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四十肩ってどんな症状?自分でできる痛みの対処は?長年整形外科に勤務した鍼灸師が簡単解説!

「四十肩って噂に聞いてたけど、これがそうなの?」「病院に行くほどではないけど、肩の動きが悪い気がする…」
お年頃の肩の症状、「これって四十肩(五十肩)なの?」とよく聞かれてきました。
四十肩(五十肩)の症状と簡単な対処法についてまとめています。ぜひお読みください。

※四十肩(五十肩)は通称であって、医師からの診断名としては「肩関節周囲炎」とつけられることは何度かお話ししました。もし混在していたら優しい気持ちで見ていただけると幸いです。

【1】四十肩(五十肩)になるきっかけは?
なぜ四十・五十と年齢が通称に用いられるのかというと、やはりこの年齢に多いことが由来です。
この年代では肩の周囲の筋肉・腱・靱帯などの柔軟性が低下しており、少しのきっかけで痛みを発症しやすくなっています。
劣化した輪ゴムを使おうとすると伸びにくくなっていたり、切れてしまったりするのをイメージしてみてください。
患者さんの中には「急に」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、よくよくお話しを聞いて行くと、「少しだけ力仕事をした」や「柱に肩をぶつけた」など、今までなんてことなくこなしてきたことで発症している方も多く見受けられます。

【2】ズバリ四十肩(五十肩)ってどんな症状?
四十肩・五十肩以外にも実は通称があります。「凍結肩」です。
「凍結」と言われるように痛みによって動かなくなることが特徴的です。
特に症状が顕著な動作としては「結髪(後頭部を触る)動作」「結帯(エプロンの紐を結ぶ)動作」、よく痛みを訴える場面としては「衣類の着脱(お着替え)動作時」です。
他にも急性期には、肩から腕にかけての痛みや安静時にもズキズキする、就寝時にも痛む、寝返りの痛みで起きるなどの訴えが多く聞かれます。

【3】急性期の対処法
ズキズキ痛むような症状は病院に行くことをオススメします。
病院では、痛み止めや湿布などの処方、痛み止めの注射などがなされます。
「時間もないし、痛み止めや湿布は自分で薬局で買うよ」という方もいらっしゃいますが、整形外科でしっかりと診断されることをオススメしています。もし同じような痛みであったとしても、「腱断裂」で手術を要する状態であったり、内臓の病気が肩の痛みとして症状に出ていることもありますので、一旦病院で診断を受けて安心して治療に挑んでいただきたいと思います。
肩こりなどの主訴で鍼灸院に来院された場合でも、検査によって病院を受診した方が良いと判断した場合には近隣の整形外科へ紹介する場合もあります。来院前にご相談いただけると幸いです。

【4】痛くてどうしようもない!(日常生活対処編)
病院を受診してもすぐに治るものばかりではありませんから、ご自分での対象方を知っておきましょう。
患部の安静には「三角巾」がオススメ!笑
いやいやだいぶ大事になりますね。ですが、四十肩だからといってお仕事休めない…という相談はよく受けますので、一つの方法として覚えていただけると良いと思います。
デスクワークの方は、クッションを置いて、腕がだらっと下に落ちないようにするのも良いですね!
用途は異なりますが、硬めの授乳クッションなんかを挟むのはありだと思います。お腹周りにフィットするので落ちる心配もなく良いですよ!
これは仕事の時だけでなく、自宅でゆっくり本を読む時やソファーでテレビを見るときなんかにも使えます。
クッションやバスタオルなんかを駆使して自分の高さに調整できると尚良しですね!
三角巾やクッションをイメージしていただくとわかるかもしれませんが、ポイントは肘の高さです。肩を下から持ち上げるのではなく、肘から持ち上げるイメージで物を選んでみてください。
肩は巻き肩、手のひらは上向きでなく下向きの姿勢で楽になることが多いです。

【5】痛くてどうしようもない!(就寝時対処編)
「痛みで寝るに寝られずストレスだ!」「ポジションが決まらずなかなか寝付けない!」というご相談をよく受けます。
就寝時のポイントは、仰向けの場合は「肩甲骨からあげる」「手のひらはお腹へ」です。
肩甲骨の下にバスタオルなどを敷いて高さを出しましょう。肘の下ではなく、肩甲骨の下です。寝ながら巻き肩にするようなイメージです。肩甲骨を胸側に持ち上げます。余裕があれば肘までバスタオルなどであげてあげると就寝中も安定します。
手のひらはお腹、反対側の脇腹あたりに置くと安定して寝付きやすくなると思います。
もう一つ、肩を「冷やさない」ことも大事です。
どうしても寝具の都合で肩が出てしまったりしますよね。パジャマの上から着る、ポンチョタイプのスリープベストなどもありますので、検討していただけると良いかと思います。

【6】鍼灸でできることは?
特にわかりやすいのが「冷やさない」→「温めを持続させる」ことです。
お灸(きゅう)で芯まで温めていくので、カイロやホットパックよりも温かさが長く続きます。また、意外に思われますが、お灸には温めながら、炎症を抑える効果がありますので、四十肩(五十肩)の急性期にはもってこい!急性期には「安静」と言われることがほとんどですが、痛みはどうにかしたいですよね。
できるだけ痛みを軽減させ、動かせるようにステップを踏んで行くことで気持ちも楽になりますよね!手段の1つとして知っていただけると嬉しいです!

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