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脚本家と俳優と流域リサーチ【後編】

最終日、4日目

朝から日進市と東郷町、みよし市をまたぐ「愛知池(東郷調整池)」に行きました。愛知池周辺の環境保全整備のために活動する「愛知池友の会」のみなさんと交流するためです。
流域で共通して確認される「渡り」が特徴のアサギマダラを、蓼藍のたたき染めを駆使して知多木綿に表現するワークショップを行いました。

オープニングアクトでは、地元百姓で音楽家の真野さんがケーナを、友の会の後藤さんがウクレレを演奏してくださり、友の会で作られた「アサギマダラの唄」などを披露。

アサギマダラの唄:
愛知池友の会公式Webサイトから試聴可能。

愛知池友の会▷https://aichiiketomonokai.jimdofree.com

その後太郎が企画を説明し、早速名名思い思いに、知多木綿に藍の葉を並べて槌で叩いていきました。葉の形と色が綿に移ったら数分日光にさらして、友の会オリジナルのエコ石鹸で洗い流します。
太郎の昨年の「めでタイね」プロジェクトで使用した東郷音頭やオリジナルのタイ音頭を聴きながら、絵の具でさらに描き足すなど1時間ほどみっちり作業しました。出来上がった作品は、今年も制作する鯛神輿に貼り付ける予定です。

地元産の大きなスイカをみんなで頬張りつつ、それぞれの作品を鑑賞し大盛り上がりでワークショップは終わりました。

それから、友の会で整備している「バタフライガーデン」を見学し、「焼肉 秀 SHU」でビビンバランチを囲みました。
食事を共にし、さらに友の会のみなさんの明るさに元気づけられ、流域に水とその景観を守る活発な市民団体があることの心強さを感じました。
また会える日を楽しみに。

次なる目的地を高蔵寺ニュータウンに設定し再出発しました。
途中、街中を実際に流れる愛知用水を観察しつつ、ニュータウンが見下ろせる高台を探してふらふら。
愛知県医療療育総合センター中央病院のあるエリアに迷い込みました。特別支援学校や療育センターが集まっている高台のようで、散歩中の男性に見晴らせる高台があるかを伺いましたが、めぼしいポイントはありませんでした。
代わりに廃墟になっている建物や草木が生い茂る車両通行止めの道があり、前の時代に取り残されたような変わった雰囲気を持っていました。

なんだかそわそわする妙な感覚をお土産に、王滝村へ帰ります。
岐阜県に入ったところからすぐに国道が我々を帰路に導きました。
国道沿いといえば、大きなチェーン店が立ち並ぶ味気ない通りをイメージしていて、はじめはそのような趣でしたが、次第に広く緑や住宅街が見下ろせるようになり、木曽に入ると森が左右両サイドに立ちはだかります。
約2時間ほど車を走らせる間に、時代が徐々に遡っているのではないかと錯覚しました。

私道さんと沢柳さんを木曽福島で降ろし、村への暗い帰り道、覆いかぶさる木々をトンネルかと空目。その暗く長いトンネルをくぐって村に出る。
まるでたった数時間、数日のうちに時代を超える時間旅行に出ていたかのようでした。


おわりに

私道さんと沢柳さんがリサーチを踏まえてどのような作品を作るのかは秋の文化祭「水記祭」までのお楽しみ。
公演の日にちと場所は、10月21日王滝村八幡堂、22日王滝村御岳湖(仮)の予定です。



文責:シエイナ
〈長野県地域発元気づくり支援金補助事業〉


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