S.W 2.5リプレイ『ヴァイス×シュヴァルツ』④

 前回からかなり間が空いてしまいました。申し訳ないという気持ちと、アイドルマスターシャイニーカラーズが楽しすぎるので許してほしいという気持ちの板挟みです。

魔の森にて②

~強敵登場~

 もう少しで森を抜けられる冒険者たちであったが、背後から何やら不穏な気配が……。

GM:それでは、冒険者たちが戦闘を終え、まさにもうすぐ森を抜けるぞといったところまでたどり着いたところ、背後から何やら気配を感じます。そのことに気が付くことができるか、〈危機感知判定〉を行っていただきましょう。
ナインチェ:(コロコロ)(成功する)「……!」(耳が伸びる)
シルフィ:(コロコロ)失敗ね。「ウサギさん、なにかあるの?」(カワイイわ……)
ツェペリ:(コロコロ)成功だ。「気をつけたまえ、邪悪な波紋エネルギーを感じるぞ」
ノーナ:(コロコロ)成功なの。「何か来るの……!」ククリを抜刀しつつ言うの。
アデル:(コロコロ)成功だな。「どうやらまだ目的地には着かせてもらえないようだ」
ずんだもん:(コロコロ)成功なのだ。「なんかいるのだ……?」
GM:それでは、冒険者たちは背後から迫る野盗の一味に気付き、臨戦態勢を取ることに成功します。ちなみに、過半数が失敗していたら、〈先制判定〉の値にマイナスの修正を加えようかなと思っていました。
アデル:先制が取れるかどうかは大事だからな。成功して良かったよ。……さて、敵は何体なんだ?
GM:まず、武器を持った野盗の下っ端が2人。これを下っ端A、Bとしようかな。後方に、ローブを被り、魔導士然とした野党の下っ端が2人。こっちは下っ端C、Dで。そして、明らかにガタイがいい野盗のリーダーが1人ですね。盤上に出しておこうかな。
E(ナインチェ):……ちょっと待って。野盗リーダーの立ち絵、小糸ちゃんじゃん。公式4コマの。
A(アデル):おい、GMだからって何してもいいと思うなよ。
F(ノーナ):GM権限というやつですね。職権を乱用していらっしゃる。
B(ツェペリ):シャニマス詳しくないんだけど、何?この子は野盗のリーダーの立ち絵に相応しい子なの?
GM:そんなわけないだろ(激怒)福丸小糸さんは真面目で努力家な女の子だぞ。書類偽造したりしてるけど。
D(シルフィ):立ち絵に設定した本人が良く言うわ。
GM:この福丸小糸さんはシャニマス公式4コマの第235話『反抗期?』にて、浅倉さんが想像した「先生に反抗したときの小糸さん」であって、福丸小糸さん本人じゃないからセーフだし、あくまで便宜上の立ち絵だから。
ずんだもん:「……なんでか分からないけど、とりあえず怒られそうなのだ」
GM:とにかく、戦闘ですよ、戦闘!〈魔物知識判定〉をお願いします。
シルフィ:まずA、Bが(コロコロ)10で、C、Dが(コロコロ)11ね。
ずんだもん:リーダーの方は、(コロコロ)16なのだ。
GM:どれも成功していますね。野盗の一味は全員人族なので、弱点は存在しません。データを公開しようかな。
ノーナ:確認するの。……ふむふむ。A、Bは普通に前衛で近接攻撃をするだけで、C、Bはちょっとした魔法を後衛から使ってくるって感じなの。下っ端は大したことないんだけど……リーダーが特殊能力の〈全力攻撃Ⅰ〉と〈痛恨激〉を持っているから、事故になりかねないの。これは先手を取られたらやばいかもしれないの。
E(ナインチェ):……あのさぁ。生息地、今まで「まのもり」って口頭で言われてたから「魔の森」だと思ってたけど、「真乃森」って書いてあるじゃん。
A(アデル):ほんとじゃん。何、鳩でもいるの?
GM:……タダの誤字なので。アイドルマスターシャイニーカラーズに登場する櫻木真乃さんには全く関係ありませんよ、ええ。ほら、〈先制判定〉してくださいよ!
ノーナ:……と、とにかく先制判定するの。(コロコロ)13は……目標値が11だから抜けてるの。とりあえず一安心と言えるの。
GM:それでは、野盗の一味との戦闘開始です!冒険者たちの行動からですね。
GM(野盗リーダー):「ぴゃーっぴゃっぴゃっ!有り金置いてくっぴゃ!」
E(ナインチェ):やっぱり意識してるじゃん。
A(アデル):いい加減にしてほしい。
C(ずんだもん):一回怒られた方がいいと思う。
ノーナ:「やばいの……やばい奴に絡まれたの……」
シルフィ:変な笑い方のくせに強者の気配ね。
アデル:「……勘弁してほしいものだ」
ずんだもん:気を取り直して、とりあえず僕から行動するのだ。〈フィールドプロテクション〉を全体にかけておくのだ。安心して殴られてくるのだ。
シルフィ:それなら私は、〈ストーンガード〉をHPが低いノーナに使っておくわ。一回しか発動しないけど、保険にはなるでしょう。
ノーナ:助かるの。それじゃあ、鼓咆を宣言して下っ端に挑発でも入れておくの。(コロコロ)命中判定の達成値は11なの。
GM:回避します。(コロコロ)ばっちり成功ですね。
ノーナ:むむむ、なの。一応魔晶石を砕いて〈ガゼルフット〉を使用しておくかしら。
アデル:じゃあ次は俺だ。〈魔力撃〉を宣言して野盗リーダーを攻撃する。(コロコロ)出目が5の、達成値は10だ。ちょっと低いな。
GM:回避します。(コロコロ)出目6の達成値10、成功ですね。
GM(野盗リーダー):「ヌルいっぴゃねぇ」
アデル:無性にムカつくな。
ずんだもん:「ぴゃってなんなのだ?変な口調なのだ」
ナインチェ:……(ずんだもんがそれ言うんだ、という顔)
GM(野盗下っ端):「おっと、やめといたほうが良いぜ。リーダーの口調を馬鹿にしたやつはみんな土のなかさ!」
GM(野盗リーダー):「冒険者がよぉ……」
アデル:「俺は放浪者ヴァグランツだ」
GM(野盗リーダー):「なんでもおなじっぴゃよ、獲物であることに変わりはないっぴゃ!」
ツェペリ:2人して攻撃を当てられないとは不甲斐ない。わたしがお手本を見せてあげよう。〈キャッツアイ〉を使ってから下っ端に攻撃しようかな。〈両手利き〉があるから二回攻撃できる。
GM:(コロコロ)…うーん、一撃は喰らってしまいますね。避けきれなかったか。
ツェペリ:二発当てたいところではあったな。だが、まだ〈追加攻撃〉もあるぞい。
GM:(コロコロ)これも避けきれません。だいぶ消耗してはいますが、下っ端はまだ元気ですね。最後はナインチェさんの行動かな?
ナインチェ:……(〈リープスラッシュ〉をリーダーに行使する)(コロコロ)
GM:いい出目ですね。抵抗は抜けています。
シルフィ:なかなかやるわね。「へぇ、ウサギさんはソーサラーだったんだ」
アデル:はじめて魔法を使ったな。
ノーナ:タビットは魔法適正が高くて羨ましいの。私には何故かMPがないかしら。
GM:MPって必要ないらしいです。
アデル:なんか戯言が聞こえた気がするな。ほら、敵のターンだぞ。

