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だいたい、なんとなく、ま・いっか

長男は海外在住の私の友人に感化され、語学の大学に行く予定でいました。現役時代に受けた大学は語学大学ばかり。悉く振られて浪人生活へ。
途中で急に理系に変更。獣医を目指すと言い出しました。
獣医学科には行けなかったけれど、生物系の学科に進みました。

昔から動物に関わること、あるいは海外で生活することをなんとなく目標にしていた長男は、ある夏休みなにかの本を読んでいて「オレ、税理士になるかな」と言いました。
まさか長男からそんな言葉が出てくるとは思わなかったけれど「いいんじゃない?」と言ったら本当に簿記の勉強を始めて何級だかをとって、次は何の勉強をして・・・としばらくやっていました。
が、もちろんそんなに甘いわけもなく、途中で「やめるかな」と言い出しました。

私がお世話になっている税理士さんは、申し訳ないけど形容するなら
それは「ロボットみたい」です。
感情はなく出された数字の問題を解決する人、という認識。
そこに「なんとなく」とか「だいたい」とか「〇〇かな?」みたいな
言葉は存在しません。私が「税金ばっかり払ってますけど、本当にこれ
合ってます??」と泣き言を言っても「はい。あってます」と淡々と言います。いや、もちろんそれがお仕事なんですから当然なんですが。
そのような職業に長男が就けるとは微塵も思っていなかった私は言いました。
「やる、と言ってることを止めるつもりはなかったけれど、あなたに税理士は向かないと思う。ってか、うちの家族で、誰か税理士ができるならそれはお父さんかな」と言いました。性格と職業、どうなのかな。どんなに大雑把でも税理士さんとかになれるのかな。
わからないけれどうちの家族で「だいたい」「なんとなく」「ま、いっか」を言わずに仕事ができるのは強いて言うなら夫だけかなと思うからです。
夫以外の私、子供3人とも「だいたい」「なんとなく」「ま、いっか」のオンパレードです。そんな人が人の税金を扱って「まあ、だいたい100万ぐらいですかね」とか言ってたら税理士さんとしてはやっていけないだろうな。人間としての感情が備わってそうで付き合いやすいけれど
税理士さんってそういう関係じゃないしね。

などという話をしていたら「たしかに」と納得してあっさりやめていました。

私は小さい頃から獣医になりたくて、それしか考えなかったけれど
高校時代ふと見た映画に感化されまくって、急に文系に変更して
そっちの世界に突進しようとしました。高校の担任が「まあ落ち着け」と言ってくれて押しとどまった経験をしています。
何かを読んだ、何かを見た、で影響を受けまくって急にそっちに行こうとする気持ちはよーーくわかるし、色々やってみたらいいよ、とは思うので
長男がどの方向に行こうとしてもなんとも思わないけれど
税理士はなあ・・・・たぶん絶対合わないと思う。っていうかできないと思う。

そんなことを思っていたら、全く違う系統の仕事に就くことにしたようです。就職先のサイトを見て夫が「給料安そうだぞ」とか「一体なんの仕事よ」とかいろいろ言っていたけれど、私はあまり人の(子供だけど)決めたことに首をつっこんで見てしまってアレコレ思うのが嫌なので、というか
アレコレ思うタイプで口に出しちゃうから、人が決めたことは見ないようにしています。


長男は星の数ほどある仕事の中からとりあえず一つ見つけてそこに進もうとしています。それがどんな世界なのかどんな苦労をするのかどんな人たちがいるのか、「だいたい」「なんとなく」「ま、いっか」の長男が通用する世界なのか玉砕してくるのか楽しみです。

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