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【死語現禁】226.三泣車(さんなきぐるま)

(日:三+泣+車)(丁稚(でっち)は苦労して泣き、仲仕(なかし)は職を奪われて泣き、車は回転する時「きいきい」と音がすることからいう)荷車の一種。車輪が小さく梶棒が長く、車台の後方に鉄欄を設けたもの。商家の丁稚などが荷物の運搬に用いた。(広辞苑第七版)

<用法>
反物問屋堀宗の丁稚茂助は、重い荷物を三泣車に載せ、息を切らせながら呉服屋に運んだ。

<解説・思い出>
大昔、何かの読み物に出て来た言葉です。
「45.手風琴」や「76.起請彫」などと同様、死語というより古語と言えるかもしれません。

ちなみに「仲仕」とは「荷物をかついで運ぶ人夫。また、土木業を手伝う人夫。なかしゅなかせ。」(広辞苑第七版)という意味で、こちらも古語に近いです。

「丁稚」もこの『死語現禁』で取り上げさせて頂きました。

三泣車は、荷物を運ぶ丁稚を泣かせ、荷物運び人の仕事を奪って泣かせ、自らの車輪も泣いているような音を立てる、という意味で名付けられた言葉なのです。

言葉にこめられた想いがよく分かる、奥深い言葉だと思って取り上げました。

現在では似たような用途の「キャリーカート」はありますが、この言葉はまず見聞することはありません。

死語ランク:☆☆☆
☆☆☆・・・聞いた人がほぼ知らず、言った人を「異星人」と思うレベル

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