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働き方改革につなげ、家庭とつながる学級通信のあり方

 学級通信は、学級の様子を伝えるうえで有効なツールである。コロナ渦において、参観行事が制限される状況では、特に効果が高い。しかし、学級通信を作成するには、時間がかかる。通信を作成する多くの教員が、業務の合間を縫って作成するだけでは足らず、規定時間外に作成しているのが現状である。その結果、写真多用、過去の通信の使いまわし、日刊から週刊、週刊から隔週、月刊・休刊など、通信を作る時間法に追われることになる。
 これは、様々な業務にプラスして「学級通信づくり」という作業が加わっているから起こる問題である。そこで、私は、学級通信をつくることで、これまで行っていた様々な仕事が解消され、仕事そのものの時間が短縮されるような通信を設計し、実施した。

① 一週間の学習予定を載せる。
 児童が時間割を連絡帳に写す時間がなくなり、その時間に漢字練習の時間を充てた。そのため、国語の時間の漢字指導が必要なくなり、単元内容に集中して取り組むことができるようになった。特別支援学級との時間の調整も必要なくなり、自閉傾向の児童も見通しを持って来られるようになった。教科だけでなく、学習内容も書くことで、指導週案としても機能するので、二つの作業を一つの時間にまとめることができた。

② 一週間分の宿題を答え付きで載せる。
 1週間分の時間割と宿題が書いてあるので、休みの児童がいてもその児童に対して、時間割を書く時間やお届けの手配が必要無くなった。漢字や計算の苦手な児童も最後までしてこられるようになり、宿題忘れが、ほぼ無くなった。そのため、学校で宿題の支援を行う必要がなくなっている。家庭でも、保護者の支援がなくてできるようになり、家庭でもこれまではできないと言ってなかなかしなかった児童が、見通しを持って自ら取り組む姿が見られるようになったと言う喜びの声も聞かれるようになった。

③ 休みの2日前(基本木曜日)に発行する。
 休みの2日前に発行することで、発行日に休みの児童がいても、翌日登校すれば手渡すことができる。これだけでも、ポスティングの回数が大幅に減った。次週の予定が全て分かるので、事前に用意すべきものが、休みの前に把握できる。

④ 2部ずつ配る。
 携帯用と家庭保管用(保護者用)を用意することで、児童だけでなく保護者も1週間先の予定を把握し、持ち物等の用意ができる。また片方紛失しても2部あることで対応ができる。さらに10部ほど予備で教室に置いてあるので、紛失したため再発行のための時間を取られることもない。

⑤ 目で見てチェックする指導。
 4月当初、準備物の恐れが非常に多く、授業が成立しないこともあったそのため、学校に行く準備の力を高める必要があった。そこで、学級通信の使い方として「目で見てチェック」を推進した。遠足では、持ち物表を見ながら行く準備をしているので、忘れ物をする人は滅多にいない。それを通信の時間割を見てするのである。必要なものがカバンの中にあるのを目で見て確認したら、通信の時間割欄にチェック(☑︎)を入れる。これにより、忘れ物をする児童が大幅に減り、その対応に追われることが無くなった。

⑥ 通信をもとにした、家庭との連携
 家庭で用意してもらうものも、土日を挟んでゆとりを持って用意ができる。今児童が何を勉強してるかもわかる。宿題の支援が軽減される。など、通信をもとに家庭での負担も軽減されるため、懇談などで、通信が役に立っていると言う声が多く聞かれた。

⑦ 通信を作成する時間、事務作業時間の軽減
 通信はExcelを使って作成しているので、時間割の場所を集計することで時数計算もできるように設定してある。月末に学校の出している時間と合わないなどで手間取ることもない。また、雛形ができているので、通信を作成する時間も軽減された時間の中で十分に取れており、現在では、規定の就業時間内でおおよその仕事を終えられるようになった。

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