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発達障害児は宿題をどうやって終わらせてるの?

↑こちらの続きです。

息子が学校へ行けなくなってしまって、そのまま突入した夏休み。夏休みは学校の事なんて考えずに済みますし、楽しく過ごすことでメンタルの安定にもつながるし、とてもいい時期でした。まだ一年生ですから、夏休みの宿題もそこまで大変なものでは無かったのも幸いでした。

今回はそんな夏休みの宿題や日々の生活で、私が大切にしている工夫についてのお話。

発達障害(ASD ADHD)の息子にとって、興味の無い事に長く関わることは非常に困難です。短時間で区切りをつけることや、興味の無い事の後に、楽しみを持ってくることなどの、工夫が必要です。そして一番重要なことは、取り組む課題そのものに興味が沸くような関りをしていく必要があります。しかし、すべての事柄に興味を持つことは不可能です。

こうした日常生活の中での工夫は、何も発達障害の方たちへの特別な配慮ではありません。定型の人たちだって、同じ工夫でやる気がでたり、継続できたり、面白くなったりするものだと思います。定型の兄にも、発達障害の弟にも同じように関りを持って子育てしています。

定型の人には備わっている、
『特に興味なんてないけれど、しょうがないからやる』とか、
『嫌なことでも我慢して続ける』
などの部分が、発達障害(ASD ADHD )の息子には備わっていないため、備わっていないスキルを、本人のとてつもない努力と苦労の積み重ねで、習得していかなくてはなりません。時間もかかります。これからもずっと、継続して学んで行くことになると思います。

工夫次第で楽しくなるものを、工夫する手間を省いて、発達障害児に努力を強いてしまうと、その後に必ずしわ寄せが待っています。誰だって疲れた時には、弱い部分に負荷がかかりすぎてパンクしてしまうものです。

私が子どもの頃は『我慢してやりなさい』『これくらいの事は、誰だってできるだろう』『やってるうちに興味がわくから、とにかくやりなさい』そうやって教えられたものです。定型発達の世界観では、確かにそれでもできると思います。

確かに、ある程度それで出来はしましたが、私は不満だらけでした。『我慢してやった』学びが自分の為になったと思わなくては『我慢』が報われないからそう思い込むようにしているだけの事でした。『やってるうちに興味が沸いた』のは、やる前から興味がなんとなくあったものたちでした。『誰だってできる』事は私には難しいこともたくさんありました。未だにそれは変わっていません。

我が家で行っている、工夫の大筋はこんな感じです。

夏休みバージョン

➀興味のない夏休みの宿題をやり遂げるためのルールと工夫を、一緒に話し合う

私が勝手にルールを決めることはありません。話し合いの上、合意していなくては、努力を強いていることになりますから、疲弊してしまう原因になります。障害の有無には関係なく、兄弟ともにそれぞれ話し合います。宿題の計画と同時に、家族の予定やお出掛けのプランも話し合います。

②子どもを子ども扱いしない

大人はどうしても、子どもの能力を見誤ります。まずは、子ども本人のプランを先に聞いておいて、明らかに上手くいきそうもない点があれば、アドバイスをします。毎年やっていると、とても成長を感じることができます。成長している部分はしっかりと認め、一緒に喜びます。

③本人が決定権を持つ

最終的に宿題をやるのは本人ですから、どのようにやるのかの選択は本人がします。自分で決めたという事を繰り返していくと、自分の意思はどのような物なのかが見えてきます。たとえ小さい子どもであっても、意思を持っています。宿題だけでなく、日頃から様々な事について、できるだけ自分で決定していく癖をつけています。

④失敗をする

子どもが決めたプランには、ずいぶんと穴があるものですが、それをやる前から大人が穴埋めしておくのでは、子どもが自ら考え、自ら学ぶ事には繋がりません。長い夏休みは、むしろ失敗を多く経験できるチャンスと考えます。

