ブラック企業経験談②

 前回は「私のニート経験談」という全く仕事ジャンルに関係ない記事を書いてしまいました。

 今回は以前書いたブラック企業経験談とはまた別の会社のブラック企業経験談を書いていこうと思います。一応前回のブラック企業経験談も再度載せておきます。

にしても前回記事との落差がひどい・・・。

入社まで

 前回のブラック企業とは異なり、今回の会社は面接時からしっかりとした会社でした。最初の面接は社長と二人でスタバにて行いました。会社以外の場所での面接が初めてだったので今時だなぁと胸を高鳴らせた記憶があります。ただ飲み物は何選べば良いかとか、財布出すポーズくらいはしといた方が良いのかなど、普段の面接では気にしない事まで悩まなければならず困惑もしましたが(笑)
 
 実際に社長と会ってみると、比較的若く穏やかで紳士的な方でした。会社自体もまだ若い会社でした。面接ではほとんど雑談に近い内容でした。今までの業務的な成果と言うよりは、やる気や志などの内面を見られているような雰囲気でした。一方で業務体制や年収、将来のビジョンなども詳しく教えてくれました。
 
 面接後に再度連絡があり、次は役員も含めた面接を行う事になりました。今度は会社で行いました。役員は副社長のような立場で、今回は役員がメインで面接が進みました。社長とは対照的に経歴や前職での成果がメインとなり、具体的に何ができるかを見極められているような面接でした。
 
 以前も書きましたが前職のブラック企業は業界内で有名だったらしく、ここでも話題になりました。この時は社長・役員共々同情しているような雰囲気でしたが、まさかここも別の意味で真っ黒だったとはこの時全く気が付きませんでした。

入社

 無事に二次面接も突破したようで入社することができました。事前に聞いていた通りの従業員15人程の小さな会社でした。その中で10人くらいは事務方として女性の方でした。男性は社長50代、役員50代1人、上司30代前半1人、先輩20代前半2人と言った構成です。
 
 この時ほんの少しだけ、前職を思い出しました。年配が2人であとは若い人だけと言う構成は前職のブラック企業の特徴だったからです。個人的に今でも、「年配は固定で下にいる若い従業員の入れ替わりが激しいタイプの会社」はブラック認定しています。そして中間層がいないというのも特徴のひとつでしょうか。

試用期間

 この会社は試用期間が半年ということでした。その間はアルバイト扱いです。業務的には日中は現場作業、会社に戻ってからは書類作成といった内容です。

1か月目

 最初の1か月間は本当にホワイト企業でした。入ったばかりということで残業はとりあえず無し。現場作業も30代の上司が丁寧に教えてくれて、ひとつひとつ理解しながら進めていけました。また会話も積極的に振ってくれて楽しい人だなと感じていました。毎回必ず現場前にコーヒーを買ってくれるのも地味に嬉しかったです。同年代である20代の先輩方も気軽に話してくださり、同年代ということで漫画やゲームの話もよくしました。基本的にこの3人の内の誰かと二人一組で現場作業を行う事が多かったです。
 
そして何より給与がかなり高かったです。1か月目のアルバイト扱いにも関わらずに1日8時間週5日勤務で月収25万円でした。前回ブラック企業の2倍弱頂けました。

2~3か月目

 2か月目以降、徐々に気を使われる事が減り打ち解けてきました。ただこの頃から30代上司が20代同僚の悪口を徐々に言うようになってきました。3か月目になると悪口というレベルではなく段々と暴言、人格否定が増えてきました。2人1組で行動するため、本人はいません。いやな気持にはなりましたが仕事をする上で陰口なら仕方ないのかなと思ってそこまで気にはしていませんでした。

4か月目

 4か月目に大きな仕事が入り、役員+30代上司+20代同僚2人全員で行う作業がありました。そこでようやく気が付きました。20代同僚1人への役員と30代上司からの当たりがかなり強く、もはやいじめに近い状態でした。到底一人で持ちきれないような荷物をどんどん持たせて運ばせる。それを後ろから叩きながら煽る。当然持ちきれないので途中で落としてしまうと、暴言で罵ると言った遊びが頻繁に行われていました。あまりにも目に余ったので私が手伝おうとしても制止され「他にやることあんだろ?」と言われた時の顔は今でも覚えています。
 
 またその頃から残業をするようになりました。残業中はよりひどい状態でした。女性陣は原則定時の暗黙のルールがあり、残業時間は基本的に先程のメンバーです。そのため同様に20代同僚がターゲットにされていました。20分に一回くらい一発芸を要求されたり、歌をうたわされたり、お嫁さんとの馴れ初めを話させたり、およそ仕事とは一切関係ない事を永遠やらされます。当然仕事が進んでいるわけがなく、それに対してまた罵倒される。仕事が終わっていないので皆が帰るタイミングで帰れなくなり、一人で残業するという毎日のようでした。
 
 さらに翌月の給料日では「仕事が遅い方が残業代もらえていいよなぁ?」「こんなに仕事がとろいって事は嫁もトロそうなカバみたいな顔してんだろ?」と、もはやこっちまでイライラしてくるような発言のオンパレードでした。そしてある日役員から「そろそろお前もこうなるから、今のうちに一発芸でも練習しとけ」とついに私にも矛先を向ける宣言をされました(怯)

