。
この点数状況であれば満貫ツモればダメ押しとまでは行かなくても中押しとしては十分すぎる効果があります。
内川、園田、前原も無理にトップを捲りにくるよりは、まず自身の2着を取りに来るでしょう。
ということで、ここではギャンブル的選択よりもアベレージを取った方が良いでしょう。
例えばこれが点差の離れたラス目なら、三色狙いの方が良いと思います。
疑問.萩原の実績との整合性は?
Mリーグでは成績の奮わない萩原だが、過去いくつもの麻雀大会等で優勝経験を持っている萩原。
詳しくはWikipediaに任せるとして。
本当にいくつものタイトルを取っていて、そりゃ芸能界最強だといってもまぁ差し支えないくらいの打ち手ではあるわけですよ。
Q.なら萩原がMリーグでそんなに負けるのはおかしくね?
というとそれがそうでもないんですよ。
むしろ、これまでのタイトル戦で成績が出てしまっているからこそ、今の萩原を縛り付けてしまっているんですね。
萩原のMリーグでの敗因は、過去のタイトル戦の戦い方そのままにMリーグを戦ってしまっていることにあります
萩原が活躍してきた麻雀タイトル戦って、言ってみればトップにしか価値がない麻雀なんですね。
だから、1では無理押しと判断した場面でも、トップにしか価値が無い麻雀なら押すことも十分ありますし
2で話したような局消化という価値観も、ただ残りの3者でジャンケンをするだけのギャンブル選択になりそうです。
3のような押さえつけリーチなんかも、トップのためにリスク承知で押され、分の悪い勝負に持ち込まれたり
4のようにアベレージを取るよりも、ここででかいの上がれないんだったら、今回は俺の回ではなかったんだなと思うことになることもありそうです。
例えば最後の手牌で言えば
全然ありだと思います。
点数状況によっては9sツモ切りすらあり得ますね。
この点棒状況でも、「ここがオーラスじゃ!」くらいの勢いで倍満ツモってしまえば事実上の勝利とすることもできるわけです。
というか、逃げ切るためにはそれくらいのアドバンテージが欲しい。
着落ちのリスクなんて、2着も4着も同価値の麻雀なら背負いやすいんですよね。
一方でそれは対戦相手からしても同じこと。
周りがリスク覚悟ででかい手を作りにきて、逆転のための本手リーチをばんばんかけてきます。
また、オーラスでは2着以下はしょーもない上がりをしなくなります。トップ条件が役満直撃なら愚直に役満を作りに来るでしょう。
タイトル戦の決勝では2着争いなんてまぁ起きないですよ。
そういった場では4.で話したようなアベレージを拾いに行くような麻雀では勝ち切れないんですよね。
結局のところ、萩原の敗因は昔の短期決戦型トップ勝ち麻雀のルールの感覚で長丁場のMリーグを戦ってしまっていることにあります。
萩原がいつそれに気付くのか、はたまた気付いていながら変えるつもりが無いのか、それはわかりません。
しかし、Mリーグはチーム戦なわけで、萩原の他にも雷電には瀬戸熊と黒沢というチームメイトがいるわけです。
もし萩原が苦しんでいるのであれば、瀬戸熊や黒沢から戦術指南があっても良さそうなものですが…そのあたりどうなっているのか、気になるところですね。
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