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第4回「生まれつき性ホルモンが正しく分泌されてないっぽいので、男性ホルモンなんて投与したくないけどやむをえず男性ホルモンを打ち込んでいる話」

この記事は、性同一性障害(性別不合)に関連するお話です。

きょうは女性の身体の私が、やむをえず「男性ホルモン」を補充している話をしようと思う。

まず最初に、私は性同一性障害(性別不合)だ。生まれつき身体が男と女半分ずつになっている。
具体的には女性の身体にもかかわらず、自分の脳だけが、男性の性質をしているのを自覚している。なんでこうなってるのかは知らんし、説明するのが本当にむずかしい。
自分がどんな状態かというと「首から上が男で、首から下が女」になっている人がいるとイメージしてもらえれば幸い。基本的には男です。


どうも性ホルモンが正しく分泌されていないような気がする

思春期になると、「脳からの司令で性ホルモンが分泌され、男性は男らしく、女性は女らしくなる」と学校で習ったことかと思う。

脳からの司令で・・・・脳からの司令!?

「脳が男性で身体が女性」だとどうなってしまうのか、結論から言うと、うまく性ホルモンが分泌されない場合があるようだ。

自分の場合、脳が男性なので、女性ホルモンを出してという司令が出ない。しかし身体が女性なので、脳がいくら男性ホルモン出してという指示をしても精巣(睾丸)がないため、男性ホルモンを作ることができない。
男性ホルモンも、女性ホルモン出ない、どうやら性ホルモンが枯渇したような状態になっているらしい。

女性の身体なのに、男性ホルモン不足という摩訶不思議なことが起こり得る

私は数年前から、食後、数時間後に急に倒れることが多かった。お酒も飲めなくなった。また更年期障害に似た症状も起きていた。

さすがに仕事や日常生活に差し支えが出てきたので、病院でホルモン量を検査してもらった。

まず、女性ホルモンの不足を疑ったが、量は正常。月経の周期も乱れたことはない。月経が止まったことも覚えている限りではない。

原因が分からず不安はあったが、そのまましばらく放置していた。倒れる以外は基本的に元気だったもので。
しかし2018年の秋に、旅先の香港で、「身体が急に動かなくなり、倒れる」といったことがあった。その間、急に気分が落ち込み、まるで別人のようになる。落ち込んだと思ったら数分でもとに戻るが、また落ち込むのようなことを繰り返した。意味がわからななかった。

足りないのは、女性ホルモンの方じゃなくて、男性ホルモン!?

だが、倒れたお陰で確認した。
女性ホルモンが足りなくて体調不良を引き起こしているんじゃない、足りないのは男性ホルモンの方じゃないんだろうか。

本当に意味がわからない。
だが、これが現実だ・・・・・・。

Twitterで女性の身体にも関わらず、男性ホルモンを補充しないと身体が維持できないという人と知り合った。

同じ症状になってる人いるやんけ・・・・・。すごく希望を持った。

診てくれる病院がない

身体の性分化がうまくいっておらず、性ホルモンの出がおかしい可能性があるのだが、これを診てくれる病院がなくて自分としてはとても困っている。

日本で一番性分化疾患に詳しそうな病院といえば「国立成育医療研究センター」があるが、受診できるのは15歳までだ。31歳の私はとても困っている(笑)

やむをえず男性ホルモンを打ち込んでいる背景

私は、自分の頭が男性になっているのに気づかずに、女性として就職、生活してしまったため、いまさら身体を男性の方性別適合することを望んでいない。

しかし「男性ホルモン不足で、自分の身体を維持するのが困難」と分かれば男性ホルモンを補充するのもやむをえない。

男性ホルモンを身体に取り込めば当然、身体の特徴が男性に近づく可能性がある。男性になりたくない私は、
「男性化しない程度に、男性ホルモンを補充する」
しかないと思っている。

投薬前と投薬後の状況

性ホルモンに詳しい人に、この悩みが届いてほしい・・・。

【投薬前】
日常的に身体のほてり、眠気が強い。
急に倒れる。(特に食後)
急激な気分の落ち込み、鬱に近い症状。

【投薬後】
食後に倒れることはほぼなくなった。(食後の眠気は強いまま)
意欲はぼちぼちのところまで戻った。
少し体毛が濃くなった
声の変化なし
性格にも大きな変化なし

<投薬内容>

・セルノス ジェル5mg を7日に分けて両肩に塗布。
毎日投薬しています。1日でも欠かすと急に気分が落ち込むことがあります。

※同じ症状で悩まれている方がいらっしゃるかもしれませんが、投薬の判断、量は自己責任でお願い致します。

※自分の症状について、性同一性障害の専門医にも相談したのですが、思うような回答が得られず、解決には至りませんでした。自己判断で投薬をしている状況です。

追記)
2022年現在、セルノスジェスでは思った効果が得られなかったため、男性ホルモン注射(エナルモンデポー)250mgを月に1回投与しています。
この記事を書いた3年前と比べ、格段に体調は良くなっています。

セルノスジェスでは効き目に個人差があるようなので、効果を感じたい方には、男性ホルモン注射125mgを月1回程度から試してみることをおすすめします。

28歳の時「ゴメン、本当の性別女じゃなくて男だった」を食らった性別不合の当事者です。日常的に男女の性別使い分けを強いられそのまま根付いてしまった奇妙な人生。サポートや紹介していただけるメディアさんも募集しています。