田村将

演劇人です。観たり、やったり、研究したりの日々です。早稲田で活動しているとかなんとか。…

田村将

演劇人です。観たり、やったり、研究したりの日々です。早稲田で活動しているとかなんとか。早稲田大学演劇サークル、劇団くるめるシアター所属。

マガジン

  • もっと芝居と話をしよう

    古今東西の戯曲・演劇関係の本を紹介していきます。お芝居が好きな人がもっとお芝居を好きになってくれることを目標に。ヘッダーは整理されてない古本屋っぽく並べてみた演劇の本たちです。

最近の記事

一人演劇プロジェクトのこと

 勝手気ままに始めたこのプロジェクトですが、ちょっと時間がなくなってきたので、全くの未完成ではありますが、一旦「終了」という形を取ろうと思います。理由として、 1、舞台公演の準備 コロナでどうなるかは未定ではありますが、演出の現場と舞台監督の現場が今の所決まっています。演出する舞台は成功させたいですし、舞台監督として関わるお芝居も友人が多く関わっているのでできる限りのサポートをしたいです。そして、そのためにやることというのが今後どんどん増えてきます。さらに感染対策やら何や

    • 一人演劇プロジェクト(14)〜目的地〜

       10日書いてませんでした。 実を言うと迷っています。これを始めたとき、僕の中では演劇は「続ける」ことが大事だという思いがありました。野田秀樹さんが劇場の灯を消してはいけないといったアレと同じことです。そこで、とりあえず、無力は無力なりに考えて始めたのがこのプロジェクトでした。 さてさてしかし、状況は刻一刻と変わりつつあります。緊急事態宣言も解除されました。 これからは、第二波に細心の注意を払いながら、劇場公演に向けて舵を切っていく準備期間になっていくのではないかという

      • 一人演劇プロジェクト(13)〜エンドゲーム〜

        どうも、おひさしぶりです。色々考えていたら、更新が遅れました。 ベケットの『エンドゲーム』を読んでました。新訳(岡室美奈子訳)と旧訳(安堂信也・高橋康也訳)を読み比べていました。 この戯曲を初めて読んだのは、高校生の時です。演劇の県大会があったんですけど、ちょっと遠かったので2泊3日の泊まりだったんですね。それで暇な時間に読もうと思って、持っていって読んでいました。高校の部活でお泊まりなんて素晴らしく楽しいイベントなのに、どんな辛気臭いもの持っていってるんだよ!とまあ、言

        • 一人演劇プロジェクト(12)〜ゴドーを待ちながら〜

           やはり、今回のテキストにはベケットを取り入れたいなあという思いはずっとありました。その作業に着手しております。  ベケットの代表作『ゴドーを待ちながら』に関しては、去年、劇団の新人公演で上演しました。19人の役者が入れ替わり立ち替わり、登場人物を交代で演じるという方式で演出しました。だから、何ヶ月もテキストに向き合っています。1日一回以上は読んでいたわけです。お気に入りのシーンもいっぱいあります。問題は『エンドゲーム』とか『ハッピーデイズ』とかです。一通り読んだことはあり

        一人演劇プロジェクトのこと

        マガジン

        • もっと芝居と話をしよう
          2本

        記事

          一人演劇プロジェクト〜ひとりということ〜

           今日はぶっちゃけ何もしてません。なんか、最近眠くて眠くて。一日中、寝てました。  ベッドの上でなんとなくの内省をするのですが、そうすると最近「一人で何かをする」ことへの興味がぐんぐん沸いていることに気がつきました。このプロジェクトもソロパフォーマンスとして行っているわけですし。他にも、画質も悪いですが、最近、ちょっとだけ写真を撮るようになりました。真剣に写真を勉強したいかというと違うような気がしますが、それでも一つの表現、作品として写真を考えている側面が僕にはあります。ち

          一人演劇プロジェクト〜ひとりということ〜

          一人演劇プロジェクト(11)〜舞台美術〜

           学校の方の授業も始まりました。もちろんオンラインです。今日は1限(九時から)をとっていたのですが、なんとなく緊張して九時に始められませんでした。なんなんでしょうね、あの緊張感…。  なんだか、このプロジェクトも盲滅法に進めてきました。進んできたといっていいのかわからないようなぐらいの遅々としたスピードで…。まあこの盲滅法な感じがいいんじゃないかと最近は思っています。  さてさて、いろいろなテキストをコラージュするという初めての試みに挑戦しようとしてはいるんですが、中核を

          一人演劇プロジェクト(11)〜舞台美術〜

          一人演劇プロジェクト(10)〜朗読〜

           『カリギュラ』を読みきったところで、だいぶ疲れはてました。西洋の演劇を連続で読んで居ると疲れます。なぜでしょうか?  背負って来た歴史が違うから?思想の伝統?翻訳の言葉? 色々あると思います。特に僕は「翻訳された言葉」に疲れます。もちろんそれは翻訳者のせいではありません。彼らの訳業は素晴らしいものです。しかし、やはり元から日本語で書かれたものと、翻訳され日本語になったものとでは違います。  翻訳された戯曲を僕は「理論」で読みます。そして言葉もある程度「理論的」です。そ

          一人演劇プロジェクト(10)〜朗読〜

          一人演劇プロジェクト(9)〜カリギュラ〜

           やっとこさ、『カリギュラ』を読み終わりました。いや〜、疲れた。最後の緊迫した場面は何度か繰り返し読んで、ちょっと立って演技風にしながらやろうとか考えてやったら結局、のたうつような演技をしちゃって吐きそうになりました。  なるほど、なんとなくこの戯曲全体の言わんとしていることがわかりました。カリギュラは「死」ということの不条理さをドリジュラの死によってはっきりと認知したのです。そして、それによって「死」を忘却して生きている他の人間たちから完全に孤独になったのです。その絶対的