 敵のターンが回ってきたが、近接攻撃を前衛陣は危なげなく回避。後衛のナインチェを除く二人が多少魔法によるダメージを受けただけだった。

ツェペリ:こちらの手番だな。わたしから行動させてもらおう。下っ端Bに攻撃だ。「波紋の力をこめた拳を喰らえい!山吹き色の波紋疾走ッ!」(コロコロ)
GM:ツェペリさんが一度命中判定で1ゾロを出しましたが…それ以外は追加攻撃も合わせて二回のヒットですね。Bの方も残りHPは僅か、といった感じです。
アデル:次は俺が行動しよう。下っ端Aに攻撃をする。(コロコロ)お、当たった上に回転だ!
GM(下っ端A):「ぐええ。」アデルさんの痛烈な一撃により、たまらずダウンですね。下っ端Aは行動不能です。
アデル:「まずは一人……」
GM(野盗リーダー):「よくもぴゃーの部下を……!」
ノーナ:野盗のくせに仲間意識があるとは生意気なの。一人称も変だし……早く全員仲間のところに送ってあげるとするかしら。
アデル:たかが賊だ、焦ることはない。確実に倒していこう。
ノーナ:私は残った前衛の下っ端に挑発を入れておくかしら。(コロコロ)成功なの。「この程度も避けられないなんて、野盗の名が聞いて呆れるの~」
GM(下っ端B):「クソっ!?おちょくりやがって、お前から倒してやる!」
ノーナ:鼓咆も更新しておくの。次の人、行動どうぞなの。

