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モミジの詩

きっともう遥か昔に俺は死んでいて、
惰性でこの世に留まっているだけの存在だから、
僕は人を愛することをやめた。
その瞬間から私は、優しくなれた。
トイレットペーパーのような優しさを、
手に入れた僕は、
やっと俺を弔うことができる。
ようやく僕は死ぬ、
次はあなたになりたい、
でも私にはあなたを愛する心が残っていなくて、
水を一杯注いで、そしてそのまま捨てた。
これで、また、俺は、優しくなれる気がした。
朝日が眩しい、カラスの声が聴こえる。
あなたの匂いがした気がするこの街に、
私は留まるすべを知らない、
だから俺はまだ生きている。
水の流れる音がした。


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