見出し画像

【人物連想散文詩】toxic world

カラーボールみたいに、
ぷつんと
ナイフがあなたのうわつらに刃を入れて、
どろどろと溶けだすあなたの声に耳を傾けたい。

眠っている声をあなたも
どうせ持っているんでしょ。

張り付けた笑みの
そのつまらない化けの皮を剥いで
偽善と妄想まみれの、
あなたの憎たらしい口を引き裂いてやりたい。

早くここまでくればいいのに。



私があなたを侵してあげる。
じっくりあまく、あなたの耳元に囁いて
じっとその時を待つ萌芽(ほうが)みたいに。
ある時息吹く毒牙(どくが)みたいに。

あなたの吐いた、泥みたいな本音に
私の黒いところが満足する。
血だらけのあなたと一緒に踊りましょう。


私の血を見て醜いと思った?
私の傷を見て苦しいと思った?
あなたが目を背けているだけの、
あなたの中に渦巻く毒を吐き出してみてよ。







この醜い世界で、
私の腕の中で眠らせてあげる。ね?










**

このからっぽな黒い空洞に、あなたの闇を飲み込んであげる。だからあなたも、あなたの闇で踊ればいいのよ。
私を脅かすものは何もない、あなたの方がずっと虚構を歩いているんだから。私を怖れさせるような、脅威になり得るあなたを差し出してよ。虚構しか知らないつまらない人間ではなく、生きる闇を知る眼で私を追い詰めてみせて。この現実に目を背けるあなたの眼をひらかせて、ねえ光のない夜を歩く友達になりましょうよ。











***

後書き


こちらの散文詩は、noteとラジオの方でご縁(?)と交流のあるyuukiさんを連想して描いたものです。yuukiさんのところでは、同じように私を連想して散文?を書いてくださっているのでよろしければそちらもご覧ください。

また、
『さらす。ねむる。ただれて、過呼吸。私にふれて。触れないで。』の方は、

yuukiさんのところで公開している
"私(susuki, 湊谷翔)を連想した作品"である
『無邪気になったきみが。』

へのお返事というか感想というか、そのようなものとなっています。

併せて立ち寄っていただけると嬉しいです。




yuukiさん、
いつも似たようなことを言いながら全く違うことを考えているような、いつも同じようなことを考えながら全く違うことを言っているような、そういう不思議な感覚にいつも陥ります。


今回はこのような作品を作る機会をくださってありがとうございました。
今後ともよしなに。





先日2度目のラジオ参加させていただきました



yuukiさんの作品はこちら


最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。