ケニア、全国民にデジタルIDを導入へ!リスクと機会を考える!
今回もアフリカ現地で話題のニュースを取り上げ、その記事をまとめた要約記事をお届けします!今、アフリカ各国で何が起こっているのか、一緒に勉強していきましょう!
さて今回はケニア政府が発表したデジタルID導入の取り組みについてまとめてみました。
デジタルIDの導入と目的
ケニア政府は、国内でのデジタルIDシステム「マイシャ・ナンバ」の導入を推進しています。
このシステムは、市民に対しサービスのアクセスを容易にし、また行政サービスのデジタル化を促進することを目的としています。
ケニアのウィリアム・ルト大統領は、2023年末までに全市民がデジタルIDによって認証されることを目指しており、2023年11月にはそのパイロットプロジェクトが開始されました。
新たなデジタルID制度は、先行する「フデュマ・ナンバ」とは異なり、市民のデータ保護を重視しており、政府は市民の個人情報が保護され、便利かつ公平にシステムを利用できるようにすることを約束しています。
これにより、ケニアは最大80%の政府サービスをオンラインで提供することを目指しています。
市民社会との協力
ケニアの市民社会は政府と協力し、デジタルIDに関する意識向上キャンペーンに重要な役割を果たしています。
両者は覚書(MoU)を締結し、デジタルID「マイシャ・ナンバ」のスムーズな展開のためのテンプレートを設定しました。
市民社会団体は、市民にデジタルIDプロジェクトの重要性を知らせるための啓発活動において、政府の努力を補完しています。
この連携は、プロジェクトの透明性を高め、すべての人々が、国籍や身分にかかわらず、デジタルIDシステムによって不当な差別を受けることなく、サービスを利用できるようにすることを目指しています。
デジタルID導入のリスクと機会
一方でデジタルIDは多くの機会をもたらしますがが、その導入にはリスクも伴います。
ケニアの高等裁判所は以前、データ保護法に違反するとして「フデュマ・ナンバー」を無効とし、新たなデジタルID導入にあたっては、市民の権利と自由に対する高リスクを伴うデータ処理についてデータ保護影響評価(DPIA)の実施を義務付けています。
デジタルIDの利点は、行政手続きの合理化、身元盗用のリスク軽減、データ精度の向上、金融サービスへのアクセス促進など多岐にわたります。
しかし、この新しいテクノロジーを取り入れるにあたっては、プライバシーとセキュリティの問題がまず課題となります。
データセキュリティの不備、不透明な情報使用、市民の同意なしでの政府による集中データの濫用、また接続性とアクセスの障壁に直面するマージナライズされた人々にとっての新たな障害といった懸念が指摘されています。
政府と民間セクターは、革新的なデジタル解決策が国民に信頼され、受け入れられるために、これらの懸念に対処するための対策を講じる必要があります。
記事参照元:
https://techpoint.africa/2023/10/30/kenya-to-get-digital-ids-by-december-2023/