一人演劇プロジェクト(2)〜機材発掘〜

 昨日は劇場を掃除しました。僕の部屋はもう劇場です。そう言い張ります。

 今日は、劇の上演に使えそうなものを劇場の中で探しました。機材ですね。演劇に必要な機材って色々ありますよね。音響設備、照明設備などなど。必要な音がなって、何らかの照明効果がつけば、それっぽくなるので、今日はとりあえずその二つに使えそうなものを探しました。

 いや、音響、照明もなくても演劇は成立するじゃん!という人もいるかもしれません。そうでしょう。僕が、僕の部屋という名の劇場でただ蛍光灯という作業灯のもと演技をしても、それは演劇にはなるでしょう。しかし、それは演劇の一番の本質(コア)かもしれませんが、全体ではないように思います。そもそも演技が演劇のコアかどうかも怪しいところです。

 演劇というものの全体は、複雑さと単純さが微妙なバランスで成り立っている得体のしれない代物だと僕は思います。複雑さというのは、照明、音響、美術、演技などそれぞれが専門の技術を目一杯使って、舞台空間をデザインすることです。これは結構複雑です。僕は素人なので照明ひとつつれません。ましてやそれを配線して、オペレーションできるようにプログラムするなんて不可能です。仕込みの時、音響はよくトラブります(トラブっているのかもよくわからない)。音が出なくなります。僕には何で音が出ないのか、そして何で回復したのかよくわかりません。このような素人にはよくわからない世界が広がっているのです。しかし、それらの複雑なものが一つになるからこそ、演劇は感動的なものとして成立するのでしょう。

 しかし、演劇は翻って単純でもあります。先ほども書いたように、公園やら路上やらで演技をしても演劇として成立するのはそのためです。類似した他の表現媒体(映画やテレビ)に比べると、めちゃくちゃ単純です。思い立ってから上演までがきっと一番短いスパンでできるメディアでしょう(その分、その期間は大変)。言い換えると、肉体労働が報われるというか、力技で何とかなる部分を多分に含んでいるのです。

 このように演劇というのは複雑な面と単純な面の両方を持っていて、それをうまい具合にミックスしているのです。そこが演劇の面白いところであり、また得体のしれないところでもあると思います。

それに今回は、観客はいません。おそらく、上演は映像として残す形にになると思います。時間と場所を共有していないからこそ、僕が行ったことが演劇であると、客により知覚させなくてはいけません。演劇は祈りだ。と以前書きましたが、この祈りが完成するには観客の存在は不可欠だと思います。彼らはいわば祈り(儀式)を見守る存在です。彼らが見守り、その得体の知れなさから非日常的な感情を抱くことこそが演劇の世界への祈りの完成だと僕は考えています。だから今回は、演劇の複雑かつ単純な得体の知れない世界がこの劇場に作り出されたことを観客に画面越しに知覚してもらうために、音響や照明など機材は必須なのです。

 さて、色々探してみました。結果です。

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音が出るもの、光が出るもの、あとはなんか使えそうなものです。わお!少ない。

一番後ろにあるのがスタンドライト。机の上にあるやつです。その横にあるのが、ベッドに挟んでいたライト。夜寝る前に本を読む時に使います。そして、懐中電灯が二つと、なんか置くことができるライト。それから、くらいハケ裏で安全用に置くための赤ポチ3つ。これが、照明機材全てです。しかも、スタンドライト以外は全て劇団のものです。間違ってもって帰ってきてしまいました(笑)。学生会館が再開したら返します。

お次は音響機材。パソコン2台。以上。あ、あとスマートフォンがあります。

それから、養生テープと、マスキングテープが一巻きずつ。

いやー、これでどうせーっちゅうねん?と思いましたが、演劇は複雑であると同時に単純でもあります。頑張ればなんとかなるような気がしてきました。

買い足せばいいじゃん。という考えもあると思います。しかし、いまはおいそれと外出するのもはばかられる時期ですし、3月4月全くアルバイトをしていない(外出しないため)僕は、仕送りで生活はできるものの金銭的に余裕があるわけではありません。それに演劇というのは制約の中でこそ、面白いものが生まれるというものです。さて、ここからは演出家が頑張るところです。これから具体的な演出プランを試行錯誤しながら作り出していきます。そして素晴らしいことに、本番上演する場所でその試行錯誤を行えるのです。これはなかなかいい条件です。

 ところで、僕はここで演劇を上演すると言っても具体的にどんな芝居をするんでしょうね?ハードから作ってきましたが、そろそろちゃんとソフトのことも考えないといけません。明日までにはその方向性を決めないといけません。

 それでは今日はここまでです。最近、全く文章を書いていなかったので、自分の考えを文章にするのに苦労しております。読みにくいとは思いますが、最大限努力しますのでご了承ください…。

PS〜持って帰ってきちゃったライトの話〜

 懐中電灯2つは勝手に紛れ込んでいました。それは本公演のバラしの時。バラしの終了が退館ギリギリ(ちょっと遅れたことは内緒)なってしまいました。舞台監督の僕は荷物を同期のM君とT君に託して、最後のチェックをしてもらいました。劇場管理さんに謝りながら小屋を出て、外で待っていたM君とT君に荷物を返してもらい、打ち上げにいきました。そして家に帰って、荷物を開けてみるとなんと懐中電灯が二つ入っているではありませんか!これは小道具なので、全て役者・演出陣で管理しているはずです。僕は一切ノータッチの代物です。なんで入っていたのでしょう?僕はM君とT君が怪しいのではないかと踏んでいます。やつらは役者でした。(そんなことよりちゃんとすぐに劇団側に返さない僕が悪い)。あ。M君もT君いいやつです。

 なんか置くことのできるライトと、赤ポチは完全に僕が悪いです。舞台監督しているとよく間違ってもって帰っちゃうんですよね〜。

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