保険屋のつぶやき40

以前こんな事がありました。

古い10年更新型の入院保険を終身タイプに切り替え手続きをしていた時です。
詳細は忘れてしまったのですが、
手続きに不備が出て別途書類にお客様の
サインが必要になり、連絡を取りました。
何度電話をしても出られません。
あまり出られないと、
いろいろと勘繰ってしまいます。
“気が変わってしまわれたんだろうか。”とか
“他に保険屋さんが見えたんだろうか。”とか。

数日して、電話がありました。
相手は息子さんです。
“母は先日救急車で運ばれて入院しました。
今は話も出来ないし、サインは無理です。”

後になって分かったのですが、
奥様は何か急いでいて、
お湯が沸いたのでポットに入れようとしたら
熱湯がこぼれてしまった。
太ももにかかり、火傷をしたので
ズボンを脱ごうとしたら
皮膚が一緒に剥けてきた。
慌てて病院に行こうと家を出たら
玄関先の階段で足を取られて
そのまま転んでしまい、
アスファルトに頭を打って動けない所を
通りかかった人が救急車を呼んでくれた
ようです。
診断は脊髄損傷。
首から下が全く動かなくなってしまった。

電話かけても反応がないはずです。
内容の重さに
こんな事が実際に起こるんだと
現実が信じられない気持ちになりました。

結果、手続きは進められない。
幸いと言うのか
古い保険は730日型、新しいものは120日型。
病状を考えると、
直ぐに治る可能性が低いので
古い保険の方がお客様にメリットがある。

これが事故で亡くなって、新規の死亡保障で本人のサインが必要な不備だったら痺れます。
現実は何が起こるかわからない。
甘く見ない事だと本当に思うのです。


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