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バンドマン

終わりの薔薇が降る頃に
僕は何をみているのだろうか。

希望を捨てた僕に地球は僕を捨てて
熱く輝く
溶ける夏が嫌なほど輝いて
ヌルい風が吹く
地球ごと溶けてしまえば
人間が絶滅出来るというのに
意地悪く生きている。

目を伏せて笑いたい
あのステージに立っている
少女は誰なのか
ギターを抱えて歌っている
過激な歌詞でバンドマンしている

あの子は僕じゃない

僕には負えない負担で輝いている。
この世界で一番輝いている。

声出さなくても枯れる僕は
少女になって歌えない。

風を操って僕を綺麗に見せて。
モニターに映る人間に人間が
惚れてゆく

わざと笑うあの子はきっと悪い子だ。

僕は良い子だから、
輝きが膨張しないよう冷やしてあげる
綺麗な君を無視して去ってゆくマイクを通した声すら聞こえないように。

ずるいんだ、あの子は。

僕に薔薇が降る確率は低いけど
どうか降ってくれ 
誰もみていなくていいからさ。

あの子に降る薔薇は何色だろうか
きっとあの子は赤で、僕は黒。

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