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アルバムに残したい季節のシーンと出合える西都(西都市観光コンテンツ開発事業業務委託)_R6.6月活動レポート

こんにちは!まちづくり西都KOKOKARAの田上です。
先月は、2回の募集説明会を終え、最終的に11組のこれから観光コンテンツを開発していく事業者さん(以下、事業者)の参加が決まりました!
6月は、これからの7カ月間、KOKOKARAと事業者の二人三脚で走り抜けるチームとして、良いスタートを切るためのオリエンテーションを実施しました。
この活動報告は、主に6月25日に実施したオリエンテーションの内容を記録していきます。


西都市 商工観光課のご挨拶

西都市 商工観光課 観光戦略係の名島係長からご挨拶を頂きました。
名島係長は、昨年度策定された「西都市観光マーケティング調査」で指摘されている、西都原古墳群に併設されている西都原ガイダンスセンターの顧客満足度が低いことなどを理由に、観光客に対する西都市のおもてなしが上手く機能していない課題に言及されました。
観光客へのおもてなしを充実させ、西都を観光で盛り上げるためには、西都市がすでに着手している西都原ガイダンスセンターの改修工事と併せて、本プログラムにおける体験コンテンツの開発及び、地元の魅力を活かした地域産品の開発(Re:Lightプロジェクト)が急務です。今年度、これらを推進することによって本市の観光の魅力がより高まるよう、本プログラムに集まって下さった事業者の皆さんへの感謝と共に、激励のご挨拶をいただいました。

西都市 商工観光課 ご挨拶

初回オリエンテーションについて

オリエンテーションの目的とゴール

6月25日(火)10:00~12:00に実施したオリエンテーション。(以下、オリエン)
今後、全員が集まる機会は、7月と9月の2回のセミナーしかありません。オリエンを終えると基本的に事業者とKOKOKARAの伴走担当者の個々の二人三脚になっていくため、当オリエンは、とても大事な位置づけでした。

◆目的
事業者の皆さんとKOKOKARAが同じ方向を向いて開発を進められる状態になっていること

◆ゴール
ーKOKOKARAも事業者も全員が観光開発のスローガンを理解し、具体的なイメージを想像し共有できている状態になる
ー伴走スタッフと各事業者が安心して話し合える状態になってる
ー事業者間で気兼ねなく情報交換できる状態になっている

なぜ西都市は観光客に選ばれないの?

オリエンの冒頭で、「西都市観光マーケティング調査」内容を引用し、宮崎県自体も観光入込数が全国でかなり低い位置にいる理由を例に、西都市が観光地として選ばれない因果関係を共有しました。
生活者は、旅先を選ぶ際に、地域の中で過ごしている自分の姿や何が体験できるかをイメージした上で、旅先を選定しています。そのため、地域を訪れて過ごしている具体的な自分の姿が浮かばないことには、選択肢にすら挙がらないのです

西都市はどうでしょうか?
西都原古墳群で花を見物する以外の過ごし方を、西都市外の生活者は想像できているのでしょうか?
宮崎県内でよく聞く声は、西都と言えば「西都原くらいしか…」「古墳…」「入船にうなぎを食べに行く」のように、キーワードは出てきますが、『西都でこう過ごせる』のイメージが弱いのが現在地です。
そのため、選ばれる地域になるための最初の目標を『生活者が西都で過ごす具体的なイメージを持てる状態になること』とした上で、事業者と創る観光コンテンツは、生活者(観光客)に対する過ごし方の提案です。当プログラムでは、過ごし方の提案により、旅の目的地になるよう西都の観光を育てていきます。

では、西都は、誰にとってどんな過ごし方ができる街になるとよいのでしょうか?
老若男女全方位の観光客を取り込みたいというのは、正直、無理です。(京都のような観光地であれば別ですが)西都は、誰彼構わず何百万人もの観光客が集まるような映える観光資源を有していないし、呼び込めたとしても受け入れのキャパもないため、大量の物見雄山客を求めているわけではありません。オーバーツーリズムは誰も望んでいません。
そのため、当プログラムは、ただ観光客の入込数を増やすのではなく、西都に何度も通ってくれる誰かにとっての特別な場所となりうる、質が高く濃くて深い関係を築くための観光を作っていきます。
そこで、大事になるのが誰か(ターゲット)です。
ここで再度、「西都市観光マーケティング調査」に戻ると、1年をかけて策定された3方向のターゲットがあります。

西都市の観光ターゲット

この3方向のターゲットの中で、当プログラムでアプローチするのは、すでに本市に何度も訪れており、今後も長期的なリピート訪問が望めるファミリー層です。
これまで、「西都原にコスモスでも見に行く?」となっていたのが、これからは「今週、どこ行く?西都は?」と、週末のお出掛けの選択肢に最初に挙がるように、以下のようにコンテンツ開発の視点を全員で揃えました。

