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悩む選択 v2-12:多数の意見一致を目指す? 独りが決めればいい?

ボクともぐらさん。やさしいひと・やさしいリーダーになり、組織をやさしさで強くする夢を持つ。「やさしさ=心の強さ」を謳う「ぼくモグラキツネ馬」(絵本)をきっかけに仲良くなり、色々悩み多き組織の中で、やさしいリーダーになろうね、と約束。やさしい組織づくりを整理・勉強中。この頃は、職場・人生で直面する悩ましい「どっちを選択する?問題」の徒然草。

今日の悩み:

A.意見はなるべく一致させるべき。全員が納得し前向きに動けるように。意思決定の後にどう動くかが肝心なのだから。全員一致、あるいは、なるべく多くの多数決を目指すベき

B.全員一致する状況/アイデアなんておかしい。本質が見えていない/そんなアイデアに価値は無い。異論、反論があって、最後は決めるべきひとが決めればよい。

意思決定が難しい課題を想定した、どっちがいいの?悩みです。

・一定の情報を得たら、意思決定者なるひとが、周囲に相談しないで、意見を求めずに自分で独りで決めてしまうケース。

・情報だけではなくて、色んな意見が参考にされるケース。異論や反論、いろいろ意見を棚卸しして、コンセンサス醸成しつつ、最後に意思決定者が決めるケース。

・情報、意見を整理して、最後は過半数/多数決で決めるケース。

・情報、意見を整理して、最後は全員一致まで求められるケース。

「情報」 ✕ 「意見」 ✕ 「誰」が決める、の3要素で、意思決定のケース分けができそうですね。独断的から過半数型、コンセンサス型、全員一致型とか。

1.一定の量の情報は必要ですね。でも、普通に生きていると、お仕事していると、永遠に情報は取れないですね。期限と、期限までに割ける時間が限定されますものね。だから、”一定”の情報しか得られないですね。ココで終わり!と、割り切る勇気、必要ですね。

2.賛成、反対、支持、反論、同意、異論、両面からの意見が必要ですね。本心は反対だけど人間関係上、言いづらい(空気読めよ的な、忖度的な)ことも多々あるので、役割として、プロセスとして、反論、異論、反対意見を棚卸しするのが大切。自分の意見をいわずに聞くばかり意志決定者もいます。これもひとつのスタイルですが、仮に自分の意見に反論があっても、反論にこそ感謝しないとダメですね。反論に感謝の度量、必要ですね。

3.独裁的という言葉だとマイナス印象ですが、最後はリーダーであれば、意思決定しますね。情報不足であっても、意見が割れていても、反対者が過半数を越えていても、「ここはGO!」することはありますね。直感を信じて判断、必要ですね。

で、ボクはB.派です。

そうなった理由のひとつ: ピーター・ドラッカーの本で紹介されるアメリカの経営リーダーの話。全員一致なんておかしいだろ!の話。「全員一致の意見のときは、反対意見を次の会議までに考えてきてもらう。全員一致なのに、クローズしない。だって、最初から全員が一致なんて何かおかしい。議論が十分できていない。何か裏がある。あるいは、誰もが賛成のアイデアなんて、誰もが考えそうで、世の中に出したときに競争力がなく負けてしまう。価値無いアイデアかもよ。だから、次回また、みんなで議論しよう。反論、違うアイデアをそれまでに考えて来てね!」みたいな。

このコペルニクス的転回っぽい感じ、何かがおかしいと思う嗅覚が、イイなぁ、と思ったでした。全員一致となる状況を疑う感性。もちろん先の通り、その意思決定すべき課題が宙ぶらりんで待てる期限、そこまでに割ける時間の量(関連するひとの総合時間とでも言いましょうか)に左右されるとは思います。次回が無い、こともありえます。それに、とても単純な話で誰もが賛成、なんてことも当然ありますね。

ですが、みなが即賛成ってなんか裏がないか、情報が不足していないか、本質が見えていないか、皆が賛成するってことは尖っていないアイデアではないか、ってことだと思います。

反論、異論、反対があって、その中で自分の判断が揉まれて、収れんされて、意思決定者が納得できる判断、より研ぎ澄まされるアイデアになる、と示唆していると思います。

違う意見は歓迎しながら、追加の情報もあって、刻々と状況が変化すると、もちろん人の意見は変わって多くが一つの意見に収れんする。こんな多数決とか全員一致って、ビジネスの日々の意思決定の世界ではあまり無くないでしょうか。リーダーが決める。時間がないから独断できめる。申し訳ないがここは自分で決めさせてくれ。色んな意見を棚卸しして、最後は、コレで行きます、とリーダーが決める。こういうケースがほとんどですね。Time is Moneyです。

うだうだ決められなくて、物ごとが進まない。権限委譲とか言いながら、自分が決めるべきから逃げている弱虫経営者もいますね。普通に出会いますね。。。残念。。。

ボクはB.派の2つ目の理由が: B.ができるようにしておかないと、スピーディーな企業運営/人生が進めない、と思うのです。スピードはとても大切な価値だと思うのです。。。

3つ目の理由なのですが、とてもとても大切なことです: 意思決定の後の行動を、誰もが前向きに実施できるか、なんです。実施できることが、リーダーがえいやで決める大大大前提ですが、このためには、リーダーと仲間の良好な信頼関係が必要ですよね。

B.を目指すイコール信頼関係を大切に思うはず。だから、B.であるべきと思うのです。Bを目指すと信頼関係を大切に日々努力して構築しよう、とするはずで、これが組織の強さだから。

異論、反論を諭して、心の底から賛成に変えさせる、なんてことはしません。だけれども、反論した仲間も、反対票を投じた仲間も、決まった後には、それを受け入れ、前向きに、面従腹背ではなく、且つ、常に思考しながら行動する。これがなければ、意思決定の意味がない。

ですので、このようなリーダーとフォロワーの信頼・尊敬・友愛関係が土台で必須の前提。だから、この関係構築の努力を日々、リーダーは自分の方から実施しているか、ということなんです。待っていてもダメ。自分から人格を高めて、仲間を想い、助けて、愛されキャラになっているか?!

そもそも仲間から信頼される自分を築いていないとリーダーではありませんね。だから、この関係に自信があるならば、B.にできる、と思うのです。リーダーシップは常にフォロワーシップより先。その結果のリーダーシップとフォローシップが信頼豊かに融合した組織ならば、B.でスピードを得た経営ができる。

「反論も色々あった。でも今回はこっちで決める。時間もないしね。では、みんなお願いね。でも、明日失敗ってわかったらごめんよ。」

「了解。明日のことなんてわからないですよ。成功を信じて、希望をもってやりますね。それに、何があってもリーダー、好きですよ!ハート。失敗になったらランチでも奢ってくださいね!」

「真のリーダーシップとは、”従わない自由”があるにもかかわらず、人々が付いてくること」、「腕力とリーダーシップを混同してはならない。」(「ビジョナリー・カンパニーZERO」ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著、日経BP)。なるほど。かっこいいですね。そんなリーダー。

A. が示唆するように、全員が納得できるように微修正して、パッチワークして、出来上がった物は、アレもコレも中途半端で、特徴無く、価値が低いかもしれません。ただ、参加者の納得感はあるかもしれません。ただ、この低い価値のものを皆が前向きにベクトル併せて努力して進んでも、社会に良きお役立ちはできなさそうです。それよりも、結果は失敗かもしれませんが、反論もある尖った案を、皆が前向きにベクトル併せて努力して進んだほうが可能性は高くないだろうか、そう思います。どうでしょうかしら。

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