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異世界魔王ライフ。第22話。伝説の島。秘境ジーニアス。(中編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王になった俺。

魔王城の地下迷宮での、傷の治療が、
ほぼ、完治したキール。(以下俺)

仲間(?)になった、白龍を追いかけ、
色々あって、(20話参照)
シグマドラゴンに乗って、
俺、レディ(以下女神)、コピーガンマ(コピーγ)、
コピー魔王(以下元魔王)、シグマ(以下∑)達は、
伝説の島に向かった。

これは、魔王様御一行が、
伝説の島に、着いてからの話です。

……伝説の島。秘境ジーニアスから、遠い場所……

∑「皆の者。着いたぞ。
早く、ワシの背中から、降りんか。」

そう言われたので、
俺達は、シグマドラゴンの背中から、降りた。

女神『ここが、伝説の島ね。』

元魔王「なるほどな。
これは、俺様でも、分からなかった訳だ。」

コピーγ「この島自体が、
地上より、だいぶ高い所を……。」

俺『浮いてんじゃねぇか~~~!!!』

俺達は、驚いていた。

シグマは、ドラゴンの姿から、人型に変わって、言った。

∑「言わなかったかのぉ。
伝説の島は、浮遊大陸じゃと。」

一同『そんな事、一言も、言ってない!!』

俺達は、シグマに思わず、ツッこんだ。

∑「これが、伝説の島じゃ。
転送魔法なんかで来たら、場所が特定出来ず、
そのまま、地面に落下じゃからな。」

どうりで。わざわざドラゴンになって、
ここまで来たのか、分かったよ。

コピーγ「それにしてもよぁ。
なんで、秘境ジーニアスまで行かず、
ここに降りたんだ?。」

コピーガンマの質問に、シグマは答えた。

∑「それは、この森の奥に、秘境ジーニアスが、
あるからじゃ。」

元魔王「空からは、行けないのか?」

俺が思ってた事を、コピー魔王は言った。

∑「それが出来るんなら、
ワシも、そうするわい。」

シグマは、ため息をついた。

女神『つまり、
この森が、関係するんですね?』

今度は、レディが質問した。

∑「その通りじゃ。
なんせ、この森は、生きてるからのぅ。」

俺は、思った事を言った。

俺「生きてるって。
植物だから、当たり前じゃないか。」

しかし、シグマは、首を横に振り、

∑「生きてるってのは、
この森自体に、意思があって、
活動している。ってことじゃ。
空から飛んで行ったら、外部から来たワシ達を、
敵とみなして、撃ち落とすじゃろうて。」

元魔王「だったら、この森自体を、
焼いちゃえば、良かろう?」

しかし、またシグマは、首を横に振り、

∑「いや。秘境ジーニアスには、
この森の許可が無いと、一生、着かないんじゃ。
それに、仮に、この森全部焼き払ったとしても、
秘境ジーニアスまで、焼けてしまうからのぉ。」

コピーγ「って事は、つまり、
この森に入って、許可をもらって、
秘境ジーニアスに行く。って事だな。」

∑「そういう事じゃ。さっきも言ったが、
この森は、生きてる。
つまり、毎回、違う迷路になってる。
ワシが、道案内するから、全員、離れるなよ。」

一同『分かった。』

こうして、俺達は、迷路の森(俺命名)に、
挑んで行った。

…………迷路の森。内部…………

コピーγ「しかしまぁ……。
俺様達、結構歩いたけど……、
まだ着かないのか!ジジイ!?」

俺達は、シグマに、ついて行って、
かなりの長い時間を、歩いていた様な気がする。
同じような景色で、そう感じるのか。
草木が生い茂ってるから、そう思うのか。
それとも……。

女神『さっきからずっと、
白骨化した兵士が、倒れてるわね……。
気色悪いわ。』

∑「おそらく、
騎士国家か、魔法国家の奴ら、だろうて。
敵とみなされ、殺られたか。
それとも、飢え死にか、分からんがな。」

怖いなぁ。ココは、富士の樹海か何かか!?
ひとりでは、帰れる気がしない。

∑「ん?どうやら、ワシ達にも、
来客が、来たようじゃな!?」

人間の顔をした、大きな木が、五体。
俺達の周りを囲んで、
こちらに、向かってくる!!

