【死語現禁】290.瞽女
(日:ごぜ) (「御前(ごぜ)」から)三味線を弾き、唄を歌いなどして米や金銭を得た盲目の女。めくらごぜ。(広辞苑第七版)
<用法>
「聞いたケ、今日はヤマサンの家の近くに瞽女のヤユが来てるらしい。あンの人はうまいから聴きに行こう!」
<解説・思い出>
昭和時代まで活動していた、日本各地で三味線などを演奏しながら歌う盲目の女性演者のことです。僕は何かのテレビ番組で見て、いたく感動したのを覚えています。
現在は、伝統芸能として受け継がれているようです。
ただ普段の日常では全く縁がないので、この言葉を知っているのは後継者とか研究家とか子孫などの一部の人ではないかと思います。
しかし僕は、瞽女は復活して欲しいと考えています。
新しい瞽女は歌う楽曲は伝統的楽曲だけではなく、オリジナルもOKとします。性別も楽器も自由にします。ルールは一人で、家の前や人の集まる場所でマイクを使わず自分の声と楽器の音だけで演奏することとします。
つまり自分の声と演奏テクニックだけで、観客と向き合うのです。
もし観客が一人だけなら、その人だけに響くように演奏しないといけないのです。
見ず知らずでかつ一期一会の観客と、一対一の勝負です。
これは演奏者としてはかなりきついです。しかしその分、もし観客が感動すれば、音楽家としての達成感はかなり高いのではないでしょうか?
そんな活動で全国を旅しながら続けて行くのは、高揚できるのでないでしょうか?
現在、音楽で成功するというのは、大きなホールで何万人にも演奏を聞いてもらい、印税収入も相当あって、贅沢もでき、好きな演奏家などとも共演できる立場になるというのが一般的です。
しかし、たった一人の観客に対峙して演奏し、場合によっては感動してもらうというも、音楽芸術の根源的価値ではないかと思うのです。
もしそんな現在の瞽女がいたら、素敵だなあと思っているのです。
死語ランク:☆☆☆
☆☆☆・・・聞いた人がほぼ知らず、言った人を「異星人」と思うレベル
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追記:№が重複していましたので、この記事の№を224から290に変更いたしました。