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今も忘れられない講義

こんにちは!
理学療法士の稲田(@ tatsuya16499556)
です。

 今回は私がケアマネジャーの実務研修を受講して特に印象に強く残っているご講義があり、その中でのエピソードを記事にしました。ケアマネジャーを目指している方や医療介護従事者の方にも共感できる所があるかもしれません

エピソードその1

 福井県立大学教授のご講義の中でのお話です。先生は普段大学で社会福祉の授業をしておられます。その中で生徒に自分の祖父や祖母に対してインタビューを行い、その様子を動画に記録してもらうという授業を行っているそうです。

 撮られた映像を大学に持ち帰り見てみると、どの人も最初は恥ずかしながらも、自分の孫の頼みとあって笑顔でインタビューに答えており、とても良い表情をしているそうです。

 それを2枚のDVDにダビングし、1枚はインタビューのお礼に祖父、祖母にプレゼントします。もう1枚は将来祖父、祖母がなんらかの理由で介護を受けなければならない状態になった時、担当のケアマネジャーに見せるために保管してもらうそうです。

 元気だった状態を知ってもらうことで、ケアプランの立て方や取り組み方は全く違うものになると。支援を行う上で、その人がどんな人で、現在に至るまでどんな人生を歩み、どんな思いを持っているのか…など背景を知る事がとても大切だというお話でした。

 私たちが患者さん、利用者さんと関わる時はその人の人生の中で切り取られた一部分しか見ていません。先生の授業では記録映像という形で残していらっしゃいましたが、動画はその人を知るうえで最も適しているなと感じます。動画には姿や声、表情など非常に多くの情報がつまっています。

 実際に担当するとき過去の映像を見ることはあまりないとは思いますが、その人の人となりを知り、背景を知ったうえで支援を行っていきたいものです。

エピソードその2

 これも同じ講義の中でのお話です。家族の介護をする中で苦悩を抱いている方が非常に多いとのこと。その理由として

介護をするのは動物の中で人間だけだから

 他の動物を例にとってみても、年老いた者や傷つき弱った者を介護するという行為はなく、群れから外れる者は見捨てるのが自然。

 その逆に育児はどの動物も行っており、本能的に行えるものとのこと。しかし介護は本能的にはそもそも行わない行為であり、矛盾しているため葛藤が起き苦しいのだと。介護を正当化、合理化するために理由付けが必要になるとのことでした。

 要介護者に対して情がわくこと。家族を大切にしたいという想いも理由の一つなのかもしれませんが、残念なことに家族による虐待も後を絶たないのが現状です。割合としては介護をしている息子から受けている父、または母への虐待が最も多いようです。

 ご本人への支援はもちろんのこと、本人をとりまく環境、家族やキーパーソンへの支援も大切だと感じます。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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