元魔王「1人一体かぁ~?そんなの関係ねぇ!
俺達が、まとめて、殺ってやるぜ!!」

コピーγ「俺達にも、殺らせろ!ヒャッハー!!」

コピー魔王と、コピーガンマは、
先陣をきって、立ち向かっていった!!

∑「コイツらは!
イカン、よせ!お前ら、攻撃するな!!」

コピー魔王と、コピーガンマの後に、
シグマは、追いかけて行った。
どうやら、止めに行ったみたいだ。

元魔王「くらいやがれ!「破壊する者」!!」

コピーγ「行くぜ!「言わざる者【呪】」!!」

∑「止めろ~!お前ら~!!」

止める間もなく、破壊する者と、言わざる者が、
人面樹に当たった。

?「なるほど……。お前らは敵か。ならば、
望みを、叶えてやろう!!
特殊能力『隔離(かくり)する者』!!」

敵の特殊能力で、
コピー魔王、コピーガンマ、シグマは、
黒い穴に、落ちていった。

俺『みんな~!!!』

女神『多分、シグマが居るから、大丈夫よ。
それより、こっちの人面樹を、どうするか。ね。』

俺達の前には、まだ二体、人面樹が残ってた。
攻撃すれば、俺達にも、特殊能力を使うだろう。
どうしたものか……。

俺は、悩みまくった。

そこに、レディは、口を開けた。

女神『森の守護者よ!私達は、あなた方に、
被害を、与えるつもりは、ありません!
先程の無礼。すみませんでした!!。』

レディは、頭を下げて謝罪した。

すると、人面樹が、口を開けた。

人面樹「ふむ……。お主、女神じゃな。
なぜ、人の子を、かばうのじゃ?」

女神『それは、みんな、かけがいのない、
仲間達だからです!!
ここは、私に免じて、許してやって下さい!
森の守護者よ!!』

この言葉を聞き、
2体の人面樹は重なり、1人の人間が現れた。

森の守護者(以下守護者)「女神が、
そこまで言うのでしたら……。分かりました。
あなたに免じて、許しましょう。」

そう言うと、穴に落ちた、三人が戻ってきた。

守護者「それと、
秘境ジーニアスへの道を、開きましょう。」

女神『ありがとう、森の守護者よ。』

守護者「まさか、あなたが、
人間を信じるとは、思いませんでしたよ。
なかなか良いモノを、見させて頂きました。
では皆様、良い旅を。」

そう言うと、森の守護者は、帰って行った。

俺達は、三人の元に駆け寄り、

俺『大丈夫か!?』

女神『怪我してない!?』

と聞いた。当の本人達は。

コピーγ「痛てぇ。酷い目に、あったぜ。」

元魔王「まだ、準備運動にすら、ならんな。」

∑「お前らが、ワシの話しを、聞かないから、
巻き込まれてしまった。ではないか。全く。」

ほぼ、無傷で帰ってきた。
さすが、強さでは魔王軍が誇る三人だな。うん。

すると、シグマが、急に大きな声をあげた。

∑「おぉー。アレは、秘境ジーニアス!!。
キール様。森の守護者と、和解したのですな!。」

俺『えーっと、それは、レd……。痛でぇ~!!。』

レディのヤツが、俺の足を、
おもいっきり、力を込めて、踏みやがった!!

女神『あら、ごめんなさい。キール。
実は、キールの、巧(たく)みな交渉術で、
森の守護者を、説得したのよ。
みんなに、見せたかったわ~。』

レディは、適当な話しで、この場を流した。
それを聞いたシグマは。

∑「そうなのですか?キール様?さすがです!」

と、大喜びしてた。

その後ろで、レディの視線が、
「この事を、バラしたら、殺すからな!!」
って、言ってるように、俺には見えた。

俺『あー。( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
そうなんだよ。なかなか、話しの分かる奴でさ。
俺とレディで、説得したんだよ。な。レディ。』

レディ『そうよ!私なんかより、
キールの方が頑張ったんだから!ねぇ、キール。』

レディの語尾に、俺だけ、殺意を感じた。

女神が助けた!なんて、言いません!!
と、俺は、目線で、レディに送り返した。
こっちに振るな!って事だろう。多分。

元魔王「って事は、俺様達は、無事に、
秘境ジーニアスに、行けるって事だな!。
やるな。ブラザー!!。」

コピーγ「流石だぜ!キール様!!」

∑「やりますなぁ!キール様!!」

男三人は、俺を、褒めたたえていた。

女神『そうね。ありがとう。キール。』

レディの顔は、言葉と裏腹に、冷め切っていた。

多分。頭の中では、理解してるけど、
何か、不本意なんだろうな。レディは。

コピーγ「まぁ、レディも、よく頑張ったぜ!!
キール様には、遠く、及ばないみたいだがな!」

その言葉に、
レディは、俺の足を、
また、おもいッきり、踏んできやがった!!