⑤失敗を修正するための話し合いをする

どこをどうやって工夫していけば、ゲームクリアできるのか。一緒に考えます。

ここからが非常に重要なポイントとなります。これまでの工程の中で起きた事柄には注目してはいけません。失敗を経験し立ち上がる事に最も注目し、最も最高の好子(こうし*またこのステージに立ちたいと思えるような関り、声掛けなど)をどんどん与えていきます。

⑥失敗から学び、工夫しようとしていることを、誉めます

失敗は成功の基。HPが増え、レベルが上がっている事に注目していきます。失敗することを恐れたり、回避したりしてしまうと、今後の学びに悪影響を及ぼします。自分の中から、解決案を見出すステージに立つことが、どれほど今後の人生に役立つことになるのか、とても重要な部分で在ること。そしてそこに立つ勇気を持てたことへの賞賛を欠かしません。

恐らくここが最も重要だと思います。失敗して、まだ解決案が出ていない時が一番の誉め時、認め時です。結果ではなく、過程を誉め、チャレンジしようとすることを、良い方向へ向かっていると励まし、認めます。

⑦失敗の後のチャレンジ

本人にとって最も重要な学びの最中です。応援とサポートを忘れずに、共にゲームクリアを目指します。
協力が必用な場合は、『お願いします』『助けて下さい』と自分からヘルプ要請をしてもらいます。私は、事前に『手伝って欲しいことや、わからないことは、お母さんに相談しに来てね』と言っておきます。

⑧解放

夏休みの宿題は、学年が上るにつれ多くなります。息抜きや、その後の楽しみ、自由な時間もしっかり味わって、楽しい夏休みを過ごします。

子どもプランにはとっても面白い工夫がたくさん出てきます。

息抜きには、猫のモフモフタイムを入れるとか、かき氷を食べるとか、プールにいくとか、図書館にいくとか、バランスボールをやるとか、旅に出るとか。

宿題の進め方も、兄弟でそれぞれ、いろいろな事を考えてくれます。同じ科目の宿題を全部一気にやるとか。逆に一日の宿題で、すべて違う科目を1ページずつやるとか。ドリルの後に作品つくりを挟むとか。絵具を乾かしている間は休憩にするとか。

読書感想文は、猫のお話で書くとか、本田宗一郎の伝記にするとか、妖怪の話にするとか、マンガが付いてる本にするとか。

本人たちが、自分で楽しくなるように工夫していく姿に、時々私がやってきて『いいよいいよ!』『あ~!そういうところが輝いてるよ』『いい工夫ができてるよ』『自分から始めることができたね』『ここまでできたね』と、誉めることができれば、たいてい事はスムーズに進みます。

実際には、子ども達はサボりすぎて、私が鬼化し

『こぉらぁ~!!!自分で決めたことはちゃんと最後までやれぇ~!!』と怒っている日も多々あります。けれど、この『自分で決めた』はものすごい力を発揮するのです。『自分で決めた』は、納得しているということですから、母ちゃんの言いなりになってやらされてる。という感情は生まなくても済みます。それについては、親子でバトルする必要もありません。

なんで宿題やらなくちゃいけないんだ論は、毎年繰り返されていますがw

私が、実際にやることは
◆一緒に考えること
◆応援すること、ヘルプの要請があればサポートすること
◆脱線しすぎていたら戻すこと
◆失敗から学ぶために、失敗とその後に最も注目し、失敗しながら成長していくことを共有することです。

季節外れの夏休みネタw

間もなくやってくる、冬休みでも、春休みでも、我が家では毎年変わらずこんな感じです。

この関わり方を日々続けていますが、頭が良くなったり、成績が上がるなんてことはありません!自己卑下をするマインドから、自己肯定をできるようになる為の工夫です。

次回からは、己肯定感を育てるためのテクニックや考え方の工夫をご紹介したいと思います。

~To be continued~

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