雨の日にうちに来たネコ
うちの猫兄弟「ボクチビ」は2007年の5月に我が家にやってきました。
推定生後2週間。それぞれ200gほど。
その頃の我が家には、夫が私と結婚する前から一緒に暮らしていた17歳になるアメショーミックスの女の子(いやお婆ちゃんなんだけど、それは夫が認めないので)がいたんです。
夫の勤め先の建物の中庭で生まれた仔猫4匹。
母猫が世話をしていたから、ニンゲンは手を出さないように!とスタッフみんながググッと我慢して、その可愛い様子を覗き見たいのも堪えていたそうなのですが、ある時、母猫は1匹の仔猫だけをつれていなくなってしまいました。
外で暮らす猫たちの過酷な環境。
後になって考えてみれば、母猫も苦渋の選択として、自分で面倒を見られるコだけを連れて行ったのかなぁ。
そして残された3匹の仔猫。
ニンゲンが手を出すならば、最後までの覚悟を持って!という暗黙の了解。
スタッフ全員が「母猫が迎えに来ますように」と祈っていたようなのですが、2日経っても母猫の姿は見えず、とうとう雨が降りだしました。
たまらずに様子を見に行った女性スタッフから、その日、公休だった夫に半泣きで電話がかかってきて「仔猫が1匹死んじゃいました」と報告があり、これはもうダメだ、と電車に乗って夫と2人で迎えに行ったのが、今いる、うちのボクチビです。
お菓子を入れるような小さな籠にタオルが敷かれ、その上に2本エクレアがのっかってるような頼りない姿。籠ごと片手でひょいと持てるほどの軽さ。そして、動かない。
そのまま、先住猫もお世話になっている動物病院へ駆け込んで診てもらっても、体温は35度台だし、ひどい猫風邪をひいていて、目の周りもふやけちゃっていて、鼻もぐずぐず。
ひとまず注射に投薬にと処置はしてもらいましたが、今夜を越えられるかどうか、と厳しい言葉でした。
先住猫に移っては困るので完全隔離をしつつ、冬に使った残りのホッカイロを底にいれて新しい段ボールにお布団を作り、様子をみました。
最初の目標の「今夜」を通り抜けて、それからは毎日通院。注射に投薬。3時間おきの授乳。
スポイトであげるミルク。スポイトからシリンジに格上げ。シリンジから哺乳瓶に格上げ。
ミルクだけじゃなくて、マグロのたたき、鶏ササミのたたき、、、と夢中でやっていたら、いつのまにか先住猫のカリカリごはんの器に頭を丸ごと突っ込んで勝手に食べてるようなヤンチャ兄弟に育ちました。
保護はするけれど、里親募集はするつもりだったので、茶トラ兄弟のちっこい2匹は『僕たちチビっこ兄弟です』という意味で【ボクチビ】と呼んでいたのが、そのまま名前になりました。
母猫が連れて行った1匹は、サバトラちゃんだったそう。
残念ながら、あの雨の日に死んでしまった1匹はボクチビと同じ茶トラちゃん。
このコは、私たちがボクチビを迎えに行った時点ですでにスタッフの方たちが丁寧に弔いお墓を作ってくれていました。
ずっと雨が降り続いていて、気になることはたくさんありますが、今日、SNSに人は避難をしたけれど、取り残されているワンちゃんやネコちゃんがいることが流れてきました。
きっと他にも一緒に暮らしてきた動物たちがいますよね。
またニュースでは酪農家さんが牛舎に水がこないことを祈ると話している映像が流れていて、もう本当に祈るしかないのだ、と思わされました。
無事でさえあれば、そのあとは何か支援も出来るはず。
とりあえず、とにかく無事でいてほしいです。
天気が悪くて引き篭りがちな先週を過ごしていたのですが、今日は雨の間を狙って、夫と2駅分ほど買い物などで歩きました。
その帰り道に、いつも地域猫さんたちが集まる小さな公園の近くを通ったら、茶白、黒白、黒、サバトラと4匹の猫に順に遭遇したんです。
どのコも家猫っぽくはなくて(黒白と黒は半家猫風だったけど)お世話をしてくれるおウチは一応ある、という雰囲気だったけれど、この雨は凌げているのかなぁと。
以前、「どうしようもなくなったら、うちに来ていいよ」と声をかけておいたら、本当に後日うちまでその猫が来たから、約束通りうちのコにした。
という話を読んで、そんなこともあるんだなぁと思ったのですが、今日は思わず私もそんなふうに、特に1番最初に会った茶白ちゃんには声をかけてしまった。
そのときは、ボクチビを説得するから、うちにおいで。
雨の日だったら、仕方ない。とボクチビも思うはず。
最近、全然日向ぼっこが出来ていない兄弟。
しっとり具合が半端ないです。
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