見出し画像

眠れないので『ネメシス』1話について語ります

日曜の枠で始まりました、櫻井翔・主演『ネメシス』。

探偵モノ好きとしては見逃せないぜ、と思いワクワクしておりました。

天才助手とポンコツ探偵。ひとつの王道といえる組み合わせ。
豪華キャストに、推理作家監修のトリックに、映画のような映像(実際映画監督の人が今回初の連ドラを手掛ける、というのも話題)。

楽しみにするところしかないじゃん!と。

とはいえ、ハードル上げすぎたらいけないな。
冷静に、初回を観ようじゃないの。と珍しくリアルタイム視聴を待機。

こういうとき待機している間にうっかり半分ぐらい過ぎちゃったりするけど、今回はちゃんと観れました。

で、視聴後最初の感想が「え、初回15分拡大とかじゃないんだ?!」でした。短く感じると思ったら実際、短かった。

そして「これ面白い、のかよくわからないな……なんか、惜しいな……」という感情が後から追ってきた。
最終的に「まあまだ1話だしなあ」となった。3話ぐらいまで観てから決めるタイプのドラマだなこれは。

あらすじ

どういうわけか社長の栗田(江口洋介)が、栗田探偵事務所からネメシスに看板を変えて新装開店。
探偵業前線から退き、新しい看板探偵に風間(櫻井翔)を立てる。
そこで働く味覚がやばい助手がアンナ(広瀬すず)。

バタバタしているところに、最初の依頼人・黄以子(大島優子)登場。

医者のキイコは、自分が診ている患者の火鬼壱(伊武雅刀)の誕生日パーティーに脅迫状が送られてきたため、心配して依頼に来る。

風間とアンナはパーティに参加するも何も起きず。
しかし、その日の夜ホキイチは殺されてしまう。

容疑者は7人、ホキイチの6人の彼女、村崎、黒壇、銀子、青海、赤井、桃と、キイコ。

死体の横にはめっちゃ長いダイイングメッセージ……犯人は一体誰なのか!

捜査・推理・解答が短い

あらすじだけ書くとオリエント急行ばりに捜査が難航しそうな容疑者の数なのだが(半分だけど)、それが1時間(正味43分)で終わってしまう。

なんなら最初に探偵たちの説明をしないといけないし、物語の縦軸となる「アンナのお父さんが失踪した事件」についても、最初なのでおそらく多めに説明が入っていたであろう。

そして途中で出てくる刑事さんたちも初登場なので尺長め、キイコも今後登場するという前情報があったが、そのせいかキャラの説明に割く時間がやっぱり長め。

説明しないといけないことがいっぱいあるから、事件に使う時間が短すぎて捜査と推理の時間が短すぎた。

そのせいで、風間くんが本当にポンコツなのか?という疑問が生まれた。

風間くんが分からない

風間は一応依頼された探偵であり、ネメシスの顔。アンナがカンペを出しながら、それを見て思い出したり予想したりしながら推理していく。

でも結構雑なカンペなのに、見ればスラスラ推理できるから、全く何もできないというわけではなさそう。

ダイイングメッセージに「犯人は黄以子」って書いてあったのに、なぜか容疑者からはずそうとする風間。
おそらく「依頼人だよお?!」ということなんだろうが、その説明が弱く、むしろ「あのダイイングメッセージは偽装」と分かっているように感じられて(まあ書けるわけないぐらい長いからさすがに分かっていたと思うけど)、あんまりポンコツっぽく見えない。

調子に乗るような側面はあれど「本当に馬鹿なわけではない」という、そういうキャラなのかもしれないが、いまいち「ポンコツ」というにはキレがあるなあ、と思ってしまう。

そういう意味で風間くんがまだよくわからない。

他にも

あと「アンナがカンペでしゃべる理由なに?!」と思ってしまう。あとあと「あーお父さんの事件的に、アンナが目立つとまずいのかなー?」と推察はできるけど、明言はされないし、1話だけだと根拠が弱い。
そこは説明してくれないんだ!みたいな。

トリック自体はめちゃくちゃ面白い、と思ったけど、書き方がアッサリしているせいで、トリック自体も大した事なさそうに見えてもったいない。

仕掛けは壮大だけど、普通に見てたらほとんど消去法で先に犯人が分かってしまう。
それは叙述トリック的なものがないからかなと。
言い方や登場人物の動かし方次第で、もっと複雑にできたんじゃないだろうか…と思えて、せっかくの大仕掛けがもったいない。

せっかく7人容疑者、しかも結構豪華女優陣、出てきたのにもったいないなあと思ってしまった。ああもったいない。

あと登場人物多すぎるので、いちいちテロップ出してほしかった。
誰が誰だかわからないまま終わってしまった感あるし。
耳が悪いのでちょいちょい聞き取れないし。

細かいのかもしれないけれど、細かいアラが気になってしまう、のは勢いも足りていないのかな、と。

初回にしては淡々としていた感じがしました。

縦軸のこと

縦軸となる「アンナのお父さんの失踪」は「すべての事件とつながっている」らしい。
そういう触れ込みのもと、私はネメシスの視聴を決めたので。

【1話で分かっていること】
・アンナもともと海外に在住(日本にきて半年)。
・お父さんは半年くらい前の誰かの葬式(日本)の直前(直後?)に失踪。
なぜ日本にいたのか、誰の葬式なのかは謎。
・栗田は「遺伝子すっきり水」というホキイチの会社が開発した水のことを気にしていた(そのため依頼を引き受けた)。
・執事の梶曰く「遺伝子」とは関係ないらしいが、そもそも栗田がその質問(遺伝子と関係あるか)をした理由はなんなのだろう。そして、本当に関係ないんだろうか。
・その「遺伝子」のことが原因で失踪した?
・アンナは超能力レベルの頭脳があるがそれも「遺伝子」と関係している?(だから目立たせるとまずい?)

つまり

1話だけ観ると正直「面白……くはないなあ」ということになってしまうかもしれない。
なんか、全部惜しい、と思ってしまった。
アンナのディティールに全振りしたな、みたいな感じ。

しかし「監修している作家が6人ぐらいいる」、「縦軸の事件が徐々に明らかになる」、「1本の映画を11(?)分割したみたいなつくり」という情報を鑑みるに、1話目で観るのをやめるのは早計かなと思っている。

あくまで「登場人物の説明」「捜査の流れの説明」「縦軸の説明」という、壮大な物語の序より前、舞台装置の説明、に留めた、のかもしれない、1話目。
こういうタイプは、徐々に面白くなっていくから、3,4話観てから決めないと後々損をしそう。

とはいえ、1話目はどうしても登場人物と設定の説明が入るので15分拡大スペシャルにしてほしかったなあ、という。

ああだこうだいうけど、つまりは来週も観ます。
これも含めて監督の策略だったらまんまとハマっている、いちばんのお客さんかもしれませんね。

志邑でした。
今から寝るよ。笑

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?