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朝5時の詩

人間は勝手に期待して、
勝手に失望する生き物で、
だから花は美しいものとされるし、
月にはウサギが住んでいるし、
僕はただの人間だった。

あなたは僕を優しい人だと言った。
僕はあなたを面白い人だと言った。

あなたは僕を嫌いだと言った。
僕はあなたを好きだと言った。

僕はやはり花にも月のウサギにもなれず、
今日も朝の5時まで起きていて、
よく眠るあなたを羨ましいと言った。
あなたは、時間がいっぱいあって良いね、と笑った。

僕はそんなあなたが好きだった。

あなたは、もうあなたではなかったのかもしれない。


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