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民主化とChatGPTとテック界の誤謬

グリーンテックがアメリカのバイデン政権をはじめとした各国政府の寵愛を受けるがパッとしない状況が続く昨今、テックスタートアップ界や証券市場ではChatGPTの急騰は救世主のように扱われた。
GoogleやAmazonをはじめ、各テックジャイアントあるいはビッグテック業界は、対OpenAIの姿勢をむき出しにした。

中国でもスタートアップたちはビッグテックからGenerative AIの市場に潮流は流れているようだ。

なぜこのような一時的なトレンドに流されるかといえば、かつてのGoogleとMicrosoftの紛争とその後のGoogleの市場独占のストーリーを世界は知っているからだ。
しかし、10-20年を経て、かつてのテック界の皇帝Microsoftが、現在の覇者GAFAに再び力をつけて襲いかかった構図が今回だ。
これはスター・ウォーズのEP5になぞらえて、帝国の逆襲とでも呼ぼう!
しかし、今回OpenAIのCEOはY combinatorでもお馴染みサム・アルトマンであり、彼が獰猛な起業家ではなく、一回人生の資金的な不安から解放された趣味人的シリアル・アントレプレナーであることはGAFAにとっては安心材料だろう。
もっともソフトウェアをもつアップル社は余裕のようだ。ジョブズがいたらそんな穏やかな状況ではなく、嫉妬と羨望でわめくのは想像するにたやすい。
イーロン・マスクが6ヶ月開発を待ってほしいという気持ちは、こういう根っからの起業家にぶっ刺さる道具をOpenAIが開発したからにほかならない。

ただし、ビッグテックやGAFAが焦るのは、わかるが、日本国内テック業界はこの限りではないはずだ。しかし、思いの外ほとんどのBaaS(⁠ビジネスSaaS)企業はダウンラウンドや店仕舞いをするだろう。というのは、中身のないベンダーが多すぎたのが問題だったというだけで、中身のある企業はおそらくノーダメージだ。
本当にチカラがあるスタートアップこそ、日本は安泰だ。むしろさらに仕事は増えるだろう。そう考えるテクノロジーによる民主化の波はむしろ悪弊を駆逐する。

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