観光コンテンツ開発の視点

世界観を統一する観光のスローガン

西都が選ばれる街になるために必要な考え方や、誰に向けてどんな役割の観光地になるのかを考えるうえで、新たに1つのスローガンを生み出しました。

これは、西都を訪れる観光客が季節の花を楽しみ、花見など季節らしい時間の過ごし方をしていることから『西都×季節』の相性の良さと、特にターゲットとする未就学児・低学年の子どもを育てる家庭では、子どもが小さい頃に季節の体験をさせてあげたい、家族で思い出を残したいというが強いことから『家族×季節の思い出』を繫げて、スローガンに活かしました。
今後、このスローガンで一本軸を通して、観光コンテンツを作っていきます。

グループワーク) 理想の未来像の共有

オリエンの後半は、2つのワークを中心に進めました。
1つ目は、これから伴走するKOKOKARAの担当スタッフごとに3つのグループでのグループワークです。ワークは、「西都がアルバムに残したい季節のシーンと出合えるまちとしてブランディングに成功し、多くのファミリーが西都を訪れるようになった時、どんな理想の未来が待っているか」を具体的にイメージして絵コンテにすること。
まずは、グループ内で2つの項目を話し合ったあとで、最大6枚の絵コンテを作ってもらいました。

◆グループディスカッションの内容
1.西都のブランディングが成功すると、まちはどのような理想の状態になりそうか?
2.各事業者のコンテンツは、その理想を実現にどのように繋げられるか?

3つのグループで絵コンテを書いたあとは、グループごとに発表をしてもらいました。
事業者からは、「西都原古墳群のハイシーズンだけでなく、1年を通して西都で季節の体験ができるようになると、花のハイシーズンに関わらず西都を訪れてもらう機会が増える!」「自分だけでは、冬の体験しかできないが、事業者同士で連携することで1年を通して何かしら提供できる」など、11組の事業者と横の繋がりが作れるからこそ可能性が生まれる未来を描き表現してくれました。

理想の未来を描く絵コンテづくり

個人ワーク)コンテンツプラニングの準備

オリエン終了後はKOKOKARA担当者の伴走支援に移ります。事業者の皆さんにはワークシートを用意し、ワークシートを使いながらSTEP1~4の流れに沿って論理立ててコンテンツを形にする流れになっています。このステップで進めることで、必ず顧客視点からスタートして体系的に考えをまとめていけるものになっています。
オリエンの時間では、ステップ1~2のみ個人ワークとして取り組み、個人ワーク後はグループ内で生活者がどんなことを考えているか、求めているかをグループで話し合いました。

コンテンツ開発のステップ

また、ワークシートの目的は他にもあります。
◆事業者自身の思考を視覚化できることで、感覚的な開発に陥らない
◆伴走支援が離れた後も、事業者自身で開発を進める際に考え方の再現性を高められる
◆見える化により伴走スタッフ間でも事業者の抱える課題やコンテンツの価値を情報の漏れなく共有し合うことができ、1対1のサポートでなく3名の伴走スタッフの知恵と知識を合わせたより良いアイデアやアドバイスが生まれる
そして、頑張った形が残ることで皆さんがお客さんのことを考え抜いてコンテンツを作ったという自信にも繋がります。

観光コンテンツ開発ワークシート

これは、私が作成した、ワークシートのサンプルです。
ページ0として、観光コンテンツ開発プログラムを通して実現したい、事業者/個人ベースのゴール・目標描くシートがあります。西都市やKOKOKARAの目標は、西都の観光を盛り上げることですが、当プログラムに参加している事業者には、個々にプログラムを通して実現したいゴールあるはずです。今後「実現難しそうだな…」とアイデアが頓挫しそうになった時、コンテンツがブレそうな時はいつでも目的に立ち返るためにあるシートです。

観光コンテンツ開発ワークシート

このような形で、まずは事業者自身でワークシートを使ってコンテンツを考えてもらうことを宿題とします。一度ご自身で考えてもらった内容をもって、これからKOKOKARAの伴走スタッフと面談に入り、7/30の第1回セミナーまでにはそれぞれの観光コンテンツver.1ができている流れになっています。

観光コンテンツ開発ワークシート

その他

オリエンの参加者:6月25日(火)10:00-12:00 参加者11名
ランチ交流会の参加者:6月25日(火)12:30-13:30 参加者5名

今後のスケジュール

◆7月5日(金)~7月17日(水)
 -伴走担当者との面談1~2回(全事象者対象) 

◆7月29日(月)~8月1日(木)
 -株式会社ガルテン 第1回視察(8事業者対象)

◆7月30日(火)15:00-17:00 @妻地区公民館
 -第1回セミナー「若者・子育て世代向けのコンテンツ開発」

◆8月7日(水)@オンライン
 -株式会社ガルテン オンラインアドバイス会

◆9月3日(火)~4日(水) 
-株式会社ガルテン 第2回視察(3事業者対象)

◆9月3日(火)15:00-17:00 @西都市役所北棟3階会議室
 -第2回セミナー「若者・子育て世代向けの情報発信(仮)」

参考

オリエン及びワークシートの組み立てについては、以下を参考にしています。
岩崎邦彦,  地域引力を生み出す観光ブランドの教科書,  日本経済新聞出版 , 2019年
三澤直加,  ビジュアル思考大全,   翔泳社,   2021年


一般社団法人まちづくり西都KOKOKARA
観光コンテンツ開発事業 プロジェクトマネージャー
田上 沙慧美


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