 シルフィ、ずんだもんの二人が行動し、ナインチェの手番がやってきた。当然、仲間たちは彼女が魔法を使用するものだと思っていたが……

ずんだもん:あれ?ウサギさんが前衛に出て行っちゃったのだ。
アデル:どうしたんだ?近接攻撃の対象にされかねないし、危ないぞ。
ナインチェ:……!ボーーー!!!(放射音)
ナインチェ以外の五人:!?!?!?
シルフィ:肩から火!?
ノーナ:「な、何なの、あれは……」
ずんだもん:「どういうことなのだ……????」
ツェペリ:「な、なんだその珍妙な技は!」
アデル:魔神化能力か……!
GM:その通り。〈魔神化血清〉というアイテムを使用したことがあるキャラクターは、魔神化能力というものを身に付けるのですが……ナインチェさんの得た能力は〈炎の噴出〉。身体にふいごのような器官ができ、そこから炎を噴き出して攻撃することができる、というものです。
ノーナ:「ま、まあ敵は苦しんでいるし、この際いいの」
シルフィ:よくないわよ。
アデル:「よく見ておけ。お前達もこうなるかもしれないからな」
ノーナ:「ふふん!まさかそんな筈はないの。淑女にそんな姿は似合わないの」
ツェペリ:「それは恐ろしいな……しかしッ!」「『恐怖』を支配した時!呼吸は規則正しくみだれないッ!波紋法の呼吸は『勇気』の産物!!」
ずんだもん:「肩から炎…なるほど、噂には聞いていたけど、実際に目にすると凄い光景なのだ」
シルフィ:「オフショルダーの服に着替えておこうかしら」
ナインチェ:……(泣)
GM(野盗リーダー):「こいつ……ばけものっぴゃ……」
GM:それでは、野盗の一味の手番ですね。野盗リーダーは〈全力攻撃Ⅰ〉を宣言してノーナさんを攻撃します。
ノーナ:(コロコロ)回避成功、なの。
GM:やりますね。下っ端Bも〈挑発攻撃Ⅰ〉を受けているため、同じくノーナさんに攻撃を行います。
ノーナ:(コロコロ)またもや回避成功、なの!
ツェペリ:「なんというスピード!波紋の力を用いてもあそこまでの速度は出まい」
ノーナ:「これが私の真骨頂なの!」
ずんだもん:頼もしいのだ。ちょっと見ててドキドキするけど。
GM:それでは、後衛にいる、先程ナインチェさんの炎で攻撃された下っ端が魔法を使い、ナインチェさんを攻撃します。
GM(下っ端C):「ヒィッ化け物ッ!!」
シルフィ:「化け物とは失礼ね!カワイイでしょ!」
ツェペリ:「カワイイ……?」「やれやれだぜ」
ずんだもん:なんか、世代が違うセリフな気がするのだ。なんでか分かんないけど。
ナインチェ:……(ちょっと痛い、という顔)
ずんだもん:敵の行動が終わったから、僕たちの手番なのだ。さっきダメージを受けたウサギさんを回復しておくのだ。(コロコロ)ばっちり成功なのだ。
ナインチェ:……!(痛くなくなった、という顔)
アデル:そうだな、”同類”がいることも分かったし、隠す必要もないだろう。俺も魔神化能力の、〈魔神の咆哮〉を使用する。同じ乱戦エリアにいる仲間の命中力と打撃点が増加するぞ。
ノーナ:2人目なの!?……でも、さっきよりは視覚的なインパクトが低いから、あんまり驚かないの。
ツェペリ:魔神化というのは意外と身近なものだったりするのか。
ナインチェ:……!(親近感を覚える)
アデル:ヴァイスシティじゃ普通のことだ。いちいち驚いていては身が持たないぞ。……さて、残った下っ端Bに攻撃だ。(コロコロ)
GM:(コロコロ)……おっ、6ゾロ。回避自動成功ですね。
アデル:……なんか俺の時だけGMの出目が良くないか?
GM:たまたまですよ、たまたま。

