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2023/9/9 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週の米国の経済指標、米国 8月ISM非製造業景況指数 9/6、中国政府 iPhone禁止報道 9/7、について簡単にまとめてみました。
① 8月 ISM非製造業景況感指数 9/6
✅ 結果 54.5 前回 52.7 先月比+1.8
利上げバイアス ⤴
⭕ 結果は市場予想(52.5)を大幅に上回り、米国のサービス業の景況感は低下するではなく未だ高い。これがインフレ圧力上昇と見做され、金利先高感は高まり、6日、米国株式は下落、ドル高傾向は継続となった。
予想外の強さを示したISM指数は個人消費と経済全体の強さを浮き彫りにしている。家計支出の底堅さは雇用増につながっており、米国がリセッション(景気後退)を回避できるとの楽観的な見方を強めている。
不動産、賃貸・リース、宿泊・飲食サービスなど13業種で活動が拡大した。雇用指数は2021年11月以来の高水準となり、先週発表された雇用統計で見られた広範な雇用が再確認された。雇用拡大により、企業は受注残の処理を進めることもできた。
一方、資材費と賃金は8月も加速しており、仕入価格指数は4カ月ぶりの水準に上昇した。サービス業のコスト上昇が続けば、インフレが長期化する恐れがある。
回答者の声
●「レストランの売上高とトラフィックの傾向は、パンデミック前(レベル)と比較して前年比でプラスを維持しています。雇用は安定しており、質の高い従業員が利用できます。12月のカリフォルニア州の新しい規制には、(地方自治体の)最低賃金の引き上げと提案<>(家畜の健康と福祉に関する法律)の実施が含まれ、その結果、豚肉の価格が大幅に上昇しました。」[宿泊施設&フードサービス]
●「人件費は引き続き軟化していますが、医薬品と消耗品のコストは依然として頑固に高く、営業利益率に悪影響を及ぼしています。サプライチェーンは一貫して運営されていますが、一部のカテゴリーの供給は依然として制約されています。患者数と収益は(今月は)わずかに減少しましたが、新学期が近づくにつれて回復しているようです。予測は慎重ながらも楽観的である」と述べた。[医療・社会扶助]
●「価格は落ち着きました。2024年に景気後退の可能性についての警告は、経営陣によってあまり真剣に受け止められていません。同じ専門家は、国は今では不況に陥っているだろうと警告しました。インフレを抑制し、経済のソフトランディングを構築するための(連邦準備制度理事会の)戦略は、予想よりもうまく機能していると私たちは一般的に感じています。市は1月<>日から始まる会計年度の市税の減税を提案しています。」[行政]
② 中国政府 iPhone禁止報道
⭕ 報道後、米アップルの株価は急落、1900億ドル(約28兆円)の時価総額が目減りしました。中国はアップルの販売市場の20%を占めます。
中国政府からの正式な報道ではないと言われておりますが、政府機関の職員への指示があったとWSJが報じています。
米国の対中経済制裁へのお得意な対抗措置ですが、中国は世界的な生産拠点であり、国内雇用への影響も大きなものになると予測されます。
福島原子力発電のALPS処理水放水に対抗する、日本魚介類全面禁止のように、中国が自分自身で苦しくしている「セルフ経済制裁」となるかも知れません。
中国当局は米アップルのスマートフォン「iPhone」を巡り、機微な内容を扱う部門を対象としている使用禁止を拡大し、政府系機関や国有企業にも適用することを計画している。アップルにとって最大の海外市場であり、世界的な生産拠点でもある中国で、課題が広がっていることを示唆している。
事情に詳しい複数の関係者によると、一部の政府機関はiPhoneを職場に持ち込まないよう職員に指示し始めた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先にこの点を報じていた。また、中国当局はこの制限についてさらに踏み込み、多くの国有企業や他の政府系組織にも対象を広げる意向だと関係者は述べた。機微な情報だとして匿名を条件に話した。
③ 世界と米国の経済指標のおさらい
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![](https://assets.st-note.com/img/1694265094821-LIOhb5SXal.png?width=800)
④ 利上げマップ
✅ 9/20、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が92.0%と優勢。
⭕ 市場参加者の48%が今年中に1回の利上げを観測、FRBメンバーのほとんどが今年中に1回の追加利上げ実施を支持している。
![](https://assets.st-note.com/img/1694264721227-YVgPl5WQyL.png?width=800)
⑤ まとめ
⭕ FRBは経済に強い痛みを感じさせずにインフレを抑える「ソフトランディング(軟着陸)」を目指し、次回、9/20FOMCでは政策金利の据え置きとする準備をすすめている。市場参加者や株価は既に織り込み済み。
⭕ ISM製造業、非製造業とも上昇、米国経済の底堅さを背景に、今週は米国債券利回りがやや上昇。日銀の金融緩和継続も伴い、ドル対し円安傾向が継続されている。
★ 米国10年債利回り 4.260% 9/9 (4.181% 9/2)
★ 日本10年債利回り 0.641% 9/9(0.621% 9/2)
★ 1ドル=147.788円 9/9 (146.278円 9/2)
⭕ OPECプラスの協調減産を年内まで延長。原油価格WTIは9/9時点で1バレル87.23ドルと8/26の80.20に対し2週間で7ドル上昇。
FRBにとってはインフレ圧力として懸念材料となっている。
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均(前週比)
NYDOW 34,576 ▲0.75%
NASDAQ 13,761 ▲1.93%
S&P500 4,457 ▲1.29%
日経平均 32,609 ▲0.31%
🔅 来週の米国経済指標
9/13 米国 8月消費者物価指数 CPI
9/14 米国 8月生産者物価指数 PPI
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