5か月目

 5か月目には30代上司と私と20代同僚の3人1組の作業が始まりました。ここからついに20代同僚への軽度ですが暴力が始まりました。「出来ないやつに教えて分からないなら、体で覚えさせるしかない」が30代上司の口癖になっていました。私に対しては暴力こそありませんでしたが、口頭での攻撃が始まりました。ただ業務上の攻撃だったので流石に私の実力不足の面もあり、受け止めるしかありませんでした。ただ上司の近くにあった道具を「取ってくれませんか?」と言ったときに「は?」と言われ、その道具を反対方向に思いっきり投げられて「取ってこい」と言われた時は理不尽すぎてブチ切れそうになりました。
 
 一方役員からも口頭による攻撃が始まりましたが、地頭は私の方が上だったようでとりあえず論破できていたので特に問題ありませんでした。私に対して言う事が無くなったのか、私の当時まだ交際中だった今の嫁をディスりはじめました。が、嫁のめちゃめちゃ美人なお顔や、国家資格所持の経歴でねじ伏せてからは私への攻撃は無くなりました。とても嫁に感謝しましたね。そしてこの頃からとりあえず残業時間中は録音しておくことにしました。

6か月目~退職

 6か月目になると私は、いじめられていない方の20代同僚と組むことになりました。年も同い年で何でも話せて、いじめなんて勿論あるはずもありません。帰りには飲み屋に頻繁に連れて行ってくれて、同い年にもかかわらず正社員だからと毎回奢っていただきました。ずっとこの組み合わせで仕事できたら良いのになぁと感じていました。
 
 この6か月目が終わると正社員になれます。いじめの現状と、20代同僚との仕事の楽しさで今後どうしようか悩んでいました。そんな中2人で仕事をしているといじめられていた20代同僚から電話がありました。「30代上司からヘルメットの上からですが、コンクリートで殴られて流血したので病院に寄って直帰します」と。流石にやりすぎとなり、私達も仕事そっちのけで病院に向かいました。本人はあまり気にしてないようでしたが、本人の家族が当然大騒ぎして大問題となりました。ここで私も辞めることを決めました。当然同僚はそのまま辞めました。
 
 ちなみに殴った30代上司は1週間の謹慎と減給だけで済みました。やはり小さな会社ですから、一人経験者がいなくなるだけで経営が傾くんですね。またそれが理由で社長も分かっていながら役員や上司に対して何も言えなかったそうです。暴力で流血というあまりにひどい行為と、それをずっと止めれなかった自分にもイライラしていたので、元同僚に録音していたデータを全て差し上げました。
 
 半年間の試用期間が切れる前に役員から「お前はやめないよな?」「試用期間で辞めると職歴つかないぞ」「会社の状況考えろよな」と軽く脅されました。「あの録音データ取っていたの私ですよ」とだけ伝えてからはもう何も言われなくなりました。そしてそのまま何事もなく試用期間更新のタイミングで退職しました。やはりある程度やばいと感じたらスマホのアプリで十分なので録音しておくと良いと思います。
 
 ちなみに社長からは謝罪と本来ならアルバイト期間のため出るはずのない退職金をいただきました。口止め料と言ったところでしょうか。当然役員と上司には会いませんでした。この記事を書くにあたって会社を検索しましたが、まだ営業事態は続いているようです。それでも常に求人を出している状態でした。HPには役員も上司も載っていたので会社の体制は変わってないでしょうね。

体育会系という言い訳

 仲が良かった20代同僚が言うには、最初は体育会系特有の「いじり」だけだったようです。それがどんどんエスカレートして終盤の状態になっていったようです。
 
 体育会系という上下関係を重んじ、上の人の意見は絶対という体質は、特に職場では活かすべきではないと感じています。仕事は人生の一部や生活の基盤であるため、なかなか逃げる事が難しいと思います。ましてや家庭やお子さんがいる人には勇気がいる行動だと思います。そのような逃げられない職場と言う閉鎖された空間では、上の立場がどんどん強くなり、何をしても許されるという感覚になるのはあり得る事だと思います。個人的には上下関係の強固さに何か利点があるとは今までの人生で感じたことはありません。
 
 仲良くなるための「いじり」や「ちょっかい」だったと言う言い訳を上司も多用していました。仲良くなるために相手をからかったりするのは、分からなくもないです。ただこれは小学生が好きな子に行うような行動と変わりません。社会人としてそれ以外のコミュニケーションで仲良くなることは十分可能です。と言うよりはそれが一般的ですよね。

終わりに

 今回は「ブラック企業経験談②」を書きました。前回のブラック企業は仕事が忙しすぎる関係上、会社の人間関係は社長以外とはとても良好でした。結束しないと仕事が終わらない状況であり、人間関係で揉める暇も元気もなかったです。
 
 一方今回は、会社自体は給与も高く、福利厚生もしっかりとしたホワイト企業です。しかし人間関係に致命的な問題がありました。こういう場合もブラックと言って良いんですかね?個人的にはブラックだと思っていますが。
 
 今回被害にあっていた同僚も家族を守る立場であり、辞める事の決心がなかなか付かなかったようです。ただその決断の遅れが、怪我に繋がってしまいました。恐らく物理的な怪我だけでなく、それまでの暴言等で精神的にも大きなダメージを負っていたと思います。やはりおかしいと感じたら早めに見切りをつける事が必要だと感じました。
 
 今回もお読みくださりありがとうございます。次回もよろしくお願いします。


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