実家で

今年三月の半ば、実家に久しぶりに帰った。

三月の頭は父の誕生日でもあった。

私は、そのことを実家についてから思い出した。

父に『すまん。誕生日プレゼント忘れてもうた』

と伝えると、父は

『そんなんかまへんよ』

と言ってくれた。

母と父は最近スマートフォンを買い替えたらしく。

設定を私に聞いてきた。

ある程度の設定をし終えると、

母は『私このスマホのカーバーがどうしても気に入らんのよ。あの、紐ついていて首にかけれるカバーがいいねん』

と言っていた。

私は母の携帯の機種を調べ、アマゾンでストラップの着いたカバーを買ってあげた。

数日後には実家に届くだろう。

母ももう70近い。

年寄りの女性は逆に派手な色が似合う様になってくると聞く。

私は、ストラップカバーの一番派手なやつをプレゼントすることにした。

ゴールドのフレーム、ボディーは紫、裏は花柄、ストラップの紐にはラメがあしらわれている。

私は携帯で注文し、そして、東京に帰った。

数雨日後、母から連絡がきた。

『あんた、家にスマホカバー送った?』

私、『ああ、お母さん欲しがってたやろう?』

母『いや、お父さんが、あんたから誕生日プレゼントが届いたいうて、派手なストラップ気に入ってつけてるわ』

と母は私に言った。

マジか!?あんな派手なストラップをもう70の父がつけているのか。

地元で父がみんなから浮いていないか心配である。


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