          一人演劇プロジェクト(9)〜カリギュラ〜

          一人演劇プロジェクト(8)〜太田省吾のこと〜

           テキストを読む期間なはずなのに、オンラインの演劇のこととかを考えちゃってます。もちろんそれがプロジェクトに繋がります。  以前に「戯曲を楽しむように」と書きましたが、つまりオンライン演劇はなんらかの形で未完成だと面白いような気がするんです。そんなことを考えていると、太田省吾さんの『小町風伝』を思い出しました。実はまだ読んだことがないんですけど、冒頭にこんなことが書かれているのです。  「セリフは書いてあるけど、そのセリフは喋らないで」ということです。実際の戯曲ではこんな

          一人演劇プロジェクト(8)〜太田省吾のこと〜

          一人演劇プロジェクト(7)〜戒厳令〜

           zoomを使っての小さな演劇勉強会ひと段落しました。『戒厳令』を読んで、感想を共有したりしました。また、やります。今度はもうちょっと規模を大きくして。近々、募集します。  さて、カミュの『戒厳令』はスペインのとある海辺の街に、ペストと名乗る男が現れ、街を占拠してしまいます。そして、病気としてのペストの恐怖と、それを利用した「ペスト」男による独裁の完成していく様子を描いた戯曲です。いくつか、セリフを今回のテキストに混ぜ込もうと思います。  カミュはアルジェリア出身の作家で

          一人演劇プロジェクト(7)〜戒厳令〜

          一人演劇プロジェクト〜戯曲を楽しむように〜

           昨日、今日と忙しくて、こちらの方が全く進んでいません。zoomを使って、演劇の勉強会をしてカミュの『戒厳令』を読んだり、大学のプレゼミがあったりしていました。結構疲れますね、zoom。そのあと半日ぐらい、余裕で寝てしまいます。  さてさて、zoomで戯曲を詠み合わせていると、「相手のセリフを受け取る」ということが難しいぞと感じます。演劇でセリフを発する時、大切なことはそれより前の相手のセリフをよく聞くことです。相手からの言葉を聞いて、受けて、自分のセリフは発せられます。だ

          一人演劇プロジェクト〜戯曲を楽しむように〜

          一人演劇プロジェクト(6)〜なんのため〜

           昨日、zoomを使って、僕と友達3人で小さな演劇の勉強会をしました。テーマは「疫病と演劇」にして、カミュの『戒厳令』を読む予定でしたが、だいたいが雑談で終わってしまいました。『戒厳令』はプロローグだけ読みました。  色々友達と喋ったり、画面越しに戯曲を読んだりして思ったのは、劇場に集まって劇を観ること、稽古場に集まって稽古することって、なんて大事なんだろうということです。戯曲を読んでいても、そりゃあ言葉の意味は伝わってきますが、息づかいや、言葉のピッチ、速さなど、微妙なニ

          一人演劇プロジェクト(6)〜なんのため〜

          一人演劇プロジェクト(5)〜カリギュラ〜

           「演劇(それ以外の文化も含む場合もある)は不要」とか「補償しなくていい」とか低レベルな意見が、またツイッター上で散見されるようになって、目眩を覚えていました。また、一日が過ぎてしまいました。  こういう意見(といえるほど正当性はないのだが…)に、どう対抗していけばいいのでしょうね。全く。いつまでこの国はこのレベルで話をしているんだと思うもまた目眩がしてきます。  ちょっと話が逸れていますが、『否定と肯定』という映画があります。ホロコースト否定論者のデイヴィッド・アーヴィ

          一人演劇プロジェクト(5)〜カリギュラ〜

          一人演劇プロジェクト(4)〜電池〜

           懐中電灯に電池が入っていなかったので、買いに行きました。この懐中電灯、説明書やらなんやら一切なしで懐中電灯だけで荷物の中に紛れていた(パート2参照)ので、どうやって使うのか、どんな電池が必要なのか全くわかりませんでした。とりあえず、ここに電池を入れるみたいです。  ちょっとわかりにくいですが、なんか穴大きいなあという印象を受けました。きっと、単2ぐらいでしょう。もしかしたら単1かもしれません。というわけで、2種類の電池を買ってきたのですが、なんと! はいりませんでした…

          一人演劇プロジェクト(4)〜電池〜

          一人演劇プロジェクト(3)〜テキスト〜

          「明日、また明日、また明日と、時は小きざみな足取りで一日一日を歩み、ついには歴史の最後の一瞬にたどりつく、昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す死への道を照らしてきた。消えろ、消えろ、つかの間の燈火!人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ、舞台の上でおおげさにみえをきっても出番が終われば消えてしまう。白痴のしゃべる物語だ、わめき立てる響きと怒りはすさまじいが、意味はなに一つありはしない」(『マクベス』五幕五場、小田島雄志訳)  マクベスの名台詞、「トゥモロースピーチ」と呼

          一人演劇プロジェクト(3)〜テキスト〜

          一人演劇プロジェクト(2)〜機材発掘〜

           昨日は劇場を掃除しました。僕の部屋はもう劇場です。そう言い張ります。  今日は、劇の上演に使えそうなものを劇場の中で探しました。機材ですね。演劇に必要な機材って色々ありますよね。音響設備、照明設備などなど。必要な音がなって、何らかの照明効果がつけば、それっぽくなるので、今日はとりあえずその二つに使えそうなものを探しました。  いや、音響、照明もなくても演劇は成立するじゃん!という人もいるかもしれません。そうでしょう。僕が、僕の部屋という名の劇場でただ蛍光灯という作業灯の

          一人演劇プロジェクト(2)〜機材発掘〜