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あれ?そもそも西都市の強み・特徴ってなんだっけ?(西都市移住・定住支援業務)_R6.5月活動レポート

西都市の移住・定住相談窓口(はじめる相談窓口)を担当しております山口です。

西都市は「はじめるまち、西都市」というキャッチコピーの元、移住検討者からのご相談をワンストップで受けられるよう設置した移住・定住相談窓口“はじめる相談窓口”。
現在は、西都市に根付いたまちづくり会社として、私たち一般社団法人まちづくり西都KOKOKARAで運営をさせていただいております。

本マガジンでは、はじめる相談窓口業務や、移住・定住にかかわる業務に関する活動を毎月レポートしていきます。

本記事の前半は活動報告ですが、後半はもっと相談件数を増やすためにどうすればいいか、ということが書いてあります。なので、記事後半の方が面白いかもしれません…笑
移住・定住支援業務にあたってらっしゃるみなさんといつか議論してみたいなー。


令和6年5月移住・定住支援活動報告

  1. はじめる相談窓口業務

  2. 子育て世帯住宅取得助成金の周知

  3. 移住に関する情報発信(Instagram)

  4. 空き家バンクの運営

はじめる相談窓口業務と助成金の周知

令和6年5月の相談件数は16名。前月と比べ減少傾向。

…ではありますが、5月は「子育て世帯住宅取得助成金」の周知のためにInstagram広告の運用を開始しました!

使用している広告クリエイティブ

5月終了時点で45,244インプレッション。そしてなんと、早速当該LPから1件問い合わせが入りました!
こちらに関しては引き続き、広告のクリエイティブを改善しながら、周知を続けていきます。

移住に関する情報発信(Instagram)

西都はじめるPROJECT 公式Instagram

移住に関する情報発信に関しては、KOKOKARAオリジナルコンテンツ「はじめるVoice」を運用しています!
ちなみに、「はじめるVoice」は以下の考えで発信をしています。

移住を検討・考え始めている人たちに、「自分が今までしたかった〇〇も西都へ移住したらできるかも?」というプラスイメージを持ってもらいたい。

弊社「はじめるVoice」戦略より引用

方向性や考え方の詳細に関しては、シティプロモーションの活動報告で詳しく書きますので、気になる方は是非チェックしてみてくださいね。

そんな「はじめるVoice」ですが、5月は2件投稿!

今後も西都市の魅力的な「はじめた人たち」を取材して発信していきますので、ぜひチェック&フォローをお願いしますね^^

空き家バンクの運営

AIに「理想的な古民家暮らしをする家族」を画像化してもらったら、
ちょんまげスーツ子連れパパが生成されました。笑

空き家バンクに関しては、地域おこし協力隊の飯塚さんにご協力をいただいています。
5月は新規登録物件は0件でしたが、ご相談に関しては計19件のご相談。
その内訳は、物件利用のご相談が6件、物件登録のご相談が13件ありました。

今一度、移住に関して考えてみる。

現状、定期的なご相談はあるものの、もっと件数を伸ばしていきたいというのが本音です。
そこで5月は、今一度「西都市への移住」に関して立ち止まって考えてみることにしました。

立ち止まって考えてみる。

何か今って、割とどこも「移住促進!」「定住支援!」ってやっているじゃないですか。確かにまちの維持、自治体の維持のためには必要なコトだと思うんです。

でも、どこか奪い合いのような気がしていて、「ふうむ…」と思うこともあって。
そんな時に、新潟県を中心に移住支援業をやられている「きら星株式会社」代表で、「Forbes JAPAN」の「100通りの世界を救う希望 NEXT100」にも選出された伊藤綾さんとお話しする機会があり、西都市の移住・定住相談担当としてハッとさせられたんです。

そのときにおっしゃられたのが「まちの特徴によって、移住のカタチも異なる」ということ。
例えば、都市圏からの交通網が整っている地域の場合はリモートワークで転職なき移住が選ばれたり、地場産業が強い地域の場合は地元の企業に転職したいという人が多かったり、農業が盛んな地域の場合は、「就農したい」であったり、就農まではいかずとも一軒家の庭で家庭菜園・農園をしながらゆったり過ごしたいという人が多かったり、とか。

そう考えると、「減っている人口の奪い合い」ではなく、「移住検討者に合わせたライフスタイルを、西都市が提示できるか、マッチングできるか」ということをやらくてはいけない、ということですよね。