 その後、ナインチェの〈魔法拡大/数〉によって野盗全員を対象にした妖精魔法と、ノーナとツェペリの攻撃により、残すはリーダーのみとなった。

ナインチェ:……(MP枯渇によって耳がしおれる)
ノーナ:「トドメは頂いたの」ククリで下っ端Bをずんばらりん、なの。
GM(野盗リーダー):「全く……ぴゃーがいないとダメダメなんだっぴゃから!」
アデル:「もうお前だけになってしまったな」
シルフィ:「あとはぴ……あなただけよ!」
ノーナ:「ナインチェはいい仕事をしたの」「でも、前衛に出てくるなんて……もう少し命を大事にしてくれると有り難いのだけど」
ずんだもん:「野盗倒すの気持ちよすぎなのだ!」
GM:ちょっとは強敵らしいところを見せたいところ。ここはノーナさんに攻撃をしましょう。(コロコロ)
ノーナ:(コロコロ)回避成功なの。
アデル:なかなか振るわないな。
ツェペリ:現実は非情である。
ノーナ:というか回避できなかったらワンパンされるかしら。
ずんだもん:ノーダメかワンパンか、後ろで見てる分には怖すぎるのだ。
GM:ま、まだまだ……こっから全部回避すればまだ勝てるんで。

 GMの発言もむなしく、残り一人となった野盗リーダーは冒険者たちに袋叩きにされてしまった。

シルフィ:「これでトドメよ!」
GM(野盗リーダー):「ぜ……全然よゆーじゃ……なかった……っぴゃ」(ばたり)
シルフィ:ふぅ……なかなか手強いぴゃーだったわね。
ノーナ:全くなの。ぴゃーの出目次第で人死が出てもおかしくなかったの。
ツェペリ:強敵じゃった。戦利品は銅貨袋(50G)が3つじゃったぞ。なかなか割にあわんわい。
ナインチェ:キュ……(汗をぬぐう)
ずんだもん:……一つ思った事があるのだ。
アデル:どうした?神官殿。
ずんだもん:……この盗賊を売れば更にお金がもらえるのでは?
シルフィ:やめなさい。
ノーナ:神官にしては邪悪すぎる発想かしら。
ずんだもん:思いついただけで、やるとは言っていないのだ。
アデル:まぁ、ヴァイスシティでなら売ることもできるだろうな。
ずんだもん:ふーん……?
アデル:ただ、そこまで運ぶ労力と、この賊どもの値段が釣り合うかは分からんがな。
ノーナ:じゃあ置いていくの。淑女は重いものは持てないの。
シルフィ:流石に許可できないわね……
ツェペリ:わたしは人の道を外れるつもりはないぞ。
GM:(なんか話がよくない方向に行ってるな……)
GM(野盗リーダー):「逃げるっぴゃ~!覚えとくっぴゃよ!」
GM:えー。皆さんがそのような話をしていると、野盗の一味は捨て台詞を残して逃走していきました。
ずんだもん:チッ……まぁ逃げちゃったんならしょうがないのだ。
アデル:逃げたか。
シルフィ:逃げ足のはやいやつね。
ナインチェ:……(残念そうな顔をする)
ノーナ:「一汗かいちゃったの…お風呂に入りたいの~…」
アデル:もう日も完全に落ちる。早く森を抜けて、この先の町で宿を取るとしよう。
GM:それでは、皆さんが急ぎ足で進むと、1時間もしないうちに森を抜け、町に到着するでしょう。……ということで、まずは導入シナリオの前半が終了です!
ツェペリ:ひとまずはお疲れ様、じゃな。
アデル:さて。シナリオが終わった後も、やることがある。
GM:そうですね。経験点の入手と、成長を行うことができます。今回は1人当たり経験点を1680点と、成長を2回行ってもらおうかな。
シルフィ:経験点は技能のレベルを上げるために使うのよね。成長っていうのは?
ノーナ:器用や敏捷といった、能力値を上げることができるの。2d6を振って、出た出目に対応した能力値を選んで上げることができるかしら。例えば、1と6の出目が出たら、器用と精神力から選ぶことができるの。
ナインチェ:……(コロコロ)……(知力を選んだ)
アデル:これから自分に何の能力が必要になってくるか考えながら選ぶといい。出目によっては選べないこともあるがな。
GM:分からないことがあれば気軽にどうぞ。……それでは、皆さんお疲れ様でした。少しの経験点ではありますが、皆さんがどう割り振るのか楽しみにしておきます。また次回お会いしましょう。
一同:お疲れ様でしたー。

 強敵との戦いに難なく白星を挙げた冒険者たち。これからの冒険も、順風満帆に進むのか。次回、導入後編から始めます。

本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA

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