俺『痛でぇぇぇぇ~~!!』

女神『あら、ごめんなさい。キール。
間違えて、踏んでしまいましたわ~。』

絶対、今のもワザと、だろう!女神!!
なんで、言わなくても、踏みつけて来るんだよ!
やっぱり、コイツは、ゴキブリ以下だ!!

女神『それよりも、早く、
秘境ジーニアスに、行きましょ!みんな!!』

みんな「オォ〜!!(*˙꒫˙* )(*˙꒫˙* )(*˙꒫˙* )(*˙꒫˙* )」

こうして、無事、迷路の森を、抜けた俺達。
いよいよ、白龍の待つ、秘境ジーニアスか。
ワクワクの反面、武者震いもする。

頼むから、何も起きるなよ!!

……追伸……

まだ、迷路の森を、
さまよってた時の、俺らの会話。

俺『……なぁ、コピー魔王。』

元魔王「なんだ急に、ブラザー?」

俺『お前は、俺の、コピー。なんだよな?』

元魔王「それが、どうした?」

俺『なんで、高所が平気なんだ?お前は、
俺のコピーなんだから、怖くないのか?』

元魔王「なんだ。そんな事か。俺様が、
魔王城で、人体複製されたのは、憶えてるか?」

俺『あぁ、憶えてるよ。(2話参照)』

元魔王「魔王城は高く、そして、
周りは、断崖絶壁ってのは、知ってるよな?」

俺『知ってる。いまだに、
魔王城の外を、見るだけで、気分が悪くなる。』

元魔王「んじゃ、その景色が、最初からあって、
魔王城で、造られた俺様は、どうなると思う?」

俺『そりゃあ、高い所も、平気になるだろうな。
高層マンションで、育てられた、子供の様にな。』

元魔王「そういう事だ。ブラザー。
てか、なんでブラザーは、
まだ、高所恐怖症が、治ってないんだ?」

俺『それは、出来るだけ、
高いところに、行かないからだろ。
きっと、前世の影響なんだろう。
元々、前世は、平屋住まい。だったからな。』

元魔王「だったら、帰りは、シグマドラゴンに、
空中飛行曲芸でも、やってもらおうぜ!
スリルあって、楽しいぞ!きっと!!」

俺『絶対。イ・ヤ・だ!
帰りは、転送魔法で、帰るんだ!!』

元魔王「イーヤ。絶対!
帰りは、ドラゴンで、帰るんだ!!」

俺『いーや!!転送魔法だ!!』

元魔王「いーや!!ドラゴンだ!!」

俺『転送だ!!』

元魔王「ドラゴンだ!!」

女神『あ〜!!2人とも、うるさい~!!
まだ、目的地にも、着いてないのに、
帰る話を、しないで!!』

コピーγ「同感。ただでさえ、森の中は、
クソ蒸し暑いのに、余計に疲れるぜ。」

∑「……まぁ、それだけ、
二人とも、元気が、残ってるって事じゃな!!。
フォッフォッフォ。」

コピーγ「アレ?いつもなら、
コラー!。って、最初に言い始めるんだが?
シグマのジジイ、どうしたんだ?なぁレディ。」

女神『シグマの目を、よく見て、
目が、笑って無いわよ。コピーガンマ。』

コピーγ「逆に怖ぇ……。
俺様達は、静かにしてような。レディ。」

女神『そうね。そうしましょう……。』


俺『転送だ!』

元魔王「ドラゴンだ!」

俺『転送だ!』

元魔王「ドラゴンだ!」

∑「ブチッ。(何かがキレる音)」

コピーγ、女神『あ……。やべぇ………。』

……この後、言うまでもなく、
シグマに、こっぴどく怒られた、
キールと、コピー魔王。だったとさ。
めでたしめでたし。

俺、元魔王『めでたくねーよ!!』


22話 終 制作・著作  ━━━━━    きぃえぁ



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