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『茅ヶ崎映画祭』お客様とこのみの声

茅ヶ崎映画祭にて10月9日『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき〜空と木の実の9年間〜』を上映させていただきました。
1部、2部の2回上映とミニトーク。
ナレーションと主人公の小林空雅(たかまさ・このみ)と母による親子登壇。
あいにくの雨模様でしたが15名の方が会場にお越しくださいました。
映画をご覧くださいましたお客様よりご感想をいただきました。
掲載の許可を頂戴しましたので、ご紹介いたします。
主人公の母とこのみからの返事も掲載いたします。

お客様:
「ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき」を拝見して、あらためて「社会に出てジェンダーを明らかにする必要が本当にあるんだろうかと」いう疑問を持ちました。
大半の人間が子供の延長で周囲に甘え、遊んで過ごすような時期に、社会の不完全さの真っ只中で自分とは何者で、これからどうしていきたいのか、どうしていけばいいのか?時に自分の存在も否定したくなるほど深い悩みや痛みを経験され。
その経験は絶対に無駄にはなりません。多感な時期に、生き残るために真剣に人生や社会を見つめ、苦しんできたからこそ見えた&見えている「景色」があるはずです。僕自身を含め、子供の頃からジェンダーに何も疑問を持たずに過ごしてきた人には絶対に見えない「景色」を、これからもぜひ社会に共有していただきたいのです。

長い時間がかかるのかもしれませんが、社会というのはそうやって進歩・成長してきたと思います。かつて一部の権力者の都合で創作された身分制度のようなものも、少しずつ払拭されつつあり、当時から比べたら、この観点からは「住みよい社会」になっています。

社会は確実に変わりつつあります。僕は外資系企業のユーザーサポートを請け負う会社で働いていますが、年に一度受講が義務付けられている研修に、今年から組み込まれた項目の一つに「当社は性差別を絶対に許しません」という項目が加わりました。また、自社の管理者向けハラスメント研修でも、性別をテーマにした会話はハラスメントに該当することをよく認識するように、と教えられています。

こういう動きが少しずつ浸透してきている現実があることを、ぜひ木の実(このみ)さんにもお母さまにも知っていただきたいと思いました。

自分が左利きであろうが、右利きであろうが、それは個性の一部です。Gender も、いずれは Personality の一部として認知され、溶け込んでいくに違いないと、この映画を見て感じました。

最後に一つ、木の実(このみ)さんにリクエストです。本当に素敵な「癒やし声」とトークのチカラをお持ちなのがよくわかりましたので、ぜひそのチカラを何とか世に出してあげてください。このまま封印してしまうのは社会の損失です。頑張ってね!!
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このみの母:
昨日はお越しいただきありがとうございました。
一番後ろの席にいらしたお二人連れのお客様でしたか?ご挨拶もできずに大変失礼いたしました。

素敵なご感想をありがとうございます。お考えも本当によく分かりますし大事な事だと思います。
この問題は色々取り沙汰されていますが、私たち親子としてはすでに社会に溶け込んでいる感じで生活しています。

このドキュメンタリー映画を撮影し始めた当初からこのような人間が存在していますという事をお知らせして、それを知った人がどのように受け取るのかには関与しないという考え方でおります。

受け入れてほしいとか、理解の強要は求めていません。相手の価値観に委ねています。
気持ち悪い、理解できないという人がいても、このみは変わらず生きていくし、このみの価値も下がりません。

最後に、このみへのリクエスト、本当に嬉しく思います。伝えておきますね。引き続きよろしくお願いいたします。

このみ:
性や多様性、みてきた景色を住みよい社会に繋げるために共有することはピンときていませんが、この声やトークを封じることが社会の損失とまで言っていただけて小躍りしてしまいました。
できることから少しずつ、末長く、声を使っていきたいと思います。

茅ヶ崎映画祭関係者さま、会場をお貸しくださいましたハスキーズギャラリーさま、お越しくださいました皆さま、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

(Musubi Productions 広報)


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