大切にしているものはバレている

今年7月、大村は大変な豪雨になった。

初めて自坊は避難所にもなり、まさに、「眠れない夜」を過ごした。

そんな今回の豪雨の折、とてもうれしいことがあった。

これは今後さらに酷くなるぞという判断で、夫が子供に

「一階に水が来たらいけないから、大切なものを二階に上げておけ」

と子供にいったらしく、

「お母さん、お母さんがいつも大事にしとるあれ、

あれとあれば二階に上げとったけんね。」

と避難所の世話をしていた私に、次男が走ってきて言った。

「あれって何?」

「ほら下に置いとる写真と仏様のやつたい、大切とやろっ」

それはいつもリビングの出窓に置いている

亡き父の写真(子供から言えば会ったことのないおじいちゃん)と、

三つ折りにできるご本尊(阿弥陀さん)のことだった。

わたしは本当に感心してしまった・・・。

だって子どもにこれは大切しているんだよ、

という説明なんてしたことがなかったから‥‥。

そして、そんな風に思ってくれて心底よかったなぁ。と思った。

確かに大切にしていたが、大切にしとるとやろ?と言われたことで、

大切にしなきゃっ、と逆に教えてもらった・・・

というようなことが起きた。こういうことがあるので、子育ては面白い。

その後自分の大切なものも続々と持って上がっていたことも

判明した。ゲーム機とか・ゲーム機の充電とかタブレットとか・・・。

わたしが雷とか災害ですぐ心配してしまうのは電子機器や、通帳などだ、

実際のところ。でも子供にはそう思われていなかった。

大切にしているものは時間の流れの中で伝わっていくもの、かもしれない。

子供も大人になる。

おーとーなーになったら~わすーれちゃーうのーかな~♬ ?

今後お寺の坊守【BM】を盛り上げるための資金にいたします。