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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。⑮~社畜の謎に迫る2~

勤務形態と健康オタクだということしかお話していない前回でしたが、今回も健康、特に睡眠と食事に特化したお話になります。まずは、睡眠といえば”体内時計”についてご存じですか?

体内時計とは、概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する。

体内時計 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

この時計は、目覚まし時計のスヌーズ機能のような2段階形式をとっています。最初に、朝日のような”光を浴びる”とメラトニンという分泌が止まることで眠りからリセットされます。更に、朝食のような”食事をする”ことで分泌されるインスリンなどを一定値に抑制するため臓器が、身体が活動状態になります。一方、朝抑制されたメラトニンは、14~16時間後、体内時計からの指令で再び活発化していき、その効能で深部体温が下がることで休息状態へと身体を促すといわれています。

では、その体内時計が狂うのは、どのような時なのでしょうか?
たとえば、朝だと、室内の遮光が完璧すぎて光を感じられないとか、夜寝る前にどか食いをして空腹を感じずに寝坊したり、起きたとしても食事に手がつかずに身体が覚醒しない、だるい、二度寝したいなどという半休息状態になってしまうなどがあります。夜だと、そもそも朝に光を浴びなければ、強い感情の揺れや、身体的疲労がないかぎり、深部体温は下がらないため、休息を求める動きが遅くなり、眠気が訪れなくなります。

例外として、眠気があっても、遮光を完璧にしても、スマホやパソコンを使ってしまうと、身体は覚醒します。スマホやパソコンから発するブルーライトという光の強烈さに加え、様々な話題や刺激的なゲームを飽きることなく見続けることで興奮状態に陥るからです。それでも、自然光の数秒の刺激には勝てませんし、メラトニンの抑制効果も薄いようです。

それでも1日2日の話で終わらせ、規則正しい生活を送れば、体内時計は徐々に戻り、正確に刻まれるようになります。・・・・・・そう、ここでポイントになるのが、”規則正しい生活をしていれば”、なのです。

私のシフトを例に挙げると、とある日の月曜日は朝から出勤で、翌朝までの24時間勤務、仮眠時間は夜19時~翌1時まで。水曜日は午後出勤で、翌朝までの20時間勤務、仮眠は翌朝4時半~8時半まで・・・と、勤務ごとに異なるのが当たり前です。その勤務の間に休みが入ったり、日勤が入って、1ヶ月のトータルで9日前後のお休みがあります。

早朝出勤の日は、普通の人の生活と変わりませんが、19時にすんなりと眠りにつける方は少ないでしょう。逆に午後出勤の費は、身体が前日の動きを踏まえてしまうため、昼過ぎまで寝られる人は少ないはず。なのに、眠れるのは翌朝4時半。仮に朝7時に起きたとしたら、21時間30分後です。メラトニンどころか、夏だとすでに強烈な朝日を浴びて、夜を通り越して次の朝になってしまいます。

それでも、運転士の資格要項として、無呼吸症候群(通称:SAS)の検査が義務づけられています。

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に何度も呼吸が止まったり(無呼吸)、浅く弱い呼吸になってしまう(低呼吸)状態です。この無呼吸や低呼吸が10秒以上続き、1時間に5回以上になると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
多くの場合、いびきを伴いますが、いびきをかかない方でも発症します。
無呼吸:のどの筋肉や周辺組織がゆるみ、気道が完全にふさがった状態が10秒以上続くこと
低呼吸:気道が部分的にふさがり、空気の流れが半分以下に減少している状態が10秒以上続くこと

睡眠時無呼吸症候群について - ResMed SleepSpot | レスメド スリープスポット

職場で異なると思いますが、一度、SASの判定を受けてしまうと、運転士を降りるまで、治療を受けなけなりません。軽度であれば再検査やカウンセリング、生活指導などで済みますが、入院して精密検査をしたうえで重度と判定された場合、CPAPマスクの装着および、指定病院に睡眠データの送信と同時に、一定の数値になるまで運転停止処分となってしまいます。

しかも、一度、SASと判定されてしまうと、復帰してからも運転士を降りるまで、CPAPマスクの装着および、指定病院に睡眠データの送信の継続が義務づけられます。そのため、出勤毎にCPAPマスクの装備を持ちこみ、退勤毎に持ち帰る苦痛、数ヶ月おきに通院する苦痛、治療に実費がかかる不満などに悩む人がいることを知っています。

もちろん、SASを予防する大切さも知っています。運転は保安装置が守ってくれるとはいえ、基本は独り作業です。ブレーキが数秒遅れるだけで所定位置を外してしまう緻密さのなか、突然意識をうしなう恐ろしさは考えただけでも身が震えます。ですが、通常(日勤)でさえ体内時計の乱れ、睡眠障害の増加が叫ばれる現在です。勤務ごとに体調を整え、仮眠をしっかりとったとしても、身体に負荷はかかります。必要であれば職場の仮眠室にも器具を用意して欲しいとか、実費を負担してほしいというのが、本当のところ。

それでも幸運なことに、私は、いつでも、どこでも、おやすみ3秒で眠れる体質なので、睡眠障害やSASとは無縁の生活をしていましたが・・・・・・。
骨折して以降、完全に崩壊しました。

まず、骨折当日は心身性のショックで寝付きが悪い上に、内出血や骨自体の痛みで夜中に何度も目覚めてしまい、翌日ずっと寝てしまうことがありました。内出血が治まっても、新しい骨が生れることで神経と擦れ、以下同文。骨同士がつながっても、可動域を失った関節が神経を圧迫するため手が痺れたり、寝相の影響で筋力の落ちた肩を圧迫するため肩が痛んだりして、以下同文・・・・・・。仮眠後の寝起きの方が覚醒していたと言えるぐらい、明らかに悪化しました。

それでも、毎朝同じ時間に起きて体内時計をキープしつつ、引きこもりの原点である3食昼寝付きは、意識して確保しています。ただですね・・・・・・ 食事に時間が取れない環境の中、食事そのものにこだわりがなかった社畜の頃から3ヶ月で、確実に1キロちょっと太りました。

健康とはいえないんだけどな・・・・・・ とため息をこぼしつつ、つづきます。


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