【初夏】梅雨アンチスレPart2020

梅雨が心底嫌いだ。低気圧による偏頭痛のせいで鎮痛剤の空き箱は日に日に積み上がり、ほとんど嫌味のような湿気を帯びた空気は息を詰まらせる。梅雨と同化した6月の悪い記憶は安眠を遮ってくる。梅雨さんサイドからしたらえらく理不尽に思われるかもしれないが、素直に話せば、たいてい何かを嫌いになるその理由は理不尽なものだ。人は理不尽な感情にもっともらしい理由をつけるのが得意な生き物らしい。

日をすり減らすたびに当たり障りのない言葉選びをするようになった。今のぼくは天気の話ばかりしている。ひどくつまらない奴になったもんだ。否が応でも暮らしは新しい喪失の芽を寄越してくる。思う存分嬉しくなったり悲しくなったりする間もなく新しい一日が始まっていく。極めて個人的な思考には適当に折り合いをつけなければならない。だって、他にも考えなければいけないことが山ほどあるじゃないか。お金のこととか家族のこととか天気のことだとか。

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