そうなったときに、改めて「西都市の特徴って何なんだろう」ということを考えなくてはいけないな、となったわけです。

西都市ってどんなまち?を調べる。

そういうわけで、色々とデータをあさって調べました。
活用したのは「地域経済分析システム“RESAS”」。

RESASって超便利。

ほんっとうに色々と調べたのですが、データをすべて出すと長くなるので、西都市が突出していた部分のみピックアップしていきます。

マジで色々調べた、比較した。

産業構造で見る西都市

全産業の産業構造を見てみたのですが、宮崎県や他の自治体と比べて、大きな特徴はなさそうでした。

西都市の全産業の産業構造(企業数)

しいて言うと、農業、林業のうち農業の割合が、宮崎県全体と比べて多い…かな、というくらい(西都:2.66% VS 宮崎県:1.91%)。

そこで、農業に一縷の望みをかけ、農業構造を見てみることにしました。

農業構造で見る西都市

まずは西都市の農業構造から。

西都市の農業構造

野菜が農業産出額の半分以上を占め、その額は約1,004千円。
これを、宮崎県や他自治体と比較してみます。他自治体は、西都市より人口ランキングが西都市より1つ上位の小林市(約4.3万人)と比較する。

宮崎県の農業構造
小林市の農業構造

宮崎県全体で多いのは肉用牛やブロイラー。そりゃそうか、宮崎牛とか地鶏がありますもんね。

小林市においても肉用牛が多く、次いで野菜という結果。
農業全体の産出額に関しては西都市1,750千円V.S.小林市3,238千円と、大きく差が開いているものの、野菜の産出額のみで見ると西都市1,004千円V.S.小林市699千円と、西都市が勝っているではありませんか!

西都市、野菜が勝ち筋かもしれん。
というわけで、宮崎県の野菜産出額をヒートマップで見てみます。

赤は産出額33億以上の自治体
宮崎県野菜産出額上位5自治体

宮崎県市町村別の野菜産出額を見てみると、西都市は100億円で宮崎市の170億円に次いで県内第2位の産出額で、宮崎県全体の野菜産出額の15%を占めているんです!
ちなみに宮崎市と西都市を合わせると宮崎県全体の40.85%を占めることになります。
九州で見ても、野菜の生産額が100億円を超えているのは、熊本市(242億円)、八代市(236億円)、宮崎市(170億円)、久留米市(123億円)、雲仙市(117億円)、西都市(100億円)となっています。
(こう見ると熊本県、えげつないですね。ちなみに熊本市と八代市は野菜の産出額全国上位5位に入る程。)

このことから、上には上がいるものの「野菜生産」という視点でいうと、比較的強いまちなのではないか、ということが言えるのではないでしょうか。

農業経営者の高齢化率

農業について、もう少し西都市の強みはないものかといろいろ調べてみたところ、「農業経営者の高齢化率」に特徴がありそうでした。
高齢化率とは、65歳以上の割合のことです。実際のヒートマップを見てみましょう。

九州本土の「農業経営者の高齢化率ヒートマップ」赤が高い、黄色が低い。
県内上位5自治体の農業経営者高齢化率

西都市は50.31%と、県内では西米良村の50.00%に次ぐ2番目の高齢化率の低さとなっています。
九州まで視野を広げると、ちょこちょこ50%を切っている市町村がありますが、野菜の生産額が100億円以上の自治体の中では、雲仙市(48.88%)に継ぐ2番目の高齢化率の低さとなっています。九州で見ても、比較的若い農業経営者が多いと言えそうですね。

西都市の移住アセットは?

西都市のアセットとは?西都市はどんなまち?

今回調べたデータで言うと、

  • 農業、その中でも野菜が強いのまち

  • 若い農業経営者が頑張っているまち

ということが言えそうですね。

西都市で暮らしていて、確かに畑は多いですし、若い農家さんと接することも多いように思います。

今回はあくまでもデータの話。
今後は、今回調査した内容を実際に一次情報で確認をしながら、西都市の移住相談のターゲットのブラッシュアップと、それを元にしたコンテンツの作りこみ・周知徹底などの行動に落とし込み、相談件数の増加につなげていこうと思います。

余談です。

ここまで、人口密度とか、森林面積とか、いろいろと調べたのですが、西都市はベスト・ワーストともにナンバー1になかなかなれないまちでして…
ベストでもワーストでも、何か数値がとびぬけていれば、強みを作りやすいのですが。

この西都市の状況をみて、昔、広島県が打ち出していた「おしい!広島県」の自虐的プロモーションを思い出したのと同時に、西都出身の人がよく口にする「西都は古墳しかないから」という自虐的なフレーズも、もしかしたらここからきているのかもしれない、と感じました。

逆に言うと、そこが強みになるのかも?

一般社団法人まちづくり西都KOKOKARA
西都市移住・定住支援事業
プロジェクトマネージャー 山口 雄大


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