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一族経営の会社について

 前回は「仕事をする上で大切にしている心得9選」について書きました。根本的に働きたくない私なりの心得です。人によっては全く参考にならなかったかもしれません。ただ間違っているとは思っていません。同じように仕事をしたくないのに頑張っている方に参考になればと思います。

 今回は「一族経営の会社について」について書こうと思います。一族経営とは経営者や役員のほとんどが血縁関係を持ち、一族で経営している会社を指します。正直今私が勤めている会社が正にそうです。面接した会社が一族経営だったという場合に備えて参考になればと思います。

一族経営の一例

 まずは一例として私の会社の組織図を提示します。ちなみに社員人数は20人程の小さめな中小企業です。
 
 まず社長がいます。当然一族の長です。この社長が起業し、今の会社はスタートをしました。続いて社長の奥さん(通称:大奥)が総務としています。起業時には既に結婚されており、創業メンバーの一人です。そして部長として社長の弟(通称:)がいます。弟も創業メンバーの一人で、この3人で会社がスタートしました。その20年後に社長の息子で現私の上司(通称:息子)が課長として入社します。さらに10年後に私が入社します。
 
 そして5年が経過した頃、動きがありました。社長と大奥が定年間近になったのです。当然のように次期社長は息子に決まりました。社員には誰の意向も聞かずに決定事項として報告されました。さらに大奥の跡継ぎとして社会人経験の無い息子の嫁(通称:)が入社しました。
 
 そして現在は社長、総務として大奥、部長として弟、そして息子は専務に、嫁は経理及び子会社の社長としてのポストが与えられました。これが一族経営の最終形態となります。そして息子と嫁には息子が二人おり、現在同業界の大学へ行っています。恐らくこのまま息子に受け継ぐ気なのでしょうね。

一族経営会社の社員としての不満

 当然一族以外の一般社員からは不満が溜まります。特に福利厚生、業務内容、社内パワーバランス、アットホーム感の4点です。

福利厚生への不満

 一族は福利厚生で圧倒的な恩恵を受けています。まずは持ち株です。会社も中小企業とはいえ株式会社ですから当然株は存在しています。それを一族だけで独占しているのです。社員が頑張れば頑張るほど一族は儲かりますね。
 
 自動車代、ETC、ガソリン代、自動車保険、生命保険、車検その全てが会社の経費になります。個人的にこれだけで年間100万近い出費をしているのでめちゃくちゃ羨ましいです。恐らくこの他にも経費になるようなものは全て経費で精算していると思われます。
 
 また一族は出勤簿が存在していません。遅刻、早退、中抜け、休みがやりたい放題です。いないと思っていたら車の免許更新に行っていた、病院に行っていた、子供の授業参観に行っていたというのが多々ありました。当然私たちのような一族以外の社員は有給を消費して行くべきイベントです。今思えば逆に残業代とかどうやって計算しているんでしょうね。

役職や業務への不満

 当然の事ですが、一族は役職でも優遇されます。息子は正直会社内の業績は同じ役職帯で最低です。それにも関わらず専務という役職へ一番初めに到達しました。同様に社会人経験の全くない嫁も入社した1か月後には子会社の社長です。嫁は私よりも後に入社したので後輩です。しかし上司の嫁、子会社の社長ということで立場上は上です。一族というだけで特別な努力をしていない人が上に立つと言うのはやはり腹立たしいです。本人が嫌いなわけではありませんが、必要最低限の会話とアドバイスしかしないのは当然の態度ですよね。また業務上教えなければならないことも「過去の資料に全部書いてある」「ネットで調べれば出てくる」など以前上司である息子に教わった通りそのまま伝えています。
 
 また息子は上司として私の課にいます。しかし専務になり、将来社長になるということで社長業に専念し始めました。その分今まで息子が行ってきた仕事は全て部下である私に丸投げです。さらに腹立たしいのが会議ではさも自分が行っているかのように報告するのです。社内に根回しして本当は私が全て行っているのを伝えているため、会議中は本当に滑稽です。
 
 息子は専務と言う立場から社内の業務状況をコントロールするようになりました。A課はこのくらいの仕事量、B課にはこのくらいの仕事量といった具合です。しかし元々A課にいた息子はA課について割と適正な仕事量を設定しています。と言うよりもA課は自分が抜けた分少なめにしないと私が辞めると思っているのか少なめです。一方でB課は過去に少しだけかじった知識でコントロールしているのでめちゃくちゃです。それに対しての不満も多いです。

 息子と嫁の家庭内でのパワーバランスは分かりませんが、業務中はかなり甘いです。同じミスをしたにも関わらず嫁にはお咎めなしなんて当たり前です。そしてその尻拭いは他の社員が行います。もう怒りを通り越して呆れますね。

社内パワーバランスへの不満

 本来の会社内のパワーバランスは当然役職順に強いはずです。しかし一族ということで息子が親に強く出やすい側面があります。つまり社長>専務ではなく、実質的には社長<専務となってしまっています。やはり社長も人の子で息子には甘いんですね。ここに創業メンバーの弟や息子の先輩も在籍している事から、パワーバランスはめちゃくちゃです。
 
 私個人としては私のような6年目くらいの若手が会社の方針に口を挟める環境は、悪くは無いです。しかしやはり会社設立当初から在籍している社員たちは不満が大きいです。

アットホーム感への不満

 一族ということで当然社長たちは家族です。そのため公私混同が激しいです。夫婦喧嘩中は職場でも露骨に態度が代わります。会話をしないので業務に支障をきたすレベルです。息子の子供が受験生の頃は、職場を勉強のために使います。職場体験学習にも使いました。また社員旅行には必ず子供を連れてきます。そして旅行先はその子供が優先的に決めます。
 
 細かい点を言えば宅急便も会社に届きます。会社の備品で車を洗います。子供の学校の書類関係も会社のパソコンを利用します。この辺は一族経営というよりは自営業の特権なんでしょうけど。

一族経営会社の社員としてのメリット

 何かしら一族経営会社の社員側のメリットもあるはずだと、散々考えたのですが結局何も思い浮かびませんでした。
 
 強いて挙げるとすれば会社に意見しやすいということです。前述した社内のパワーバランスへの不満で軽く触れましたが、確かに意見はしやすいです。昨日まで直属の上司だった人がいきなり会社の代表に近い専務という立場になったからです。今までのように上司に会社の不満を相談していたのと同じ労力で会社に不満をぶつけることが出来るのはなかなか無いことだと思います。それで不満が解消されるかは置いておきますが。

終わりに

 今回は「一族経営の会社について」について書きました。前述した通り現在私が勤めている会社は一族経営の会社です。一族経営特有の不満があるので人によっては避けたいかもしれません。小さな会社では面接時に一族経営だと気が付くことも多いので、避けたい人はそこで見極めてみるのも良いと思います。今回の記事がその判断材料になれば良いと思います。
 
今回もお読みいただきありがとうございます。次回よろしくおねがいします。


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